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「この紺と黄色のネクタイ、とても良いですね」
「ありがとう御座います」
「一本はこれにします。結婚式のはくすんだ色のにしようかなと思ってて」
「畏まりました。結婚式に着ていくスーツはお決まりですか?」
「はい。これ何ですけど」
「拝見します」
スマホに写っている写真を確認して合いそうなのを脳内でピックアップしていく。
確かにこのスーツではくすんだ色の方が落ち着きが出て式に合うな。
ぱっと見は黒なんだけど、青が入ってる。
有名なブランドのメーカーだし、オーダーメイドだろう。
ベースが黒と青なら暖色系が合うだろう。
紫とかワイン辺りかな… 緑系も合いそう
棚から紫とワイン、深緑と青のラインが2本入った品を取り出す。
真っ赤でも多分浮かないと思うな…
着るのがこの人なら着こなしそうだし。
あー、でも式だから目立ち過ぎるのは駄目だ。
新郎と被るのも避けたい。
となるとやっぱりこの3本かな。
ピンとこなかったらまた考えよう。
ネクタイを机に並べて見えやすいようにした。
「お待たせいたしました。写真で拝見させていただいた感じですと、黒のベースに青が入ってるように見えましたので、相性の良さそうな3本を選んで見ました」
黒+青で紺なんだけど、紺とは言い切れないぐらい黒が強い。
数字で表すと黒が8で青が2くらいかな。
光の反射とかでやっと分かるかどうかって感じだ。
机に並べてあるのを真剣に見ている。
柄物も用意するべきかな?
でもあんまり選択肢を増やしすぎても迷うだけだし…
何色かの指定があれば別だけど。
「この緑の一本、良いですね。普段ように欲しいぐらいです」
「ありがとうございます。勿論普段使いでも大丈夫です」
「参ったな…選んでくれるのが全部良くて全て買いたくなる。予算は2本なのに」
「ありがとうございます」
最高の褒め言葉を言われた!
選んだ品、気に入ってくれたんだ。
凄く嬉しい!
少し困ったように微笑みながらまたネクタイを見比べている。
絞るのに苦戦しているようで唸り始めた。
後悔のないように選んでほしい。
あ、あれもあったな…
青に暗めの赤がワンポイントで入ってるネクタイが。
写真で見たスーツにもこのお客様にも似合うんじゃないだろうか?
試しに見せてみるか。
また選択肢を増やして申し訳ないけど。
棚から取り出してそっと机に置く。
くすんだ色じゃないけど、どうだろうか?
「あ、これ良いですね。これにします」
置いたネクタイを見ると即決した。
ちょっとビックリして思考停止してしまった…
「くすんだ色では無いんですけど、大丈夫でしょうか?」
念のため確認をする。
後で違うって言われないようにだ。
「はい。あのスーツにはくすんだ色しか合わないと思ってたんですけど、こんなに選択肢があるとは思わなくて。一色のシンプルな物って考えてたから柄物とかラインが入った物とか、ワンポイントのとか考えもしなかったです」
最初に決めた紺と黄色のネクタイと、最後に出した青と暗めの赤のネクタイを手に取り満足そうにしている。
お客様が選んだんだ。
きっと後悔の無い買い物が出来たと思いたい。
「気に入った品が見つかって良かったです」
「はい。お会計をお願いします」
「畏まりました。お品物をお預かりいたします」
ネクタイを受け取りカンターへ行く。
皺にならないように梱包して袋に入れる。
「お会計が、2本で2千円になります」
「カードでお願いします」
「畏まりました」
手続きをしてお客様に袋を渡す。
出入り口に向かい、扉を開けた。
「また来ます」
「有難うございました」
一礼をしてお客様を見送った。
扉を閉めてホッとした。
無事に気に入ったのが見つかって良かった。
あのお客様が実際に着用してる姿を見てみたいな…
あんなにスタイルが良くて、カッコ良いんだから絶対似合う。
あの困ってるのに楽しそうな顔も可愛いと思ったし。
魅力が凄過ぎる人だった。
お客様に対して可愛いとかカッコイイとか思っちゃってるけど、声に出しては言わないから許してほしい。
机に並べたネクタイを丁寧に片付けながら、お客様の事が脳内を埋め始める。
また来ると言っていた。
本当にまた来てくれるだろうか?
