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残った悪者たち
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しおりを挟む—達也side
俺たちは着々と引っ越し準備を進めていた。
明はクリスマスプレゼントの大きなクマちゃんと、凛さんから貰ったぬいぐるみ軍団を・・・飛行機に持ちこむと言ってきかない。
沢山のぬいぐるみをギュッと抱っこして動かない明・・・の前に座って、
「明ちゃん・・・真面目に聞いてね???」
俺が言うと・・明はジーーっと俺を見て、ぬいぐるみを更にギューーーッと抱きしめてうなずいた。
俺はクマちゃんのモコモコの手を掴み明のほっぺを突き、
「明ちゃん明ちゃん~ッ、ボク飛行機に入れなかったら空港に置いて行かれちゃうの~?」
クマちゃんになりきって言うと、明は驚いた顔をしてクマちゃんを見た。
今度はシーサー君の手を掴み・・ブンブン振って・・・。
「明ちゃーーーん!!オイラ明ちゃんとお別れしたくないよ~ッ沖縄に一緒に連れて行ってくれーーーー」
明はシーサー君を見つめ・・・・ケタケタ笑って・・・。
「パパァ、・・・乗せれないって言われたら~・・置いて行かれちゃうの???」
そう言った。
「そうだぞ~???そうしたらこの子達可哀想だろ?・・・一緒に沖縄に連れて行ってあげるなら・・・この子達は~・・飛行機の特等席に預けて、向こうでご対面しよう!!」
そう言って、ぬいぐるみを明に押し付けると・・・明はまたゲタゲタ笑って・・・・。
「キャハハッ!もぉ~・・・わかったぁぁ~!」
すると、玄関のドアが開き、買い物から帰ってきたお母さんがバタバタと家の中に入って来て、
「いやぁねぇ~・・・またあったんだって!」
・・・・・・。
そう・・・言った。
さっきまで笑っていた由美の顔も一瞬引きつり、俺を見た。
俺はお母さんの方に行き、
「何かありました?」
そう言うと・・お母さんは、
「前にあったじゃない・・・観光客の女の子達を襲う事件・・・あれ・・・」
やっぱり・・・まだあいつら・・・。
俺は振り返って由美の方に行き、由美の腕を引っ張り寝室に連れて行った・・・・。
寝室に入ってドアを閉めると由美は俺の胸に抱き付いてきて
「ね・・・あの人たち・・・まだ居るの?あの人達なんでしょ??」
そう言った。
真也は・・・あんな風に言ってたけど・・・まだあいつらは・・・悪事を働いてる・・・。
俺は由美の頭を撫でて、
「ちょっと真也のところに行ってくる・・・。由美は、家から出るな・・・勿論、母さんも明も・・・俺が帰るまで絶対・・・」
そう言うと由美は俺のシャツをギュッと掴み、
「早く帰って来てね・・・・。」
俺は急いで車に乗って真也の牧場へ向かった。
自分に何ができるかは・・・わからないけどこのままの状態で沖縄に行く事は出来ない。
自宅から牧場までは直ぐだ。
昨夜と同じ場所に車を止めようとすると・・・もう既に別の車が止まっている。
あれ??レンタカー??
車から降り、売店の方に行くと・・・もう売店は閉まっていて誰もいない。
真也たちは牛舎かな????
奥の牛舎の方に歩いて行くと・・・・。
ガランガラーーン・・・・!!!と、凄い・・・何かが崩れ落ちるような音がした・・・。
なんだッ?!
俺は急いで牛舎の入口へ走った。
すると、
「あーーーーーあーーーーーくっせぇくっせぇ!!よくこんな場所で働けますね????」
と・・・・真也たちの声ではない・・・男の声が響く。
—真也side
仕事が終わったら、陽と栄治が泊まっているホテルに行こうとしていたら・・・・突然だった・・・。
突然・・・2人が現れ・・・陽はタバコを吸いながら灰を牛の目の前で落とし・・・牛を見てゲタゲタ笑った・・・。
「コイツ・・・スッゲーくせーしっ!!おい、・・・お前、おいしい牛乳出せるのか???」
そう言って笑い、煙を牛に向かって吐いた・・・。
「おい・・陽止めろ・・・。牛にやられるぞ???」
俺が言うと、奥に居た栄治は笑って壁に並べられたスコップを蹴り飛ばし・・・牛にぶつけ、
「真也さんも直樹も直之も~・・女抱けず牛に乗り換えた?牛とやりました~??」
そう言ってゲタゲタ笑った。
・・・・・・。
直樹と直之は慌てて俺のすぐ後ろに逃げて来て、
「やっぱり、アイツら狂ってますよ・・・達也さん呼びましょう・・・。」
そう言った。
・・・・・・・。
いや・・・ダメだ・・・、絶対あの人を巻き込む事は出来ない!!
「大丈夫、お前らは売店の方に逃げろ・・・・いいか?」
そう言うと・・・直樹は俺をジッと見つめ、
「警察呼びます・・・・」
そう言った。
—達也side
物音をたてないよう、そーっと・・・牛舎の方に近付くと、
やっぱり・・って感じだが、以前真也の所に集まりに来ていた2人が何やら暴れている。
俺はそれを陰に隠れ・・・様子を見ていた・・・。
入り口に置かれていたスコップを・・・手に取って・・・・。
すると、中から男の話声。
「真也さん・・・俺らさ、トマムのホテルにずーっといるんだけど~・・・もう金なくってさ」
・・・・・。
「ホテル側から~・・・一旦今までの滞在費を払うよう言われちゃってぇー・・・でもそんな金もうないわけよ!!」
また真也に集る気なのか。
グッとスコップを握りしめ、息を潜めた。
すると・・・真也が・・・。
「いくら必要なんだ?」
そう言った。
すると・・・男が、
「・・・・127万~・・・だからさぁ~・・まとめて200貰えないかなぁ?」
なんなんだコイツら・・・。
一体何が目的なんだ?
また牛舎を覗くと、こっちを向いている真也は俺に気付き・・・苦笑いをして・・・首を横に振った・・・。
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