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第1章
第164話 戻って報告
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屋敷に戻ってきたら、正門にはゲンティアナの騎士より王宮騎士の方が多くいて、普段より物々しい雰囲気だ。
でも、僕と兄上は問題なく門を通過できた。門に向かって歩いてくるのを見られていたからか、普通に「おかえりなさい」って言われただけだった。
正門から入ったところでボブが出迎えてくれた。
「坊ちゃん達、二人で狩りに行ってしもうたと思ったでさぁ」
「あ……」
ボブがちょっと困ったように眉を下げた。
そういえば、狩りに行くときはボブも一緒に行くことになっていたんだった。
出かける時にボブに声を掛けてなかった、と思ったけど兄上は特に動じた様子もなく返事をした。
「薬師の店に行っていただけだよ」
「今は何処に行くにも用心せんといけんでさぁ」
「うん。そうだね。今度からそうするよ。出かける時、ボブに声をかけるね。
この後、狩りに出かけようとおもってたんだけど、ちょっと時間食っちゃったから出発が遅れそうだよ」
「わしはいつでもええでさぁ」
薬師のおばあちゃんの店から森に直行する予定の積りだったけど、
当面の狩りはボブも同行することになってたんだった。
兄上は最初から一度屋敷に戻ってからボブに声を掛けて出かけるつもりだったのかな。
薬師のおばあちゃんのところで紫色の木の実の実験をしたから、
いつもより狩りに出発する時間が遅くなってしまった。父上に紫色の木の実の報告と沼地事件で考えたことの報告もしないといけない。
すぐには出発ができなさそうだ。
「午後までに戻ってこれるかな。午後は訓練場に顔を出すんだよね」
「急げば午後には戻れると思うよ。馬を走らせれば大丈夫じゃないか?昼食をゆっくり食べられないかもしれないけど」
「昼食かぁ」
昼食はメイリと一緒に食べる予定だったから、ちょっとは余裕をもって食べたいな。
「狩りを手短にすればよい?」
「そうだけど。焦ると狩りに集中できなくなるから、急いで狩ろうとするなよ。
遅くなったらなったで仕方ない。午後の訓練だって約束しているわけじゃないんだから」
「うん」
ちょっと出発が遅くなっても黎明の泉のところに狩りに行く予定を変えないのは
泉の水を汲みに行くのと、出来るだけ毒耐性の魔石を手に入れたいからだ。
紫色の木の実の件があって、ますます、泉の水と毒耐性の魔石が必要になってきた。
「収納」スキルが手に入って本当に良かったと思う。
泉の水も多く運べるからね。
今日は父上は狩りに出かけていないらしいので、兄上と二人で父上の執務室に報告書を持って行った。
「……今度は『呪いの毒』だと……」
報告書に目を通した父上は、一瞬だけブワッと燃え上がるように魔力を放出させた。
すぐにスッと通常通りの雰囲気に戻った。
厨房に運び込まれた木箱の毒キノコと沼地の関連について兄上が話した時は
特に魔力が吹き上がったりはしなかった。落ち着いている様子だ。
騎士への尋問とかで、情報を得ていたのかもしれない。
でも、僕と兄上は問題なく門を通過できた。門に向かって歩いてくるのを見られていたからか、普通に「おかえりなさい」って言われただけだった。
正門から入ったところでボブが出迎えてくれた。
「坊ちゃん達、二人で狩りに行ってしもうたと思ったでさぁ」
「あ……」
ボブがちょっと困ったように眉を下げた。
そういえば、狩りに行くときはボブも一緒に行くことになっていたんだった。
出かける時にボブに声を掛けてなかった、と思ったけど兄上は特に動じた様子もなく返事をした。
「薬師の店に行っていただけだよ」
「今は何処に行くにも用心せんといけんでさぁ」
「うん。そうだね。今度からそうするよ。出かける時、ボブに声をかけるね。
この後、狩りに出かけようとおもってたんだけど、ちょっと時間食っちゃったから出発が遅れそうだよ」
「わしはいつでもええでさぁ」
薬師のおばあちゃんの店から森に直行する予定の積りだったけど、
当面の狩りはボブも同行することになってたんだった。
兄上は最初から一度屋敷に戻ってからボブに声を掛けて出かけるつもりだったのかな。
薬師のおばあちゃんのところで紫色の木の実の実験をしたから、
いつもより狩りに出発する時間が遅くなってしまった。父上に紫色の木の実の報告と沼地事件で考えたことの報告もしないといけない。
すぐには出発ができなさそうだ。
「午後までに戻ってこれるかな。午後は訓練場に顔を出すんだよね」
「急げば午後には戻れると思うよ。馬を走らせれば大丈夫じゃないか?昼食をゆっくり食べられないかもしれないけど」
「昼食かぁ」
昼食はメイリと一緒に食べる予定だったから、ちょっとは余裕をもって食べたいな。
「狩りを手短にすればよい?」
「そうだけど。焦ると狩りに集中できなくなるから、急いで狩ろうとするなよ。
遅くなったらなったで仕方ない。午後の訓練だって約束しているわけじゃないんだから」
「うん」
ちょっと出発が遅くなっても黎明の泉のところに狩りに行く予定を変えないのは
泉の水を汲みに行くのと、出来るだけ毒耐性の魔石を手に入れたいからだ。
紫色の木の実の件があって、ますます、泉の水と毒耐性の魔石が必要になってきた。
「収納」スキルが手に入って本当に良かったと思う。
泉の水も多く運べるからね。
今日は父上は狩りに出かけていないらしいので、兄上と二人で父上の執務室に報告書を持って行った。
「……今度は『呪いの毒』だと……」
報告書に目を通した父上は、一瞬だけブワッと燃え上がるように魔力を放出させた。
すぐにスッと通常通りの雰囲気に戻った。
厨房に運び込まれた木箱の毒キノコと沼地の関連について兄上が話した時は
特に魔力が吹き上がったりはしなかった。落ち着いている様子だ。
騎士への尋問とかで、情報を得ていたのかもしれない。
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