37 / 133
彼女の過去と俺の過去
1
しおりを挟む
—真也side
ニングルテラスで達也さんに偶然会った日、あれから俺は由美さんには会いに行っていない。
仕事も殆どラベンダー畑に行くようになり、牧場にもいない為明ちゃんにも会っていなかった。
あの日見た、達也さんと由美さんのあの表情から・・・・あの2人はただの知り合いではないのだろうって・・・そう感じたんだ。
きっと、恋人だったんだろうと・・・思った。
夕飯を済ませ、自分の部屋でアイコスを吸っていると、部屋の扉がノックされた。
「はいー・・・」
俺が返事をすると、ゆっくりドアが開き顔を出してきたのは直樹。
直樹は顔をひょっこりと出し、
「今ちょっと良いですか???」
そう言って笑った。
「いいよ」
そう言うと直樹はコンビニの袋を下げて中に入ってきた。
「俺、最近太っちゃいましたー・・・ただでさえ北海道って何でも美味いのに、コンビニデザートにまではまっちゃいました」
直樹は俺の前に座って買ってきた袋の中から色々出してきた。
俺たちはこっちに来てから酒は全く飲んでいない。
一応そういうルールがある。
直樹は嬉しそうにテーブルにポテトチップスとシュークリームを出し、俺の前にもコーラを置いて
「このシュークリーム美味しいの知ってますっ?」
って嬉しそうに言った。
「知ってる知ってる!美味いよなー・・・・直之は?もう寝たのか?」
「あー・・・寝ちゃいました!最近兄貴寝るの超早いんっすよー・・・」
ここは牧場のスタッフ宿舎で、牧場敷地内にある平屋の小さなアパートのようなもの。
直樹と直之は兄弟の為少し広い部屋で同室。
俺はその隣の8畳一間で1人部屋だ。
直樹とはOHで働いていた時も、横浜にいた時もここまで仲良く話したことなんてなかった・・・・のに、北海道に来てからこうやってよく男子会をしている。
—直樹side
この前、達也さんがこの牧場に来た。
俺は直接話はしなかったけど、松さんと話をしているのを・・・見た。
なんだろう・・・・。
俺、何かしたっけ?
こっちに来てから、俺と兄貴は遊びにも出ていないし・・・出掛けても富良野市内。
もしかして、他の場所に連れて行かれるとか??
と、すごく不安だった。
最初はここの生活、すごくきつかったけど・・・今は結構癒されて富良野の人達も優しいし結構楽しいんだ。
松さんと一緒に過ごして、一緒に食事をしたりするのもすごく楽しい。
真也さんはシュークリームを食べ終えると、アイコスを吸い俺の顔を見た。
そして、
「何か話したい事があったんじゃないのか?」
そう言った。
俺もシュークリームの袋を捨て、
「あの・・・。この前達也さんが来ていましたよね?・・・・あれって・・・あの・・・・」
不安だった・・・。
凄く不安だった・・・。
達也さんはもうOHの現役ではないけど、役員として席を置いている。
だから・・・何か言う権利はあるんだって思う。
真也さんは俺の事をジッと見つめ、アイコスを吸うと・・・俺の頭をグリグリって優しく撫でて、
「そんな顔すんな・・・達也さんは違う用で富良野に来たんだ・・・・。」
そう言ったんだ。
違う・・・用???
真也さんは煙を吐き、
「由美さんの知り合いだったみたいだ・・・・。」
・・・・・。
由美さんって・・・。
あの綺麗な・・・定食屋のお姉さんで、明ちゃんのママだよな?
俺にそう言った真也さんはため息をつき少し笑ったけど、かなり元気がない。
「あの・・・それって・・・。元カレ・・・とかっすか???」
俺が言うと真也さんは笑って、
「多分そうじゃないかな?・・・俺は、由美さんに好意はあったけどー・・・だからって今は何も出来ないし・・・それに由美さんは俺にそういう感情はない。達也さん達に何があったかは分からないけど、お互いが好きならまた元に戻る事が一番自然で・・・一番いい選択だと思う」
真也さん変わったな。
元々・・・こういう人だったんだろうなって思うけど・・・・・。
というか、達也さんが超意外。
同じチームにいた時は、かなりのオラオラ系で・・・会員さんからはあの可愛い童顔顔で、鉄砲玉気質、威勢が良くてドSキャラ・・・と、言われててもの凄く人気だった。
確かに、顔は男性アイドルグループとかにいそうな可愛い系なのに中身はすごいんだよな。
あんなキャラの達也さんが・・・1人の女の人を追いかけて北海道まで来るとか・・・・もの凄く意外だ。
真也さんと少し話をした後、自分の部屋に戻り歯を磨いて布団に入った。
真也さんは、由美さんの事好きだったんじゃないのかな。
しかし、俺等はここに来た時・・・5年間は女性との男女のかかわりを一切絶つようにと言われた。
毎日女の子を抱いていたような生活をしていた俺等にとってそれはかなりキツかった・・・けど、それを考える余裕すらなかった。
ここにいつまでいるのかって??
