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第3話
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「ですからキャシー、あなたとは婚約関係にあったことはないと言いましたよね? 自分に都合の悪いことは聞かなかったことにするのはやめなさい」
ジュリアンはそこまで言って、ソファーに隣で座っているフルールを自分の方にぐいっと引き寄せ肩を抱く。
「それに私とフルールは始まりは確かに政略でしたが、結果的に相思相愛の夫婦になりました。愛がないなんて言わないで頂きたいです」
「まぁ、ジュリアン様……! 私もあなたを愛していますわ」
フルールはキャシーに見せつけるようにジュリアンの頬にキスする。
(こんな状況なのにジュリアン様にドキドキしてしまいましたわ)
二人の様子を見てキャシーはギリギリと歯軋りしている。
「ジュリアンってばそんな女にすっかり骨抜きになってしまって。あっ、わかったわ! 泥棒猫に弱みを握られて脅されているのね! 私が助けるわ!」
「この状況でよくそんな解釈が出来ますわね。呆れますわ。私がジュリアン様の弱みを握って脅してるですって? そんなことをして何になるのです?」
「フルールの言う通りです。私は脅されてるのではなく、心からフルールのことを愛しています」
「もういいわ! パパに言いつけて離婚させるわ! そして私と再婚よ! パパの権力をもってすればあっという間に離婚成立。ついでにブロワ公爵家と泥棒猫の実家の侯爵家には二度と国内のあらゆる商会から商品を買えなくしてあげる。普通ならブロワ公爵家の方は見逃すところだけど、私に黙って結婚した罰をあげたいから、一時的に苦しんでもらって私と再婚後は解除してあげる。国一番のボナリー商会のトップであるパパに頼めばこんなこと簡単よ。今なら、私に土下座してジュリアンと離婚すると言えば商会関係は取り消すわ。さぁ、どうするの?」
キャシーは勝ち誇った表情をフルールに向ける。
(あれは自分の勝利を確信している顔ね。ボナリー商会からの圧力がブロワ公爵家とベルレアン侯爵家に通じるなんて本気で思っているなんて滑稽ですわ)
「あなたに土下座してジュリアン様と離婚だなんて冗談ではございませんわ。商会への圧力はお好きにどうぞ」
「後で泣きついてきたって知らないからね! そうと決まれば早速パパにお願いしなきゃ! 私はもう帰る!」
キャシーはこうしちゃいられないと慌ただしく公爵邸を後にする。
それはまるで嵐が去ったかのような退場であった。
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「まぁ、ジュリアン様……! 私もあなたを愛していますわ」
フルールはキャシーに見せつけるようにジュリアンの頬にキスする。
(こんな状況なのにジュリアン様にドキドキしてしまいましたわ)
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