大人女子の恋愛方程式♡

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近いけど遠い

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8月中旬


富良野の8月は・・・・1年のうちで一番人が増える時期。


—由美side


8月のこの時期、内地に働きに出ていた人、大学生等も戻ってくるし・・・観光客がまた一層増えるこの時期。

「暴力事件?」
私は定食屋に置いてあった回覧板を手に取って言った。

女将さんが手を拭きながら厨房から出てきて、
「そうそう、なんか最近ー・・・ここらで多発してて、犯人がまだ捕まっていないんだって」
そう言った。

回覧板には、『不要な夜の外出は避け、なるべく1人では行動しない事』と、書かれていた。
今朝、うちのポストにもこんなビラが入ってたっけ・・・・。

「これって・・被害者の人って・・・」
私が女将さんにそう言うと、女将さんは
「皆観光客の子みたいよ?バイクで来てた女子大生がー・・・短期バイト先のホテルに出勤してこなくて探してみたら寮のアパートで怪我して泣いてたって・・・若い男2人に乱暴されたってー・・・怖いよねぇ・・・」

胸が痛かった。
若い男2人と聞き・・・あの時の記憶が少し蘇る。

「でー・・・2日前にも観光客の2人組の20歳の女の子!街中で飲んで帰る時に声を掛けられてー・・車内で乱暴されて上富良野で車から降ろされて近くの店に助けを求めたって・・・」

観光で来て、そんな事に・・・。
可哀想・・・・。

酷い・・・北海道にもそんな酷い事をする人が居るの??
「でもー・・・そんな事件ここらじゃ珍しいよ?・・・だからー・・・内地から来た・・・観光客か・・・リゾートバイトとかで来てる若者かねぇ?」
ご主人も厨房からそう言ってため息をついた。
「由美ちゃんも帰り道とか気を付けな。明ちゃんやお母さんにもちゃんと言っておいて。」


私は車だし、知らない人とは店以外では喋る事はないし・・・。
でも、気を引き締めなきゃ・・・・。


達也君とカフェで話したあの日から、達也君は毎日連絡をくれ・・・店にも食べに来るし、私が上がる時間にまた来て、私の車の後を走ってくれて私が家に入るのを見届けてから・・・帰る。
仕事が無い日は、明がお友達と約束している時に富良野や美瑛のカフェでお茶をしたり、旭川の方まで行ってみたりと・・・少しずつ2人の時間を増やしていった。

店がオープンして直ぐに、
「いらっしゃーい!!!」
女将さんの元気な声と共に顔を上げると・・・達也君が笑って店に入ってきた。

私はメニューを持って達也君がいつも座る席の方に歩いて行き、
「いらっしゃい!今日は早いね?」
そう言うと、達也君は笑って
「んー・・・この後さー・・上富良野のホームセンターに行こうかなって思ってる!由美何か買うものある?」
達也君って・・・・もの凄くマメ。

今泊っているホテルはあと1週間だけで、その後は・・・・うちから車で5分ほどの場所にある空き家を市から買い取ったらしい。
で、そこを自分の手で少しずつ直しているとか・・・・。
「んー・・・・あ、上富良野のー・・・チーズ工房のピザ用チーズ買って来てほしいかもー・・・大袋のやつ!」
そう言うと達也君は笑って
「はいはーい!あと何かあったらラインして??」
そう言ってメニューを見出した。


まだ・・・明やお母さんにはちゃんと紹介していなくって・・・明には毎日、『いつたっちゃん来るのー?』って・・・急かされてる。

達也君はメニューを見ながら、
「ハンバーグ定食にしようかなー・・・・」
そう言って私にメニューを渡してきた。

最近真也君は・・・ラベンダー畑に行っているようで・・・この店には殆ど来ない。
牧場に真也君が居ないから、テンションダダ下がりな明のご機嫌を取れるのは・・・・私でも母でもない。

達也君だ。
明は達也君に逢えるのを楽しみにしていて、この前のケーキのお礼とハンカチのお礼だって言って達也君に沢山の絵を書いている。



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