婚約破棄から恋をする

猫丸

文字の大きさ
11 / 38
ことの終わりは始まりとなれ!(本編)

お礼① 夜会の令息たち

しおりを挟む
※お気に入り500突破のお礼第①弾。次800お礼②弾はリクエストで令嬢版に決定。ありがとうございました。
本話に出ないモブの令息たちのお話。

◇◇◇
《ボーイズトーク:ラナエラ嬢は女神》

「はぁ。ラナエラ嬢、美しすぎる」
「ありなのか!? あのドレス!?」
「学園内だとゆったりしたデザインのドレスを身につけていらっしゃるから……スタイル良いとは思ってたけど、あれは神だわ」
 豊かな胸元は、思春期の令息たちには神の恵み。
「うわ、ヨハンが鼻血吹いた!?」
「……俺、危険ヤバイ夢見る気がする! で、夢の中でロイド殿下に殺られる……。でも、夢に出てきてくれたら嬉しい!」
「うん! 夢なら耐えられる!」
「お優しいし、麗しいし、ご聡明だし! ご出身がでとてもじゃないけど近寄れないけど」 
 ………。
「「「夢で見るだけなら、な」」」
 令息たちは「男の子だもん」と、細やかな願いを込めるのだ。

◇◇◇
《ボーイズトーク:ピュリナちゃん》

「か、可愛すぎる! 何、あのフワフワ!」
「イチゴちゃんかっ!?」
「かわいいよな~ピュリナちゃん」
「うん、ほんと、かわいい」
「甘えん坊で、天使か!!」
「「「婚約者あいつらよりかわいい!」」」
 ふわふわなストロベリーブロンドを甘ったるく眺め、
「「「愛人にしたい!」」」
 現実的な令息たちであった。

◇◇◇
《ボーイズトーク:殿下に忠義を!》

「なあ、ラナエラ嬢にダンス申し込む?」
 こんな時夜会ならではの台詞だったが、二人の友人は鹿と驚愕の表情でエンデ少年を見つめ、
「「……家訓、ベルト伯爵家お前の家に無いのか?」」
 友人らは、
「ラナエラ嬢の影を踏むな、3秒以上見つめるな、話しかけられたら五体投地しろ、入学前に親父から言明された……」
「何で3秒! 五体投地って何それ! っていうかジルト伯爵親父に何があった!?」
「……伯爵うちの家訓には…君子危うきマリオンに近づくなとある……」
「!? お前んちのガルト伯爵親父もどうした!?」
「どうした、だと!? 見ろ!!」
「--ひっ!」
 エンデ少年の視線の先には、地獄絵図が広がっている。
 談笑する王子と婚約者を微笑で見守る--いや、で王子だけに底光りする双眸を据えた--婚約者の身内父と兄。確実にあの周辺には殺戮の冷気が充満しているだろう。エンデ少年の父ベルト伯爵は挨拶しかけた中途半端な視線で固まっていた。
「「あれが理由だ!」」 
 ……。
 無理だ、無理すぎる。自分だったら即死だ。すごいよ、貴方は。完璧ににこやかな笑顔。
「俺は、いや、俺たちは、殿下勇者に忠誠を誓うと--今ここで宣言しよう!」
「「おうっ!!」」
 こうしてジルト、ガルト、そしてベルト家は、王国随一の忠義三伯爵家として後世まで伝わる名家になるのだった……。
 
 夜会の片隅にて令息たちのお喋りは秘かに、暑苦しく続く--
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

《完結》氷の侯爵令息 あなたが子供はいらないと言ったから

ヴァンドール
恋愛
氷の侯爵令息と言われたアラン。彼は結婚相手の伯爵令嬢にとにかく冷たい態度で接する。 彼女は義姉イライザから夫が子供はいらないと言ったと聞き、衝撃を受けるが気持ちを切り替え生きていく。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

公爵令嬢のひとりごと

鬼ヶ咲あちたん
ファンタジー
城下町へ視察にいった王太子シメオンは、食堂の看板娘コレットがひたむきに働く姿に目を奪われる。それ以来、事あるごとに婚約者である公爵令嬢ロザリーを貶すようになった。「君はもっとコレットを見習ったほうがいい」そんな日々にうんざりしたロザリーのひとりごと。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

婚約破棄から50年後

あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。 そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。

処理中です...