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第1章
第94話 狩りの後始末
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兄上も僕も背びれイタチの狩場に案内したら、基本的には役目は終了なんだけど、もしも何かあって他の場所を案内する必要が出た時の為に待機することになっていたようだ。
最初のうちは、他の人の訓練の仕方を見るのはちょっと興味深かったんだ。
魔獣を単体ずつ討伐できるように騎士達が囲いを作ったり、土に埋めて動けないようにさせたり適度に弱らせたりさせながら、訓練を進めていくというのは、討伐に慣れていない人の訓練には良さそうで参考になった。
メイリの訓練の時に真似させてもらおうかと思う。
でも、ただ訓練を見ているだけなのって暇なんだよね。四人の訓練の様子を見物した後は、キョロキョロとあちこちを眺めていた。
仕留められた背びれイタチがポーンと草むらに放り投げられたのを目で追いかける。
背びれイタチは肉は硬くて美味しくないって言われているし、魔石も極小さいものがあったりなかったりで素材としては価値は低いのだろうと思う。
でも放り投げたままなのかなってちょっと気になる。
土の囲いの側を離れて背びれイタチの死骸が落ちて行ったあたりを見に行った。
ワサワサと長く伸びて枯れた草むらをかき分けると、草の根本に毛皮がボロボロになった背びれイタチの死骸が引っかかっていた。
ほんのりと魔力を感じるのは、まだ生きているからというわけじゃなくて魔石が魔力を放出している状態だからだろう。
仕留めた直後だと偶に魔石から魔力を放出している場合がある。時間が立つと魔力の放出は収まるんだ。
魔石のある魔獣全部がそうではないみたいなので、仕留められた瞬間に魔獣が魔法を発しようとしていたところだったのかなと思っている。
そういう個体は大抵、魔石が大きくて魔石の残存魔力も多いんだよね。
魔石を取って確認してみたい気持ちがある。だけど自分で討伐した獲物じゃないから横取りしたみたいになっちゃうなぁ。
「どうしたの?」
考えながら草の根本に落ちた背びれイタチの死骸を見つめていたら、背後から声がかかった。
「あ、レオノールさん。」
気配でなんとなく分かったけど、振り向くとレオノールさんが不思議そうに僕が見ていた背びれイタチの死骸を覗き込んでいた。
「魔獣の死骸が気になるの?」
「死骸を土に埋めておかないのかなと思ったのと、この魔獣の魔石がちょっと気になったんです。」
「土に埋める?」
「死骸を放っておくと、他の魔獣が寄ってくるから。」
「こんな小さい魔獣でも?」
「はい。あっちではもうアーマーコンドルが狙ってるでしょう?」
僕は上空を旋回して飛んでいる黒い影を指差した。アーマーコンドルが旋回しながらチラチラとこちらに意識を向けてきているのを感じる。
背びれイタチが放出している魔力を察知されているのかなと思う。
少し離れた草むらにも、アーマーコンドルが舞い降りてきていた。多分、放り投げられた他の背びれイタチを啄んでいるのだと思う。
レオノールさんは眩しそうに目を少し細めながらアーマーコンドルの様子を眺めた。
「あら。凶暴そうな魔獣ね。ここは背びれイタチだけと聞いていたけど、あんなのが寄ってくるのね。」
「血と魔力に引き寄せられるらしいです。」
「だから埋めておくのね。埋めておくように言うわ。埋める穴を掘る場所は適当で問題ないかしら?」
レオノールさんの言葉に僕が頷くと、レオノールさんは他の騎士に声をかけに行った。
少しして、先ほどリネリア嬢の訓練の時に背びれイタチを半分埋めた騎士が歩いてきて、開けた場所で立ち止まった。
騎士の詠唱と共に魔法陣が浮かび上がり、騎士の足元近くの地面がモコモコと盛り上がってきた。
地面に穴が開き、穴の周囲に土が盛り上がって行く。
