女官は推しの妄想をして腐っていたい~という訳で、お付きのお嬢様が立てるフラグはすべて私が折らせていただきます~

さくらぱん

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二つ目と三つ目を折る

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「だがドレスの件はなんとする。淑女の召し物を傷つけるとは不届千万であろう!」

「たしかに非道な行いだと思います」

「それをそなたの主人がしでかしたと言っている!」

「ではお嬢様が行ったという証拠をご提示ください。使用した凶器も添えていただけるでしょうか」

「ぐむ……」

「……ないのですね?」

「む、むむむ……」

「そもそも自作自演の可能性も考えるべきではないでしょうか」

「か、彼女がそのようなことをする、とは思えん……の、だが……」

 とても歯切れが悪い。
 そのでっち上げをした人が誰か予想がついてしまいますよ?

 ほら、あそこの輪にいるお一人がさり気なく視線をそらしています。

「ですがドレスが台無しになってしまったのはなんとかして差し上げなければなりませんね。どうしてもご入用ということでしたらいつでもご相談ください。幸いなことに、私にはこの国で一番の大商人に伝手がございます。あの方に用意できない品はありません」

「その通りです。皇太子殿下。私がいつでもご用意いたします」

 褐色の青年は大商人のご子息です。
 ゲームにおける私の親が彼の一族に雇われているんですよね。
 だからこのキャラクターがすっごく尊敬している人物で、ご主人様と呼んでいます。

 ちなみにゲームでは隠し攻略対象でした。
 そんなキャラを仲人プレイで意中の相手とくっつけるのがいいんですよねえ。

「くっ……そ、それでは怪しげな行動についてはどうだ!」

「ぼんやりと怪しげな行動と言われましても困るのですが……」

「中庭だ! そこで怪しい行動をしていたと複数の人間から聞いている! なんでも細い糸のようなものを持って空を見上げていたそうではないか!」

「それでしたらただの遊戯です」

「……なに?」

「なんでもどこか遠くの国の遊びなのだとか。詳しいことは宮廷魔術師様にお聞きください」

 話を振ると、イケメンはメガネをクイツと上げた。
 それそれ! メガネキャラ定番のポーズですよね!
 光の反射具合でしょうか。レンズの奥にある目が見えないのが実にいいです。芸術的です!

「い、今の話は本当なのか?」

「はい。実は僕も書物でしか読んだことがなく、よくわからない代物だったのですが。資料によると空高く飛ぶとあったのですが何度やっても上手くいかない。あれこれ試行錯誤していたのですが、そこにたまたまロザモンド嬢たちが通りかかりまして。悩む僕にそこの女官がアドバイスをしてくれたのですよ。長い尻尾のようなものをつけたらどうかとね。半信半疑で試してみたら驚くことに見事に飛んだのですよ! いやあ、あれはよい体験でした。ああ、そうです。よければ殿下も今度一緒にどうですか。楽しいですよ」

「い、いや……よい」

 どこか疲れたような表情をなさっておいでです。
 あ、でもこの表情も味わい深くていいんですよねえ。
 脳内に別名で保存しておきましょう。
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