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第2話
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フルールは一度コホンと咳払いし、自分の存在をアピールした。
するとキャシーはやっとフルールの存在に気づいたらしく、目を吊り上げる。
「あんた誰よ? 邪魔しないで」
「執事のクロヴィスが先程私のことも言及していましたけれど、改めて。私はフルール。ジュリアン様の妻ですの」
「あんたがフルールね。私からジュリアンを奪った泥棒猫。なら、話が早いわ。ジュリアンと離婚しなさいよ!」
「何故あなたの言いなりに離婚せねばなりませんの? それに私に対するその口の聞き方は何ですか? ジュリアン様から話は聞いておりますが、あなたは単なる子爵令嬢。私は元侯爵令嬢で今は公爵夫人。身分が上の者に対する礼儀知らずの要求なんて私が聞く義理はございませんわ」
「私の言うことは絶対だからよ。今まで叶えられなかった願いはない。パパとママはどんなことも叶えてくれた。ジュリアンもあんたより私と結婚したいはずなの。それに、泥棒猫にはあんた呼ばわりでちょうどいいの」
「ふーん。そうですの。では、お偉いキャシーさん。ジュリアン様に聞いてみましょうか。私よりあなたと結婚したいかどうか」
キャシーの言い分に白けたフルールはわざと皮肉げに"お偉い"と修飾語をつけたり、通常様をつけるところをさんとつけた。
(子爵令嬢でしかないのに"私の言うことは絶対"なんて笑ってしまいますわ。これはジュリアン様が彼女のことを迷惑だと仰ったのも頷けます)
「ええ! ジュリアンは絶対に私を選ぶはずよ!」
キャシーは自信満々に答える。
「キャシー。私はあなたと結婚したいなど一度たりとも思ったことはありません」
「嘘よ! そんなはずないわ! 私はとびきり可愛いし、小さい頃はあんなに構ってくれたじゃない」
キャシーは確かに可愛い部類に入るのかもしれない。
栗色の髪にオレンジ色の瞳で、愛嬌のある顔立ちだ。
でも、公爵家長男として生まれ、親戚に美しい人や可愛い人を見慣れているジュリアンにとって、キャシーがとびきり可愛いか?と言われると違うとはっきり断言出来る。
それにキャシーの"自称とびきり可愛い顔"の下に底意地の悪さが透けて見え、気持ちの悪いあざとさが受けつけられなかった。
「キャシーが小さい頃、構っていたのはキャシーのご両親と私の両親が我が家で商談をしている間、キャシーの遊び相手がいないから私にもてなして欲しいと君のご両親から頼まれたからです。でも君の相手はしたくなかったというのが本音です」
「……だそうですわ、キャシーさん」
「嘘よ! そんなはずないわ! かわいそうなジュリアン。泥棒猫にすっかり騙されて。私が泥棒猫から解放してあげるわ!」
「ねぇ、キャシーさん。私とジュリアン様の結婚は政略的な要素も含んでおりますの。たかが子爵令嬢でしかないあなたとあなたのご実家のボナリー子爵家がジュリアン様のブロワ公爵家と私の実家のベルレアン侯爵家で取り決めをされた結婚について口を挟む権利がありまして?」
「あるに決まってるじゃない! 私はジュリアンの婚約者よ! それに愛がない結婚なんてジュリアンがかわいそう! 早く離婚させてジュリアンを幸せにしなくちゃ!」
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「あんたがフルールね。私からジュリアンを奪った泥棒猫。なら、話が早いわ。ジュリアンと離婚しなさいよ!」
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「私の言うことは絶対だからよ。今まで叶えられなかった願いはない。パパとママはどんなことも叶えてくれた。ジュリアンもあんたより私と結婚したいはずなの。それに、泥棒猫にはあんた呼ばわりでちょうどいいの」
「ふーん。そうですの。では、お偉いキャシーさん。ジュリアン様に聞いてみましょうか。私よりあなたと結婚したいかどうか」
キャシーの言い分に白けたフルールはわざと皮肉げに"お偉い"と修飾語をつけたり、通常様をつけるところをさんとつけた。
(子爵令嬢でしかないのに"私の言うことは絶対"なんて笑ってしまいますわ。これはジュリアン様が彼女のことを迷惑だと仰ったのも頷けます)
「ええ! ジュリアンは絶対に私を選ぶはずよ!」
キャシーは自信満々に答える。
「キャシー。私はあなたと結婚したいなど一度たりとも思ったことはありません」
「嘘よ! そんなはずないわ! 私はとびきり可愛いし、小さい頃はあんなに構ってくれたじゃない」
キャシーは確かに可愛い部類に入るのかもしれない。
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でも、公爵家長男として生まれ、親戚に美しい人や可愛い人を見慣れているジュリアンにとって、キャシーがとびきり可愛いか?と言われると違うとはっきり断言出来る。
それにキャシーの"自称とびきり可愛い顔"の下に底意地の悪さが透けて見え、気持ちの悪いあざとさが受けつけられなかった。
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「……だそうですわ、キャシーさん」
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「あるに決まってるじゃない! 私はジュリアンの婚約者よ! それに愛がない結婚なんてジュリアンがかわいそう! 早く離婚させてジュリアンを幸せにしなくちゃ!」
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