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第1章
第146話 知ってることが少ない
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食事の最後にデザートを運んできたのは、マーサじゃなくてジャックだった。魔魚のムニエルを持ってきてくれたのもジャックだったけどね。
メイドさんが消えた話をしたばかりだったから、マーサが大丈夫なのかちょっと気になってしまう。
「……マーサは?」
「お客様方のお食事が急遽、別のお部屋に変わったとのことで、そっちを対応してます」
少しだけ緊張しながらマーサのことを聞いてみたけど、マーサは無事みたいだ。ジャックは特になんでもなさそうに答えていた。良かった!
「他のメイドさんとかは?居た?」
「さぁ、厨房にはいらっしゃらなかったですねぇ」
ジャックは厨房にて、広間の事件のことは知らされていないみたいだ。
朗らかに微笑みながらデザートを配ってくれた。
デザートは、チーズのムースにベリーのソースがかかったもの。
チーズ風味のふんわりしたムースにベリーのソースの甘酸っぱさが合っていて美味しい!
甘いものを食べるとちょっと落ち着く気がするなぁ。
デザートを食べ終わってから、「収納」から木の板と羽根ペンを出した。
見たことや気づいたことを書き留めるつもりだけど、「毒鑑定」のこととかは触れないつもりだ。
「本館の裏手で何か気配がしたのって、やっぱりあの騎士が何かしてたのかな」
「そうかもな……。あの時、毒を仕込んでたのか……?」
本館の裏手に不審者がいないか見に行った時は特に何も見つけられなかったけど、裏手に誰か居たみたいだったってことだけ一応書いておく。
後は、あの騎士が侍女の人をじっと見ていたことと、ゴブレットが光ったこと。
騎士の人の手袋が汚れていたこと。考えてみたら灰色キノコの色に近かったから
それで毒が付着しているのだと思ったってことにしておく。
「……あんまり僕達が知ってることないね……」
書き出してみたけど、あの現場には大勢いたわけだし、
特に僕達だけが知っている情報はなさそうだ。
本館の裏手で何か発見したわけでもないからね。
「……僕達で役に立てることはないのかな」
「いや、もう役に立ったと思うぞ。光水を飲み物に使ってたから、ゴブレットが光って毒に気づけたんだろう」
気がついたことを書き出しても事件解決への成果がなさそうだと思って
ちょっと口を尖らせたら、兄上がフォローしてくれた。
「どうしてあの飲み物が光ったのかも分からないのになぁ」
「結果的に最悪の事態を防げたんだから良いだろ」
「まあ、そうだけど……」
果実炭酸光水が光ったのは、多分毒に反応したんじゃないかって
思うけど、検証はできていない。
グラスに入っていた果実炭酸光水をじっと見つめてみた。
《果実炭酸光水》
《毒耐性(強)・解毒(中)》
果実炭酸光水は、解毒より毒耐性の効果が強いらしい。
解毒効果もあると言うことは、もしかして毒が入っている状態で飲んでも
解毒できちゃったかもしれない。
ただ、毒に反応して光るかどうかは「毒鑑定」では分からなかった。
メイドさんが消えた話をしたばかりだったから、マーサが大丈夫なのかちょっと気になってしまう。
「……マーサは?」
「お客様方のお食事が急遽、別のお部屋に変わったとのことで、そっちを対応してます」
少しだけ緊張しながらマーサのことを聞いてみたけど、マーサは無事みたいだ。ジャックは特になんでもなさそうに答えていた。良かった!
「他のメイドさんとかは?居た?」
「さぁ、厨房にはいらっしゃらなかったですねぇ」
ジャックは厨房にて、広間の事件のことは知らされていないみたいだ。
朗らかに微笑みながらデザートを配ってくれた。
デザートは、チーズのムースにベリーのソースがかかったもの。
チーズ風味のふんわりしたムースにベリーのソースの甘酸っぱさが合っていて美味しい!
甘いものを食べるとちょっと落ち着く気がするなぁ。
デザートを食べ終わってから、「収納」から木の板と羽根ペンを出した。
見たことや気づいたことを書き留めるつもりだけど、「毒鑑定」のこととかは触れないつもりだ。
「本館の裏手で何か気配がしたのって、やっぱりあの騎士が何かしてたのかな」
「そうかもな……。あの時、毒を仕込んでたのか……?」
本館の裏手に不審者がいないか見に行った時は特に何も見つけられなかったけど、裏手に誰か居たみたいだったってことだけ一応書いておく。
後は、あの騎士が侍女の人をじっと見ていたことと、ゴブレットが光ったこと。
騎士の人の手袋が汚れていたこと。考えてみたら灰色キノコの色に近かったから
それで毒が付着しているのだと思ったってことにしておく。
「……あんまり僕達が知ってることないね……」
書き出してみたけど、あの現場には大勢いたわけだし、
特に僕達だけが知っている情報はなさそうだ。
本館の裏手で何か発見したわけでもないからね。
「……僕達で役に立てることはないのかな」
「いや、もう役に立ったと思うぞ。光水を飲み物に使ってたから、ゴブレットが光って毒に気づけたんだろう」
気がついたことを書き出しても事件解決への成果がなさそうだと思って
ちょっと口を尖らせたら、兄上がフォローしてくれた。
「どうしてあの飲み物が光ったのかも分からないのになぁ」
「結果的に最悪の事態を防げたんだから良いだろ」
「まあ、そうだけど……」
果実炭酸光水が光ったのは、多分毒に反応したんじゃないかって
思うけど、検証はできていない。
グラスに入っていた果実炭酸光水をじっと見つめてみた。
《果実炭酸光水》
《毒耐性(強)・解毒(中)》
果実炭酸光水は、解毒より毒耐性の効果が強いらしい。
解毒効果もあると言うことは、もしかして毒が入っている状態で飲んでも
解毒できちゃったかもしれない。
ただ、毒に反応して光るかどうかは「毒鑑定」では分からなかった。
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