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第1章
第118話 川からの帰り道
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僕も兄上の釣りの仕方を真似して、干し肉で誘い込んで槍で刺すっていう方法にしてみようかと思ったけど、気配で探るのも練習になると思うから、さっきと同じ方法を続行した。
僕の成果は三匹。兄上は十匹だった。完敗だぁ!
僕が仕留めた魔魚は、どれも兄上が釣った?魔魚よりずっと大きいんだけど、
水面から口を開けて水の中から飛び出してきた魔魚を思い出して、僕は餌だと思われたんじゃないかとちょっと微妙な気持ちになった。
昼までに戻りたいから、釣りの成果の魔魚は血抜きだけして解体をせずに持ち帰ることにした。覚えたてスキルの「収納」に入れてみる。
リュックが空なら軽いままだから「運搬」を使う必要もない。
縦にしたら僕の肩くらいまでの長さがある魔魚三匹はちゃんと「収納」に入れることができた。兄上も、魔魚十匹を問題なく「収納」できたみたいだ。
凄く便利!
「リュックが汚れないのは助かるな」
空のリュックのショルダーストラップをちょっと引っ張って揺らして兄上が笑った。兄上も「収納」スキルを使って嬉しそうだ。
僕も初の「収納」での獲物の持ち帰りでテンションがちょっと上がった。何しろ、リュックに何も入れてないんだ。
そのうちリュックが不要になっちゃうかな。
魔力不足で「収納」できないなんてことがあったときに備えてリュックもあった方が良い気はする。手ぶらだと目立ってしまって「収納」スキルを持ってるって知られちゃいそうだし。
空のリュックを背負っての帰り道、馬に乗って川沿いを少し進み、橋を渡る。パカパカと蹄の音が響く。
橋を渡ってまっすぐが帰宅報告なんだけど、橋を渡り切ったあたりから香ばしい香りがしてきていたのが気になる。橋の袂で馬を止めて周囲を見回した。
川辺から林のあたりに少し町寄りの辺りに人が集まっている気配。笑い声も聞こえてきた。
焚き火をして魚を焼いているようだ。冒険者かな。
「ギャハハ!」
笑い声がしたと思ったら、ボッと火の玉が飛んで、草むらに消えた。
「俺の方がもっと飛ぶぞ~!」
また、ひょろひょろと火の玉が飛んでいく。
「え?何?」
どうして何でもないところで火球を飛ばしているの?小さい蜂の魔獣でも居たんだろうか。でも気配が妙に荒々しい。この気配の感じ、なんとなく森で感じたものに似ている気がする。
黒焦げの沼地の光景を思い出す。
「……よくわからないけど、もしかしたら沼を燃やした奴らかも。」
兄上も、彼らが昨日の森の中でオオトカゲの沼地を荒らした人物と同じじゃないかって考えたみたいだ。
「どうする?捕まえる?」
どうやったら捕まえられるかな、土の魔石を使ったら背びれイタチみたいに土に埋められないかなとか考えながら兄上に確認すると兄上が渋い表情で首を横に振った。
「いや、すぐ報告しに帰ろう。沼地の連中と本当に同じかわからないし」
「報告に行っている間にいなくなっちゃったりしない?」
「危険人物かもしれないだろ」
ボソボソと兄上と相談をしていた時、急に背後から強い視線を感じた。ぐんっと「害意」が迫ってくる!
ギョッとして振り向くと、川岸に槍を持った男性が二人いてニヤニヤ笑いながらこっちを見ていた。
「おう!ガキィ。槍持ってるってことは、魔魚取りか?どうだ?獲れたか~。」
「お兄さん達、これから昼なんだよ。ちょーっと獲物を分けてもらえないかなぁ」
「おーい!」
二人目の男性が、焚き火の近くの人達に呼びかけるように大声を出した。
焚き火の近くの人達が一斉にこちらを向いた。一人、二人と立ち上がってこちらに向かって歩き出した。
僕の成果は三匹。兄上は十匹だった。完敗だぁ!
僕が仕留めた魔魚は、どれも兄上が釣った?魔魚よりずっと大きいんだけど、
水面から口を開けて水の中から飛び出してきた魔魚を思い出して、僕は餌だと思われたんじゃないかとちょっと微妙な気持ちになった。
昼までに戻りたいから、釣りの成果の魔魚は血抜きだけして解体をせずに持ち帰ることにした。覚えたてスキルの「収納」に入れてみる。
リュックが空なら軽いままだから「運搬」を使う必要もない。
縦にしたら僕の肩くらいまでの長さがある魔魚三匹はちゃんと「収納」に入れることができた。兄上も、魔魚十匹を問題なく「収納」できたみたいだ。
凄く便利!
「リュックが汚れないのは助かるな」
空のリュックのショルダーストラップをちょっと引っ張って揺らして兄上が笑った。兄上も「収納」スキルを使って嬉しそうだ。
僕も初の「収納」での獲物の持ち帰りでテンションがちょっと上がった。何しろ、リュックに何も入れてないんだ。
そのうちリュックが不要になっちゃうかな。
魔力不足で「収納」できないなんてことがあったときに備えてリュックもあった方が良い気はする。手ぶらだと目立ってしまって「収納」スキルを持ってるって知られちゃいそうだし。
空のリュックを背負っての帰り道、馬に乗って川沿いを少し進み、橋を渡る。パカパカと蹄の音が響く。
橋を渡ってまっすぐが帰宅報告なんだけど、橋を渡り切ったあたりから香ばしい香りがしてきていたのが気になる。橋の袂で馬を止めて周囲を見回した。
川辺から林のあたりに少し町寄りの辺りに人が集まっている気配。笑い声も聞こえてきた。
焚き火をして魚を焼いているようだ。冒険者かな。
「ギャハハ!」
笑い声がしたと思ったら、ボッと火の玉が飛んで、草むらに消えた。
「俺の方がもっと飛ぶぞ~!」
また、ひょろひょろと火の玉が飛んでいく。
「え?何?」
どうして何でもないところで火球を飛ばしているの?小さい蜂の魔獣でも居たんだろうか。でも気配が妙に荒々しい。この気配の感じ、なんとなく森で感じたものに似ている気がする。
黒焦げの沼地の光景を思い出す。
「……よくわからないけど、もしかしたら沼を燃やした奴らかも。」
兄上も、彼らが昨日の森の中でオオトカゲの沼地を荒らした人物と同じじゃないかって考えたみたいだ。
「どうする?捕まえる?」
どうやったら捕まえられるかな、土の魔石を使ったら背びれイタチみたいに土に埋められないかなとか考えながら兄上に確認すると兄上が渋い表情で首を横に振った。
「いや、すぐ報告しに帰ろう。沼地の連中と本当に同じかわからないし」
「報告に行っている間にいなくなっちゃったりしない?」
「危険人物かもしれないだろ」
ボソボソと兄上と相談をしていた時、急に背後から強い視線を感じた。ぐんっと「害意」が迫ってくる!
ギョッとして振り向くと、川岸に槍を持った男性が二人いてニヤニヤ笑いながらこっちを見ていた。
「おう!ガキィ。槍持ってるってことは、魔魚取りか?どうだ?獲れたか~。」
「お兄さん達、これから昼なんだよ。ちょーっと獲物を分けてもらえないかなぁ」
「おーい!」
二人目の男性が、焚き火の近くの人達に呼びかけるように大声を出した。
焚き火の近くの人達が一斉にこちらを向いた。一人、二人と立ち上がってこちらに向かって歩き出した。
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