17 / 38
ことの終わりは始まりとなれ!(本編)
act.11 王子の断罪・後
しおりを挟む
※台詞多め、大人たちの断罪劇の為、ロイドは傍観者です。
マリオン、コルバン、カルトナー、ラモンドそしてジルファス家。
ランスロット王国の五公爵家と云えば彼らを指す。建国時から存在するマリオンとコルバン。この二家に遅れて追加された残る三家。彼ら全員が動く時は、国王の勅命が下った--看過できない事態が起きているということだ。
「彼らを見張れ」
宰相カルトナーの命令で現れた騎士団が、コリンズ侯爵、ダットン伯爵、アンジェ子爵、ピュリナの周囲を囲む。
「では。諸君らは数多の罪を犯した。申し開きなどは法務大臣の立ち会いの下、後日行われる。これより発言は認めない--」
敵国への情報漏洩及び情報の対価の受領に始まり、領民への虐待、領民の誘拐、人身売買、税の着服、特産品の価格操作、王宮の賄統括に属する立場を悪用した横領など、次々に読みあげられる罪の数々に、三人を含む貴族の顔色は徐々に紙のように白くなっていった。
「以上がコルバン、ラモンドそしてジルファスら三公からの調査結果である。マリオン公爵からは何かおありかな」
「私は陛下直属の顧問のようなものだからね、すべての部署の動きは把握している。三公の内容に異論も相異もない。付け加えるならば、そこのコリンズらと癒着していた商人の身柄は既に尋問中。陛下の御言葉を遮り、殿下のご意志に反した主張をした不敬罪もあろう。ああ、国家転覆罪に問えるものがあった--」
「ほう? マリオン公爵説明を」
「コリンズは、五公爵家に取って代わる野心をお持ちのようですな。マリオンの娘を失脚させ婚約者の席が空いたところに、側妃に教育不足のアンジェ子爵令嬢を、支え役の名目で正妃としてコリンズの娘を送り込む計画を実際に準備されていたとの報告があってね--幼稚すぎて片腹痛い」
実子や養女の区別なく、王太子妃になる娘は必ず五公爵家いずれかから輩出されねばならない。建国時からの慣わしだ。マリオンでなければ他の四公爵家から。
「-ッ、私は侯爵だ! 侯爵家から妃を出して何が悪い!! 貴様ら五公爵家の何が私より--ウグッ!?」
コリンズ侯爵がふいに呻いた。
「黙れよ、豚。首を刎ねるか?」
マリオン公爵による一蹴り。床に崩れ落ちたコリンズ侯爵は、変わらず嗤いを湛えたままのマリオン公爵と四公に怯え、今さらながらに国王を見たのだったが--。
「尋問の後、厳しい罰を下す。娘を残し、こ奴らを連れて行け--」
与えられたのは地獄への沙汰だった。
ただ一人残されたピュリナへの罪状は、然るべき場所での幽閉。場所の選定、移送、ピュリナの監視の一切をマリオン公爵に委任された。
「王様、あたしは利用されたの! 助けて!
あたしはヒロインなのよ、なんでおかしいのよ、ここ! フラグ立たないし、攻略対象ちゃんと動いてくれないし!!
あたしの世界なんだから、ちゃんと、
あたしのために動けばいいんだよッ!! ゲームのキャラが生意気にすんな--!!」
髪を掻きむしり、誰一人意味の理解できない妄言を叫ぶ。狂人そのものに変貌したピュリナは、連行されながらいつまでもわめき続けていた。
こうして、二つの断罪は幕を閉じた--。
マリオン、コルバン、カルトナー、ラモンドそしてジルファス家。
ランスロット王国の五公爵家と云えば彼らを指す。建国時から存在するマリオンとコルバン。この二家に遅れて追加された残る三家。彼ら全員が動く時は、国王の勅命が下った--看過できない事態が起きているということだ。
「彼らを見張れ」
宰相カルトナーの命令で現れた騎士団が、コリンズ侯爵、ダットン伯爵、アンジェ子爵、ピュリナの周囲を囲む。
「では。諸君らは数多の罪を犯した。申し開きなどは法務大臣の立ち会いの下、後日行われる。これより発言は認めない--」
敵国への情報漏洩及び情報の対価の受領に始まり、領民への虐待、領民の誘拐、人身売買、税の着服、特産品の価格操作、王宮の賄統括に属する立場を悪用した横領など、次々に読みあげられる罪の数々に、三人を含む貴族の顔色は徐々に紙のように白くなっていった。
「以上がコルバン、ラモンドそしてジルファスら三公からの調査結果である。マリオン公爵からは何かおありかな」
「私は陛下直属の顧問のようなものだからね、すべての部署の動きは把握している。三公の内容に異論も相異もない。付け加えるならば、そこのコリンズらと癒着していた商人の身柄は既に尋問中。陛下の御言葉を遮り、殿下のご意志に反した主張をした不敬罪もあろう。ああ、国家転覆罪に問えるものがあった--」
「ほう? マリオン公爵説明を」
「コリンズは、五公爵家に取って代わる野心をお持ちのようですな。マリオンの娘を失脚させ婚約者の席が空いたところに、側妃に教育不足のアンジェ子爵令嬢を、支え役の名目で正妃としてコリンズの娘を送り込む計画を実際に準備されていたとの報告があってね--幼稚すぎて片腹痛い」
実子や養女の区別なく、王太子妃になる娘は必ず五公爵家いずれかから輩出されねばならない。建国時からの慣わしだ。マリオンでなければ他の四公爵家から。
「-ッ、私は侯爵だ! 侯爵家から妃を出して何が悪い!! 貴様ら五公爵家の何が私より--ウグッ!?」
コリンズ侯爵がふいに呻いた。
「黙れよ、豚。首を刎ねるか?」
マリオン公爵による一蹴り。床に崩れ落ちたコリンズ侯爵は、変わらず嗤いを湛えたままのマリオン公爵と四公に怯え、今さらながらに国王を見たのだったが--。
「尋問の後、厳しい罰を下す。娘を残し、こ奴らを連れて行け--」
与えられたのは地獄への沙汰だった。
ただ一人残されたピュリナへの罪状は、然るべき場所での幽閉。場所の選定、移送、ピュリナの監視の一切をマリオン公爵に委任された。
「王様、あたしは利用されたの! 助けて!
あたしはヒロインなのよ、なんでおかしいのよ、ここ! フラグ立たないし、攻略対象ちゃんと動いてくれないし!!
あたしの世界なんだから、ちゃんと、
あたしのために動けばいいんだよッ!! ゲームのキャラが生意気にすんな--!!」
髪を掻きむしり、誰一人意味の理解できない妄言を叫ぶ。狂人そのものに変貌したピュリナは、連行されながらいつまでもわめき続けていた。
こうして、二つの断罪は幕を閉じた--。
26
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
《完結》氷の侯爵令息 あなたが子供はいらないと言ったから
ヴァンドール
恋愛
氷の侯爵令息と言われたアラン。彼は結婚相手の伯爵令嬢にとにかく冷たい態度で接する。
彼女は義姉イライザから夫が子供はいらないと言ったと聞き、衝撃を受けるが気持ちを切り替え生きていく。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
公爵令嬢のひとりごと
鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
婚約破棄から50年後
あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。
そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる