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過去の過ち
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しおりを挟む—由美side
仕事を終え店の外に出ると、達也君がもう車で迎えに来てくれていた。
走って達也君の前まで行くと、達也君は車から降りて笑って、
「明日幼稚園休みだからー・・・明ちゃんが外で食事したいって言ってるって・・・ママからライン来たよ」
もぉー・・・////////
最近、うちの母まで達也君に勝手にラインをする始末。
「あの2人をあまり甘やかしちゃダメー・・・・・」
私がそう言って笑うと達也君は私のカバンを持ってくれて、手を繋いだ。
「明ちゃんー・・今しか甘えてくれないかもしれないじゃーん!!」
そう言って笑うの。
え・・・??
達也君・・・何言ってるの??って、少し・・・淡い期待と、勘違いだったら恥ずかしいしって・・頭が混乱した。
すると、
「その内、・・・臭いとか、あっち行って!とか言われるだろ???」
って・・・そう言うの。
最近本当に・・・明のパパみたいなんだよね。
明もたまーに・・・間違えてパパって言うし、お母さんも・・・もう息子だって思っちゃってる。
達也君は私を助手席に座らせ、
「由美の事ももっと甘やかしたい!!」
そう言った。
達也君の運転でお店から自宅へ向かう途中、真也君が働く牧場の脇を通ると、いつも真也君が乗っていた軽トラックが止まっていて・・・ライトが付いた・・・。
「あ・・・・」
思わず私が声を上げると・・・達也君は前をジッと見つめ・・・。
「真也・・・・。」
そう・・・言った。
真也君が・・・トラックに乗ろうとした時にこっちを見て・・私達の前に立ち、両手を広げたの。
真也君・・・????
少し前に、あの2人の男に真也君の事・・・危ないみたいな事言われたけど、どうしてもその言葉を信じる事が出来なかった。
すると、達也君が車を一回止め、
「はぁ・・・アイツ・・・・。」
そう言った・・・。
その顔は少し、不安気な顔。
「達也君・・・???・・・・あの・・・真也君どうしたの?」
達也君の顔を見て・・もう一回前を見ると、真也君が苦しそうな顔をして・・・私達の車の前で立っている。
・・・・・・・。
真也・・・君????
—達也side
俺は昼間・・・確かに・・・真也に考えろと言った。
てか・・・こんな突然っ???
由美は俺の横で正面に立ちはだかる真也と俺を交互に見て、
「ね・・・、真也君・・・どうしたの???」
ハァァ―・・・とため息をつき、シートベルトを外し、
「ちょっと待ってて・・・・。」
そう言って、先に車を降りた。
真也の顔を見ると・・真也は何か覚悟を決めた顔をしている。
俺は、
「真也・・・あのさ・・・今日はちょっと・・・今度改めて昼間に・・・」
俺が言うと真也は俺を見て、
「達也さん・・・俺、由美さんに自分の口でちゃんと話をしたいんです。もしもアイツ等からその話をされたら・・・俺は・・・・」
あー・・・そういう事か。
いやいやいや・・・でもちょっと待て・・・。
「わかった、でもー・・・今日は止めよう・・・」
俺がそう言って、真也を少し抑えると俺等の背後から、バタン・・・と車のドアが閉まる音がした。
2人で振り返ると、そこには車を降りてきた由美が立っていて・・・俺等をジッと見つめてきた。
—由美side
2人は凄く真剣な顔をして私を見た・・・。
いつもの明るい感じはなく、凄く・・・重い雰囲気。
真也君とはあの日以来だし・・・きっと気まずいんだろう。
「あの・・真也君・・・。あの日・・・。」
私が口を開くと・・・・真也君は直ぐに私の前に来て、膝をつき・・・地面に手を付け土下座をしたの・・・・。
え・・・・・。
何で???
すると、達也君が真也君を掴み、
「真也、今は止めろ・・・今度改めて・・・」
達也君がそう言ったけど、少し被す様に
「由美さんッ・・・・」
初めて聞いた・・・真也君の少し大きな声・・・・。
地面にぴったりとおでこを付けたの・・・・・。
「あの・・・真也君??・・・あの・・・どうしたの・・・???」
私が手を伸ばそうとすると、
「俺は・・・・・・」
と・・・絞り出したような声で真也君が話し出した。
・・・・・・・。
何???・・・・・。
真也君は更に頭を地につけ、
「俺は・・・・東京で・・・・」
・・・・・・・。
「俺は東京で・・・・、何人もの・・・女性を・・・・」
そう言い出した真也君を・・・見て・・・嫌な予感がした。
この前あの2人が言ってた・・・強姦癖がある・・という話し。
まさかそんな・・・・・。
「金を使って・・・仲間と一緒に力づくで言いなりにさせて・・・・女の子達を、暴力で・・・・」
・・・・・止めて・・・・。
「毎日のように・・・」
頭が・・・真っ白になって・・・真也君の声が凄く遠くに聞こえたの。
真也君は、東京で、何人もの女の人を騙し・・連れ込み、力づくで襲ったり・・言いなりにさせて風俗で働かせたり・・・。
それ以外にも、OHにいた時結城ちゃんにも手を上げ無理やり・・・したと・・・。
ゴクっと唾を飲み込み・・・・胸を抑えた。
あの日の・・・あの・・・昌也に殴られたあの日の事・・・忘れたかったあの日の事が頭の中を駆け巡って・・・・胸が苦しい。
直ぐに達也君が来て・・・私の体を支えた。
でも真也君は、
「俺は・・・その罰として・・・達也さんも居たOHの会社の管理下であるこの牧場で働き・・・更正することを誓いました・・・・」
私の頭の中には・・・何も入ってこない・・・・。
「俺は・・・あの二人が言っていた通り、卑劣で・・冷酷な男だった・・・・。」
止めて・・・・頭を両手で抑え・・・達也君に寄りかかった・・・。
「俺はっ・・・この土地に来て由美さんに出逢って・・・・・。」
止めて・・・・。
もう何も言わないで・・・・。
「貴方に惹かれたんです・・・・・」
ッッッ・・・・・・
頭の中が、グチャグチャで・・・全く機能しない。
もう・・・何も言わないで欲しい・・・。
もう止めて・・・。
「もうやめてぇっ・・・・・・・」
久々・・・声を上げた・・・。
人は、皆・・・隠しているだけで、きっと言えない事の一つや二つ・・・あったりするのよ。
そんなの言わなくていいじゃない。
黙っていれば・・・良いじゃない。
素直にバカみたいに・・・言わなくていいの。
お願い・・・もう・・・人をそんな形で傷つけないで。
道を間違えないで・・・・。
貴方なら・・・きっと出来るから。
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