大人女子の恋愛方程式♡

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決別

—夏樹side




なに?
この男・・・・どこまで腐ってるの???
コイツ・・・全部自分が悪いって、微塵も思っていないの???

お前が全てやって来た事だろーー!?


ゆっくり歩いて行って和也君の横に立ち、目の前のベンチにもたれかかるように座ってニヤニヤ笑ってる・・・幸助。
美晴と結婚していた時とは比べようもない位・・・だらしない風貌。
あの頃は、スーツが良く似合って・・・ちょっとインテリっぽかったけど、全然真面だった。

私はしゃがみ込み・・・幸助の顔を覗き込み、
「和也君が死ねばいい???って・・・今言った???」

死ねばいいだと???
居なけりゃイイだと???

幸助は私の顔をジッと見て来て、
「アンタもこんな嫌味な男、止めといた方が良いぜ?ニコニコ笑ってるけど、腹の中で何を思っているか分からないとんでもない奴だ・・・・」

は??凄くビックリ。
ここまで来てもまだそういう事を言えるって・・・ある意味才能。


「夏樹、もう止めよう・・・もう警察に引き渡す・・・。」
和也君が私の肩を掴んで言ったけど・・・でも私は・・・私の怒りは・・・・全然おさまらない。

私は和也君の方は見ず、
「私は・・・・和也君を侮辱されたまま、コイツを安全な警察に引き渡す事なんてできない・・・・・。」

許せない・・・・。

幸助は私の顔をチラッと見て、
「警察が安全???・・・ふざけんな・・・俺が警察に捕まるわけねぇだろ???」

コイツ・・・・やっぱり・・・・頭おかしいっていうか、天才的性格の悪さ。
こりゃ・・・自分でも自分を嫌いたくなるわ。

私が幸助のシャツを掴み顔を寄せると、近くに居た人がその異様な空気に気付き・・・・私達の周りに人が集まってきているのが分かった・・・・。
「夏樹・・・もう行こう・・・」
和也君が私の肩を掴んだけど・・・・私は・・・・無理なの!!!
このままじゃ無理!!

・・・・・・。

「いい歳して・・・・働きもせず、弱いものに手を上げて・・・美晴のお腹の子を何度も流産させ、美晴だけの収入で飲み食いし、マンションのローンも払わせて・・・キャバクラ遊び、ギャンブルをしていたのは・・・どこの誰??」

そうよ・・・全てはそこから始まった・・・。
真面目に働いていて・・・突如リストラにあった。
それがショックで落ち込むのは仕方ない・・・でもね、それを人のせいにして・・・・全て美晴のせいにして・・・暴力?

「仕事を探す事もなく、いつまでも昔の栄光にしがみ付いて・・・会社を首になった事を全て人のせいにし・・・反省する気持ちもない・・・。周りを恨み・・妬み・・・自分は被害者???アンタだけが被害者なの?」

幸助をグイッと引き寄せ・・・目をしっかり見て・・・・。

「アンタの弟は、休みなく毎日毎日遅くまで働いて、皆に信頼され・・・愛され・・・親を大事にして、・・・・アンタに野垂れ死なれても困るから金を振り込んでる・・・それにも感謝をせず、まだもらう気???」

私がそこまで言うと、幸助は目を泳がせ私から目をそらした・・・。
「30半ばで・・・仕事もしないで女を物みたいに扱って・・・脅して・・・付きまとって・・・・そんな奴が誰かに愛されると思う?」

いい加減目を覚まして・・・自分を見なさいよ。
幸助は目を瞑って・・・。
「もう止めろ・・・・俺だってそうしたくてしてるんじゃない・・・・」

は?
やばい、今更何を言ってるの??

「自分で自分が嫌いなの???・・・・皆、アンタなんて大嫌いよ!!!唯一、アンタの事好きなのは・・・・」

・・・・・・・。

そう・・・こんなアンタを未だに好きだと言えるのは・・・・。

「お母様よ・・・・・・・」

私は母親になった事は無いから分らない。
でもね、子を嫌う親って・・・・いるのかな?
アンタのお母様は、塀の中でずっとアンタを想っているんじゃないの?


幸助は私をジロッと睨み、
「あんなババァ、さっさと死ねばいい!!!突然リストラされた俺の気持ちなんて誰も分かってはくれないんだ!!!!」
そう言った・・・・・。

なんなの・・・この男は!!!
私はまた幸助のシャツを掴んで、
「ねぇ・・・アンタいつの話ししてるの?いつまでそのネタ引っ張ってるの??・・・・もう・・・・10年経ってるのよっ???もうとっくに時効!」

そう言うと幸助は目を見開いて私を見つめた。

「アンタだけそこで止まってるのよ!!もう・・・社会も他の人達も・・・前を向いて一生懸命生きてる!!!胡桃だって・・・・前を向いてるの!!!!!」




—和也side



・・・・・・。


兄貴・・・もう目を覚ませ。


啖呵を切った夏樹は、俺の隣で手を震わせ俺に寄り掛かってきた。
俺は下で夏樹の手を握り、

「兄貴・・・・もういい加減、自分を見つめ直してくれ・・・・・」

兄貴は・・・・子供の頃、優しい一面だってあったはず。
兄貴は口をポカンと開け、俺と夏樹を見つめた・・・・。

「俺はもう、兄貴を助ける事は出来ない・・・・。兄貴が、自分を見つめ直し・・・・それを反省し、自分の為に、世のために・・・生きられることを祈ってるよ」


もう全て、限界だ・・・・・。
今の兄貴に、何を言っても無駄だ・・・・。

「自分が犯した罪、一つ一つ・・・・ちゃんと反省し、この先・・・・自分の足でちゃんと生きて欲しい」



兄貴、さようなら。
俺は、いつか分かり合えたらと・・・・いつか、親父の会社の手伝いを一緒に出来たらって・・・・いつも思ってたよ。

でも・・・・ごめん。

もう、さようならだ・・・・・・。






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