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命の重さ
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しおりを挟む—幸助side
俺は、那覇空港に来ていた。
何故か?
あの、BARで知り合った本条胡桃という女は・・・あの本条正樹の嫁だった。
財布の中には結構金があったし・・・良い時計をしていたから、逃げられないよう女の時計を預かった。
そして、あの女のバッグの中にGPS発信機を入れておいた。
いつか美晴に会えた時、仕込もうって思って持っていたモノだった。
今のGPSの性能って凄いなぁ・・・・。あの女は今、沖縄市にいるようだ。
しかし俺が知りたいのはあの女の居場所ではなく、美晴の居場所。
状況が変わり次第連絡をしろって言ったのに、和也の後輩たちを尾行し北谷に着いたと連絡をしてきて以来・・・・音信不通。
何やってんだあの女!!寝てるのか??
でも、昨夜・・・読谷村辺りに居た所からすると何処かのホテルに泊まったとみられる。
そして朝起きたら・・・もうあの女の居所は沖縄市。
起きているはずなのに・・・・。
—夏樹side
売店で、皆にコーヒーを買って喫煙所に行くと・・・・そこには祐司さんと、涼君、淳君と・・・和也君と仁君がアイコスを吸いながら喋っていた。
「とにかくー・・・・お前はもう胡桃さんに関わるな!・・・仕事は、俺等の仲間内かー・・・祐司の方で探すから・・・・」
そう言ったのは淳君。
言われたのは・・・・和也君だ。
和也君は遠くから見ても大分肩を落とし、
「俺・・・・全然気づかなかった」
そう言ったの・・・・。
和也君の優しさって・・・・もの凄く・・・・残酷だって思う時あるよ。
私もそういう和也君が大好きだけど・・・・。
ギュッと下で拳を握って深呼吸。
上を向いて、喫煙所の中に入って行った。
「はーーい、コーヒー買って来たよー!!!」
そう言って和也君にビニール袋を渡すと、・・・・和也君はニッコリ笑って
「夏樹・・・ごめんね・・・ありがとう・・・・」
そう言ったの。
はぁぁ・・・。
この人って本当に王子様だよね。
なんか・・・何もマイナス点が無いっていうかさ・・・・。
でも、あえて言うなら・・・・。
『いい人過ぎる』
—胡桃side
病院から見える・・・海・・・・。
沖縄って凄く良い所。
本当の所、私沖縄は初めて来た・・・・・。
ゴクッと唾を飲み込みバッグから携帯を出し・・・写真を撮った。
すると・・・何件もラインが来てて・・・着信も沢山ある事に気付く。
確認すると、それは・・・・全て、和也君のお兄さんからだった。
はぁ・・・・。
ため息をつき、全てのメッセージを確認していると・・・・コンコンと、部屋の扉がノックされた。
「はい・・・・・・」
返事をすると、ガラガラ・・・と、扉が開き・・・・中を覗いてきたのは夏樹さんだった。
夏樹さんはさっきまで凄く怒って泣いてたけど、今はニッコリ笑って私にビニールを見せ
「先生がー・・・食事制限はないって言ってたから!おにぎりとかいっぱい買って来ちゃった!」
って・・・・・/////////////
この人って凄く・・・お茶目で、綺麗なのにスッゴイ可愛い・・・。
和也君が好きになるのも分かる気がする。
「よーーし!!さて、胡桃はサンドイッチとおにぎりどっちが良い??」
って・・・・////////////
「え・・・あ、えっと・・・・///////」
今私の事、胡桃・・・って・・・・。
夏樹さんは笑ってテーブルに沢山のおにぎりとサンドイッチを並べ、
「後ね、サーターアンダーギーでしょ??あ、これ沖縄ポークのおにぎり!!」
って・・もうたーくさん!!!
私はその沖縄ポークのおにぎりを指さし、
「あの・・・・夏樹さん・・・あの・・・・」
私なんてこと・・・・。
すると夏樹さんはそのおにぎりをびりびりって・・・ビニールをはがし、私の方に差し出し
「ごめんは無し!!もうー・・・・ごめんは禁止!!」
そう言って私の髪をクシャって撫でた・・・・・/////////////////
やばい・・・。
私・・・また泣きそう・・・・・。
何でこんな素敵な人、私は傷付けてしまったんだろう・・・・・・。
沢山の後悔と・・・・後は・・・・矛盾しているけど、嬉しさと・・・・感動がぐちゃぐちゃに絡み合って、また涙が零れた。
—夏樹side
胡桃は、おにぎりとサンドイッチを食べ・・・・お茶を飲むと少し落ち着いたようで・・・色々話をしてくれた。
それは・・・・和也君のお兄さん。
あの、幸助の話し。
一昨日の夜、幸助と関係を持ってしまい、その証拠を撮られてしまい脅された。
アイツの要求は、私の親友夫婦の居所を特定し幸助に知らせろと・・・そう言われたと。
そして、那覇空港で落ち合うか・・・・親友夫婦がいる場所を連絡し幸助が動くか。
そこで何をしようとしているかは分からないけど、もの凄い執念深さを感じたと胡桃は言った。
「でも・・・さっきあの人からラインが来てて、何で沖縄市にいるんだ?って・・・言われたんです。私沖縄市にいるなんて言ってないのに・・・あの人なんで分かったのかな・・・・」
胡桃はそう言った。
まさか・・・。
「ちょっと見せて?」
胡桃のベッド脇に置いてあった小さなバッグ。
その・・・ポケットの中に・・・・。
「あ・・・・・・・・」
私は丸い小さなあるものを取り出した。
これ・・・・GPS発信機。
胡桃もビックリした顔でそれを握って・・・
「な・・・なんでこんな・・・・」
そう言ったの。
「・・・・胡桃、・・・・悪いけどー・・・・これと携帯、ちょっと借りて良い?直ぐに戻ってくるから・・・」
そう言って立ち上がると胡桃は私をジッと見て、
「私は全然かまわない・・・でも・・・夏樹さん・・・何か危ない事・・・・」
そう言って私の手を握ってきた。
・・・・・・・・。
「ううん、全然平気・・・。ね・・・・胡桃さ・・・一つ聞いても良いかな??」
そう言って胡桃の手を握り返すと、胡桃は黙って頷いた。
「胡桃は・・・・和也君のこと今も好き?」
何でそんな事を聞いたかって・・・・。
自分でも分からなかった。
でも・・・・
なんだろう・・・・。
もしかしたら、私より・・・この子の方が和也君のことを好きなんじゃないかって・・・そう思っちゃったのかも。
すると胡桃は、
「好き・・・・・・」
そう言ったの。
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