レミニセンス 第三章

紫くらげ

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もう終わったと思った、死なないと思った。
でも、まだ終わっていない。
終わっていなかったんだ。

遠くで聞こえる波の音。
ここでメグリが…そう、メグリが……

俺は一人で立ち上がり、辺りを見回す。

「メグリ…」

そう、もうメグリは声を掛けには来ない。
初期化、されてしまった…

なんで…こんなことに……

俺は死ぬ寸前に、思い出したことを振り返る。

俺を殺したのは、俺だ。

アイツはいつのバグだろうか。
分からない。分からないけど…アイツだけは、許さない。
絶対に…殺してやる。

アイツが、何度も俺を殺したように…。
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