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決別
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しおりを挟む—幸助side
年末の沖縄は・・・もの凄い人で、息苦しい。
これじゃ東京と変わらないじゃねーか・・・・・。
しかもあの女から・・・全く連絡が無い。
LINEは既読になったけど、それだけだ・・・・。
あの女バックレやがった??
それはそれで言ってくれねーと俺もどうしようもできない。
和也に貰った金だって後2万しかねーし、飛行機代高いし・・・あの女飛行機代くらい払ってくれるよな?
てか、マジであの女何処行るんだ??
自分のスマホであの女の居場所を特定すると、沖縄市内から那覇に向かってきていて・・・今もう・・・空港にいるはずなのに、姿が見えない。
離れた所で俺を観察する気か???
俺はラインを開き、
『来ないならあの画像週刊誌に売るぞ、とりあえず10万振り込め』
と・・・送ったら・・・即既読。
何なんだよアイツ!!!
イライラして、ライン通話を押すと・・・・・電話には出ない。
すると、俺の手元が暗くなり・・・足元を見ると・・・男の足が見えた。
—和也side
兄貴の前に立つと、兄貴はゆっくりと顔を上げ・・・・・俺を見ても全く驚かず、動揺もせず・・・・じーっと・・・俺を見つめた。
俺が何も言わず兄貴を見つめていると・・・兄貴はやっと口を開き、
「和也・・・・。」
・・・・・・・。
「悪いけど金貸してくんない???俺、一文無しで東京にも帰れない・・・」
そう言って・・・・少し笑った。
その時俺の頭の中に胡桃さんの顔が浮かんだ。
昨夜・・・顔面蒼白で、救急車に運ばれたあの・・・顔・・・・。
全身ガタガタと痙攣し、もうダメなんじゃって・・・健二も俺も・・・泣いた。
兄貴の事はずっと理解できず・・・分かり合えずずっとそのままやって来た。
でももう・・・・許せない。
兄貴・・・。
残念だよ・・・。
すると兄貴は、
「和也、金・・・・」
兄貴がまたそう言った瞬間・・・俺は兄貴のシャツをギュッと掴み・・・そのまま立ち上がらせると、それでも兄貴はニヤニヤ笑って・・・、
「お前・・・美晴の親友と付き合ってんだな?あの気が強そうなー・・・・美人の子」
って・・・・・。
そして、
「彼女と知り合えたのも俺のお陰だろ?俺の元嫁の親友!・・・・ラッキーだったな?」
ラッキー??
何が???
すると兄貴は俺の顔をジッと見つめ、
「お兄ちゃんありがとうって言え・・・・お兄ちゃんのお陰で彼女と知り合え、心から感謝していますって・・・・言え・・・・・」
何なんだっ・・・・。
俺は・・・初めて兄貴に会った日・・・あの時は・・・凄く嬉しかった。
自分に兄さんが出来たって・・・もの凄く。
そしてその後も、仲良くなりたくて・・・兄貴が喜ぶようなことは何かって・・・いつも考えていたんだ。
でも・・・今は・・・・。
「もう・・・俺の兄貴とは思っていない・・・・戸籍上兄貴と繋がりがあったとしても、もう・・・・お袋の事も、親父の事も俺が全部・・・・やる・・・・・」
もう、兄貴とは・・・・・。
すると兄貴は俺の手を振りほどき、ベンチに座ると
「俺はお前のことなんか最初から弟だなんて思ってない・・・。昔から生意気で・・・可愛気なくて・・・いつも俺より上を行くお前なんか・・・憎しみだけしかなかった!!!」
・・・・・・・。
「お前なんか居なければいいって毎日思ってた!!!お袋がお前の親父と再婚したのは正解だけど、お前みたいな奴が一緒に来るなんて思ってなかった!いつも死ねばいいって・・・毎日毎日思ってた」
・・・・・・・ッ!?
頭の中が真っ白になった。
別に兄貴に好かれたいとか・・・仲良くしたいとか・・・そんなこと思ったのは最初だけ。
自分が・・・ずっと・・・そんな風に思われていたなんて・・・。
『死ねばいい』
って・・・・・。
兄貴はニヤッと笑って、
「あの火事で・・・親父も死んでくれたら保険も降りたのに・・・・。」
・・・・・・ッ?!
「お袋だって世話ばっか焼きやがって!!ウザかった・・・一層の事、皆死んで・・・保険が全部下りたら最高だった!あのボロい屋敷だって・・・・土地ごと売れば・・・・まぁ、足しにはなるだろうしな!!!」
俺の・・・・大事な・・・・・家族との思い出の場所を・・・・。
お袋だって・・・間違ったやり方ではあるが、兄貴を庇って今刑務所にいるんだ・・・・。
親父は、そんなお袋を・・・ずっと心配してお袋にマメに手紙を送っている。
今・・・頑張って生きてるんだ。
俺等がこうやって生きていられるのは・・・・あの親父とお袋が居てくれたからなのに・・・・・。
何でそんな酷い事を・・・・。
悔しくて、ゴクッと息を飲み・・・・拳を下で握っていると、
「舐めんじゃないわよ」
・・・・・・ッ???
俺のすぐ後ろから・・・・聞こえた・・・・・夏樹の声。
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