「採掘」の魔道具と同じように穴を掘る魔法らしい。「採掘」の魔道具に使われている魔法陣と騎士が魔法を発する時に浮かび上がった魔法陣と比べて見てみたいな。
最初のうちは、他の人の訓練の仕方を見るのはちょっと興味深かったんだ。
魔獣を単体ずつ討伐できるように騎士達が囲いを作ったり、土に埋めて動けないようにさせたり適度に弱らせたりさせながら、訓練を進めていくというのは、討伐に慣れていない人の訓練には良さそうで参考になった。
メイリの訓練の時に真似させてもらおうかと思う。
でも、ただ訓練を見ているだけなのって暇なんだよね。四人の訓練の様子を見物した後は、キョロキョロとあちこちを眺めていた。
仕留められた背びれイタチがポーンと草むらに放り投げられたのを目で追いかける。
背びれイタチは肉は硬くて美味しくないって言われているし、魔石も極小さいものがあったりなかったりで素材としては価値は低いのだろうと思う。
でも放り投げたままなのかなってちょっと気になる。
土の囲いの側を離れて背びれイタチの死骸が落ちて行ったあたりを見に行った。
ワサワサと長く伸びて枯れた草むらをかき分けると、草の根本に毛皮がボロボロになった背びれイタチの死骸が引っかかっていた。
ほんのりと魔力を感じるのは、まだ生きているからというわけじゃなくて魔石が魔力を放出している状態だからだろう。
仕留めた直後だと偶に魔石から魔力を放出している場合がある。時間が立つと魔力の放出は収まるんだ。
魔石のある魔獣全部がそうではないみたいなので、仕留められた瞬間に魔獣が魔法を発しようとしていたところだったのかなと思っている。
そういう個体は大抵、魔石が大きくて魔石の残存魔力も多いんだよね。
魔石を取って確認してみたい気持ちがある。だけど自分で討伐した獲物じゃないから横取りしたみたいになっちゃうなぁ。
「どうしたの?」
考えながら草の根本に落ちた背びれイタチの死骸を見つめていたら、背後から声がかかった。
「あ、レオノールさん。」
気配でなんとなく分かったけど、振り向くとレオノールさんが不思議そうに僕が見ていた背びれイタチの死骸を覗き込んでいた。
「魔獣の死骸が気になるの?」
「死骸を土に埋めておかないのかなと思ったのと、この魔獣の魔石がちょっと気になったんです。」
「土に埋める?」
「死骸を放っておくと、他の魔獣が寄ってくるから。」
「こんな小さい魔獣でも?」
「はい。あっちではもうアーマーコンドルが狙ってるでしょう?」
僕は上空を旋回して飛んでいる黒い影を指差した。アーマーコンドルが旋回しながらチラチラとこちらに意識を向けてきているのを感じる。
背びれイタチが放出している魔力を察知されているのかなと思う。
少し離れた草むらにも、アーマーコンドルが舞い降りてきていた。多分、放り投げられた他の背びれイタチを啄んでいるのだと思う。
レオノールさんは眩しそうに目を少し細めながらアーマーコンドルの様子を眺めた。
「あら。凶暴そうな魔獣ね。ここは背びれイタチだけと聞いていたけど、あんなのが寄ってくるのね。」
「血と魔力に引き寄せられるらしいです。」
「だから埋めておくのね。埋めておくように言うわ。埋める穴を掘る場所は適当で問題ないかしら?」
レオノールさんの言葉に僕が頷くと、レオノールさんは他の騎士に声をかけに行った。
少しして、先ほどリネリア嬢の訓練の時に背びれイタチを半分埋めた騎士が歩いてきて、開けた場所で立ち止まった。
騎士の詠唱と共に魔法陣が浮かび上がり、騎士の足元近くの地面がモコモコと盛り上がってきた。
地面に穴が開き、穴の周囲に土が盛り上がって行く。
「採掘」の魔道具と同じように穴を掘る魔法らしい。「採掘」の魔道具に使われている魔法陣と騎士が魔法を発する時に浮かび上がった魔法陣と比べて見てみたいな。
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