最初の話では5年と言われたけど、その後も俺はここで働かせてもらえたらって兄貴と話している。
今更横浜や東京に戻っても・・・俺等の居場所はないからだ。
だったらお世話になったこの牧場で住み込みで働かせてもらえたら嬉しいし、お世話になった富良野に恩返しができたらって・・・思っているんだ。
ニングルテラスで達也さんに偶然会った日、あれから俺は由美さんには会いに行っていない。
仕事も殆どラベンダー畑に行くようになり、牧場にもいない為明ちゃんにも会っていなかった。
あの日見た、達也さんと由美さんのあの表情から・・・・あの2人はただの知り合いではないのだろうって・・・そう感じたんだ。
きっと、恋人だったんだろうと・・・思った。
夕飯を済ませ、自分の部屋でアイコスを吸っていると、部屋の扉がノックされた。
「はいー・・・」
俺が返事をすると、ゆっくりドアが開き顔を出してきたのは直樹。
直樹は顔をひょっこりと出し、
「今ちょっと良いですか???」
そう言って笑った。
「いいよ」
そう言うと直樹はコンビニの袋を下げて中に入ってきた。
「俺、最近太っちゃいましたー・・・ただでさえ北海道って何でも美味いのに、コンビニデザートにまではまっちゃいました」
直樹は俺の前に座って買ってきた袋の中から色々出してきた。
俺たちはこっちに来てから酒は全く飲んでいない。
一応そういうルールがある。
直樹は嬉しそうにテーブルにポテトチップスとシュークリームを出し、俺の前にもコーラを置いて
「このシュークリーム美味しいの知ってますっ?」
って嬉しそうに言った。
「知ってる知ってる!美味いよなー・・・・直之は?もう寝たのか?」
「あー・・・寝ちゃいました!最近兄貴寝るの超早いんっすよー・・・」
ここは牧場のスタッフ宿舎で、牧場敷地内にある平屋の小さなアパートのようなもの。
直樹と直之は兄弟の為少し広い部屋で同室。
俺はその隣の8畳一間で1人部屋だ。
直樹とはOHで働いていた時も、横浜にいた時もここまで仲良く話したことなんてなかった・・・・のに、北海道に来てからこうやってよく男子会をしている。
—直樹side
この前、達也さんがこの牧場に来た。
俺は直接話はしなかったけど、松さんと話をしているのを・・・見た。
なんだろう・・・・。
俺、何かしたっけ?
こっちに来てから、俺と兄貴は遊びにも出ていないし・・・出掛けても富良野市内。
もしかして、他の場所に連れて行かれるとか??
と、すごく不安だった。
最初はここの生活、すごくきつかったけど・・・今は結構癒されて富良野の人達も優しいし結構楽しいんだ。
松さんと一緒に過ごして、一緒に食事をしたりするのもすごく楽しい。
真也さんはシュークリームを食べ終えると、アイコスを吸い俺の顔を見た。
そして、
「何か話したい事があったんじゃないのか?」
そう言った。
俺もシュークリームの袋を捨て、
「あの・・・。この前達也さんが来ていましたよね?・・・・あれって・・・あの・・・・」
不安だった・・・。
凄く不安だった・・・。
達也さんはもうOHの現役ではないけど、役員として席を置いている。
だから・・・何か言う権利はあるんだって思う。
真也さんは俺の事をジッと見つめ、アイコスを吸うと・・・俺の頭をグリグリって優しく撫でて、
「そんな顔すんな・・・達也さんは違う用で富良野に来たんだ・・・・。」
そう言ったんだ。
違う・・・用???
真也さんは煙を吐き、
「由美さんの知り合いだったみたいだ・・・・。」
・・・・・。
由美さんって・・・。
あの綺麗な・・・定食屋のお姉さんで、明ちゃんのママだよな?
俺にそう言った真也さんはため息をつき少し笑ったけど、かなり元気がない。
「あの・・・それって・・・。元カレ・・・とかっすか???」
俺が言うと真也さんは笑って、
「多分そうじゃないかな?・・・俺は、由美さんに好意はあったけどー・・・だからって今は何も出来ないし・・・それに由美さんは俺にそういう感情はない。達也さん達に何があったかは分からないけど、お互いが好きならまた元に戻る事が一番自然で・・・一番いい選択だと思う」
真也さん変わったな。
元々・・・こういう人だったんだろうなって思うけど・・・・・。
というか、達也さんが超意外。
同じチームにいた時は、かなりのオラオラ系で・・・会員さんからはあの可愛い童顔顔で、鉄砲玉気質、威勢が良くてドSキャラ・・・と、言われててもの凄く人気だった。
確かに、顔は男性アイドルグループとかにいそうな可愛い系なのに中身はすごいんだよな。
あんなキャラの達也さんが・・・1人の女の人を追いかけて北海道まで来るとか・・・・もの凄く意外だ。
真也さんと少し話をした後、自分の部屋に戻り歯を磨いて布団に入った。
真也さんは、由美さんの事好きだったんじゃないのかな。
しかし、俺等はここに来た時・・・5年間は女性との男女のかかわりを一切絶つようにと言われた。
毎日女の子を抱いていたような生活をしていた俺等にとってそれはかなりキツかった・・・けど、それを考える余裕すらなかった。
ここにいつまでいるのかって??
最初の話では5年と言われたけど、その後も俺はここで働かせてもらえたらって兄貴と話している。
今更横浜や東京に戻っても・・・俺等の居場所はないからだ。
だったらお世話になったこの牧場で住み込みで働かせてもらえたら嬉しいし、お世話になった富良野に恩返しができたらって・・・思っているんだ。
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
マッチ率100%の二人だが、君は彼女で私は彼だった
naomikoryo
恋愛
【♪♪♪第19回恋愛小説大賞 参加作品♪♪♪ 本編開始しました!!】【♪♪ 毎日、朝5時・昼12時・夕17時 更新予定 ♪♪ 応援、投票よろしくお願いします(^^) ♪♪】
出会いサイトで“理想の異性”を演じた二人。
マッチ率100%の会話は、マッチアプリだけで一か月続いていく。
会ったことも、声を聞いたこともないのに、心だけが先に近づいてしまった。
――でも、君は彼女で、私は彼だった。
嘘から始まったのに、気持ちだけは嘘じゃなかった。
百貨店の喧騒と休憩室の静けさの中で、すれ違いはやがて現実になる。
“会う”じゃなく、“見つける”恋の行方を、あなたも覗いてみませんか。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる