女官は推しの妄想をして腐っていたい~という訳で、お付きのお嬢様が立てるフラグはすべて私が折らせていただきます~

さくらぱん

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フラグを一つ折る

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 女官風情がと皇太子様はおっしゃいましたが、主人に代わって発言をするのも女官の務めです。
 ただし、注意しなければならないことがあります。

 この世界において、女官の命はワタアメぐらい軽いんです。

 盗みのような罪を犯せば当然連れていかれます。
 仕事でなにか失敗をしたら割とあっさり連れていかれます。
 濡れ衣を着せられてそれを晴らせなくても連れていかれます。

 どこへ?
 刑場へ!

 ちなみに衛兵や門番も同じぐらいのライフレートになっております。
 女官よりレートが低いのは下男あたりですかね。
 数も多いので、かなりお安めの設定のようです。

 貴族や将軍や王子なら少し高いライフレートですから、しばらくは牢で過ごすこともありますが。
 でも結果的に刑場へ行くとか、牢屋で毒を盛られてさようならとか普通にあるんですけどね。

 命軽いよね!
 そこがゲームではよかったんだけどね!
 リアルで自分がその立場に置かれたらちょっとどころかかなりビビるよね!

 でもだからってここを引くわけにはいきません。
 遠慮なくいかせていただきますよ。
 だってこのフラグをへし折らないと退場させられちゃうんですから!

「先ほど5日前とおっしゃいましたが」

「そうだ。風の強い日だった」

「はい、たしかにたいそう風の強い日でございましたね。実はその日、お嬢様は将軍様の招待を受けておりました。ですから階段から誰かを突き落とすことなどできないのです」

「なに?」

 ああ、驚いたようなそのお顔も美しい。
 素早く脳内に別名で保存します。

「それは……まことなのか?」

「ああ。その証言は俺が保証しよう」

 そう言ってくださったのはソースで胸元が汚れている将軍でした。

 請け負ってくださった将軍はこちらを見て笑いかけてくださいます。
 日に焼けて浅黒い肌がまた健康的でいいんですよね。
 当然、脳内に別名で保存です。

「な、なぜそのようなことを……彼女は私の婚約者だぞっ」

「うむ。キツネ狩りに誘ってみたのだ」

「だから私の婚約者をなに狩りになんか誘ってるのだと言っている!」

「いやいや。勘違いめされるな。俺が誘ったのは女官の方だ。お嬢様はおまけだ」

「お、おまっ。言うに事を欠いておまけだと……ありえないだろうっ」

「はっはっは。すまんすまん」

 将軍はちょっぴりガサツだけど、本質的にはいい方なのです。
 そもそも淑女を狩りに誘うか?と思うんですけどね。そういうズレたところが将軍の売りでもあるので。
 なんというか、痛し痒し?みたいな。

「まあ、いい。それについてはまた話し合うとしよう」

 皇太子様はこめかみをほぐしておられます。
 ああ、いいですね。
 そのイラつきポーズもゲームで見られました。
 即脳内に別名で保存しておきます。
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