【完結】がり勉地味眼鏡はお呼びじゃない！と好きな人が婚約破棄されたので私が貰いますわね！

第１５話

　あの仮装ガーデンパーティーから時は過ぎ去り、今日はアドリアンとフローレンスの結婚式の日だ。

　二人は学園卒業まで順調に交際を続け、学園を卒業してそのまますぐに結婚することになった。


　因みにユージェニー王女殿下とクレメントは連行された後、学園へは二度と戻っては来なかった。

　彼らが今どうしているかは誰にもわからない。


　春の麗らかなぽかぽかと温かい陽気の中、アドリアンとフローレンスは教会で挙式する。

　アドリアンとフローレンスもそんなに大規模な結婚式は望んではいなかったので、お互いの大切な友人と親族が参加するこじんまりとした式になった。


　純白のドレスに身に纏ったフローレンスは父であるセドリックのエスコートで教会の中を真っすぐに進む。

　余りにも美しい花嫁に参列者は皆うっとりと見とれていた。

　やがてアドリアンが待っている場所までたどり着くとフローレンスはセドリックからアドリアンへと引き渡された。

「フローレンス。貴女を愛しています。二人で素敵な家庭を築きましょうね」

「はい！　私もアドリアン様を愛していますわ」

　アドリアンは花嫁のベールをめくり、そっと唇に口づける。


　二人が永遠の愛を誓った後、花嫁によるブーケトスが行われる。

　花嫁が投げたブーケを受け取った者が次に結婚するという一種のジンクスのようなイベントだ。

　フローレンスの周りには未婚の令嬢が集まる。

　その中にはアドリアンの妹のサビーネもいる。


　フローレンスは彼女達に背を向けて、彼女たちの方へブーケを投げる。

「さぁ、投げますわよ！」


　フローレンスが投げたブーケは思ったよりも遠くに飛んでしまい、令嬢達ではなく、もう結婚している者や男性陣、親族の小さな子供のいるところまで到達してしまった。

　ブーケを受け取ったのはなんとフローレンスの弟のジェレミーだった。

「あれ、僕のところに来ちゃった！　フローレンス姉様ありがとう！」

「あら、ジェレミーが受け取ったのね！」


　何とも微笑ましいブーケトスの結果に皆ほっこりする。


　――アドリアンとフローレンスの結婚式の光景には幸せが溢れていた。