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昔の仲間
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しおりを挟む10月 富良野
—真也side
北海道は・・・もう大分涼しくなり、朝起きた時霜が降りている時もある今日この頃。
はぁーッと、手を合わせ息を吐くと、真っ白な息が俺の手の前で広がる。
あの日から2か月程、由美さんとは顔を合わせていない。
定食屋にも行っていなかった。
俺は彼女と話す権利もないし、関わってはいけないと思ったんだ。
馬舎の掃除を済ませわらを積み上げ・・・空を見上げる。
もう・・・冬は目の前だ。
—由美side
「明--・・・ママ、夕方から用事があるからお婆ちゃんと一緒にシチュー食べてね・・・・・・・・」
朝食をモグモグ食べている明に近づき言うと、明はニッコリ笑って・・・。
「たっちゃん?」
そう言って嬉しそうに私の顔を覗き込んでくる。
私は明の頭を撫でて、
「たっちゃんもだけど、たっちゃんとー・・・・ママのお友達が来るの」
そう言った。
すると明は、
「ママばっかズルい!たっちゃん明と遊んでくれるって昨日言ってたよ??」
最近、達也君は毎日明と遊んでくれていて・・・仲良しだ。
昨日は明と明の仲良しお友達の沙織ちゃんがうちに遊びに来て、達也君がおままごとに参戦!
私も明の前に座りパンを食べながら、
「たっちゃんがね、次の日曜日にー・・・お友達と明とママと一緒に遊びに行かない?って言ってたよ!!」
明の手を捕まえて言うと、明はスッゴイ嬉しそうに笑って
「本当ッ???////////」
明は・・・達也君の事が大好き。
あの、ゲームをした日から達也君に会いたい会いたいと毎日言われ・・・私が忙しい時とかに達也君が幼稚園のバスのお迎えに来てくれたり、夕飯を作りに来てくれたりしたの。
食事を終え、洗い物をしていると母が来て、
「達也君ー・・・本当に優しいよねぇ??お料理も上手だし!!」
お母さんも、達也君を相当気に入ってる。
私が居なくても、母と明と買い物に行ったりお昼を一緒に食べているみたいで・・・・最近、私よりお母さんの方が達也君とラインで会話をしているように感じる。
「そうだねー・・・料理があそこまでできるとは思わなかった」
私がそう言うと母は、
「後、子供と遊ぶのスッゴイ慣れてるよねー・・・昨日沙織ちゃんと明にお化粧されてたわよ!!」
そう言って笑った。
そうそう、達也君・・・。
子供好きだって言っていたのは覚えているけど・・・ここまで慣れているとは思わなかった。
確かに地元にお友達の子供が多いとは聞いていたけどね。
私は食器を片付け、
「お母さん、今夜少し遅くなるけど・・・・帰りは達也君が送ってくれるから!明をお願い・・・・」
エプロンを外し言った。
すると母は笑って・・・親指を立てて笑った。
真也君は、あの日から店に来なくなった。
私のあの話を聞いてから・・・きっと引いたのだろう。
別に真也君に対し特別な感情があったわけではないけど・・・凄く良い人で明も懐いていたから少し残念に思った。
家を出て車に乗って通りまで出るとアイコスを咥えた。
定食屋に行く途中にある真也君達が働く牧場の入口には・・・いつも決まって真也君が掃除をしていたけど、それもいない。
その先の交差点を曲がろうとした時、2人の男性が手を上げて立っているのが見えた。
その2人は、全く見た事が無い顔。
観光客か・・・リゾートバイトとかできている人?
一旦停車をし、窓を開けると2人は直ぐに近づいてきて
「すいません・・・この辺に北村牧場ってありますか??」
それは真也君が居る牧場だ。
確かあの牧場って何故かネットとかに出ていないんだよね。
私は後ろを指さし、
「この道を真っすぐ行った向かって右側にありますよ」
そう言うと、2人はニッコリ笑って
「ありがとうございます!」
そう言って、止まっていたレンタカーに乗り込み牧場の方に向かって行った。
レンタカーだから・・・やっぱり観光客かな?
でもあんな若い男性2人で牧場??
まぁ・・・いっか。
私はまた車を出し、定食屋に向かった。
今夜は、珍しく達也君と外で逢う約束をしている。
いつもだったら、お母さんと明と達也君と4人で外食をしたり家で食事をしたりしているけど・・・・今日は・・・達也君が家に迎えに来てそのまま出かけるの。
それは、・・・・・凛と淳君が、富良野に来るから・・・・。
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