今度は柄物をおすすめしたい。
きっと似合うだろう。
約束とは言えない、社交辞令なのも分かってる。
だけど、また来てくれる事を楽しみにしている俺がいる。
お客様だけど、来店されるのが待ち遠しい。
また会える日を楽しみに、仕事を頑張ろうと思う。
end
追伸。
数日後まさか本当に来店してくれてまた数本購入してくれただけでも嬉しいのに、更に青と暗めの赤のネクタイを着用た姿を実際に見せてくれて、最高に幸せだった話はまた機会があればその時に。
「ありがとう御座います」
「一本はこれにします。結婚式のはくすんだ色のにしようかなと思ってて」
「畏まりました。結婚式に着ていくスーツはお決まりですか?」
「はい。これ何ですけど」
「拝見します」
スマホに写っている写真を確認して合いそうなのを脳内でピックアップしていく。
確かにこのスーツではくすんだ色の方が落ち着きが出て式に合うな。
ぱっと見は黒なんだけど、青が入ってる。
有名なブランドのメーカーだし、オーダーメイドだろう。
ベースが黒と青なら暖色系が合うだろう。
紫とかワイン辺りかな… 緑系も合いそう
棚から紫とワイン、深緑と青のラインが2本入った品を取り出す。
真っ赤でも多分浮かないと思うな…
着るのがこの人なら着こなしそうだし。
あー、でも式だから目立ち過ぎるのは駄目だ。
新郎と被るのも避けたい。
となるとやっぱりこの3本かな。
ピンとこなかったらまた考えよう。
ネクタイを机に並べて見えやすいようにした。
「お待たせいたしました。写真で拝見させていただいた感じですと、黒のベースに青が入ってるように見えましたので、相性の良さそうな3本を選んで見ました」
黒+青で紺なんだけど、紺とは言い切れないぐらい黒が強い。
数字で表すと黒が8で青が2くらいかな。
光の反射とかでやっと分かるかどうかって感じだ。
机に並べてあるのを真剣に見ている。
柄物も用意するべきかな?
でもあんまり選択肢を増やしすぎても迷うだけだし…
何色かの指定があれば別だけど。
「この緑の一本、良いですね。普段ように欲しいぐらいです」
「ありがとうございます。勿論普段使いでも大丈夫です」
「参ったな…選んでくれるのが全部良くて全て買いたくなる。予算は2本なのに」
「ありがとうございます」
最高の褒め言葉を言われた!
選んだ品、気に入ってくれたんだ。
凄く嬉しい!
少し困ったように微笑みながらまたネクタイを見比べている。
絞るのに苦戦しているようで唸り始めた。
後悔のないように選んでほしい。
あ、あれもあったな…
青に暗めの赤がワンポイントで入ってるネクタイが。
写真で見たスーツにもこのお客様にも似合うんじゃないだろうか?
試しに見せてみるか。
また選択肢を増やして申し訳ないけど。
棚から取り出してそっと机に置く。
くすんだ色じゃないけど、どうだろうか?
「あ、これ良いですね。これにします」
置いたネクタイを見ると即決した。
ちょっとビックリして思考停止してしまった…
「くすんだ色では無いんですけど、大丈夫でしょうか?」
念のため確認をする。
後で違うって言われないようにだ。
「はい。あのスーツにはくすんだ色しか合わないと思ってたんですけど、こんなに選択肢があるとは思わなくて。一色のシンプルな物って考えてたから柄物とかラインが入った物とか、ワンポイントのとか考えもしなかったです」
最初に決めた紺と黄色のネクタイと、最後に出した青と暗めの赤のネクタイを手に取り満足そうにしている。
お客様が選んだんだ。
きっと後悔の無い買い物が出来たと思いたい。
「気に入った品が見つかって良かったです」
「はい。お会計をお願いします」
「畏まりました。お品物をお預かりいたします」
ネクタイを受け取りカンターへ行く。
皺にならないように梱包して袋に入れる。
「お会計が、2本で2千円になります」
「カードでお願いします」
「畏まりました」
手続きをしてお客様に袋を渡す。
出入り口に向かい、扉を開けた。
「また来ます」
「有難うございました」
一礼をしてお客様を見送った。
扉を閉めてホッとした。
無事に気に入ったのが見つかって良かった。
あのお客様が実際に着用してる姿を見てみたいな…
あんなにスタイルが良くて、カッコ良いんだから絶対似合う。
あの困ってるのに楽しそうな顔も可愛いと思ったし。
魅力が凄過ぎる人だった。
お客様に対して可愛いとかカッコイイとか思っちゃってるけど、声に出しては言わないから許してほしい。
机に並べたネクタイを丁寧に片付けながら、お客様の事が脳内を埋め始める。
また来ると言っていた。
本当にまた来てくれるだろうか?
今度は柄物をおすすめしたい。
きっと似合うだろう。
約束とは言えない、社交辞令なのも分かってる。
だけど、また来てくれる事を楽しみにしている俺がいる。
お客様だけど、来店されるのが待ち遠しい。
また会える日を楽しみに、仕事を頑張ろうと思う。
end
追伸。
数日後まさか本当に来店してくれてまた数本購入してくれただけでも嬉しいのに、更に青と暗めの赤のネクタイを着用た姿を実際に見せてくれて、最高に幸せだった話はまた機会があればその時に。
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