SECRET 後編

文字の大きさ
63 / 226
誤解と和解 そして私の推しメン

4

しおりを挟む
――翌日



朝、一樹さんとマンションのホールで待ち合わせをして一樹さんの車で会社に向かった。

一樹さんはコーヒーを飲みながら、
「昨夜は眠れた??」
朝から・・・・・。
笑顔。

朝からこんなにイケメンが出来上がってるって凄いよなー・・・。

それに比べて、私は
「んーー・・・」
顔も剥くんでいるし目も腫れているし・・・・・。
目が腫れて、充血しているためアイメイクは殆どせず・・・・。

「あまり寝れなかった感じだね・・・目大丈夫???」

えっ・・・・・。
やっぱ、見て分かるほど酷いかな。私ーーー・・・・。

「あっ・・解るか・・朝冷やしたんだけど・・・」
鏡を見ながら目を弄ると・・・・。
「あーーー・・ダメダメ、目薬ないの???」

目薬か・・・・。
あまり使わないし・・・買ったことないかも。
「後で買ってこようかな・・・」

信号で車が止まると一樹さんはグローブボックスを開け・・・・、何かをごそごそ・・・・・。
「これこれ、・・・この前俺買ったんだけどー・・使ってない未開封だからこれ使いなよ」

そう言って薬局の袋に入った未開封の目薬を渡された・・・・・。
「え・・・お金払います!!てか一樹さん使わないの???」
私が慌てて財布を出すと、
「いらないよーー・・俺治っちゃったから使わないし、・・・結城ちゃん使って!!」

一樹さん・・・・って・・・・・。
なんか、スッゴイ・・・優しいお兄ちゃんみたい。

お言葉に甘え、目薬を差していると、
「涼はさー・・責任感強いし仕事が忙しくなると、ついそっちばっかになっちゃうんだ!結構真面目なんだよね・・・」
って・・・・・。
「一樹さん・・・よくわかってるね・・・」
「付き合い長いからね・・・。淳と涼・・・・なんであんな風になったのか分からないけど、あの二人なんだかんだ言って似てるからさ、・・・淳は・・・涼が結城ちゃんを放っておいてるの、見ててイラついたんじゃないかな??」

・・・・・・。
「淳君は・・・涼と似てるの???」
私がそう聞くと、
一樹さんは笑って・・・。
「一見淳のが冷たい感じに見えるでしょ??」
淳君は・・・確かにたまに優しい・・・けど、話し方とかは涼は・・・ずっと優しい。
「んー・・なんか涼は優しい雰囲気で、淳君は少し強い感じに感じる・・・」
私がそう言うと、
「あの二人は似てるよ・・・言い方が淳のが強いけど、一緒に居ると分かると思うよ???」

そう・・・なんだ・・・・・・。



始業前に会社に到着し、皆にハーブティーを入れて回った。

直樹君は・・・・来ていない。

昨日、私が戻ったときにも直樹君はもういなかった・・・・・。
あれからどうなったのかは・・・私は何も聞かされていなかった。

ハーブティーを配り終え自分の分を注ぎ、給湯室で一口、二口と飲んでいると・・・・。
一樹さんが後ろから来て・・・・。

「結城ちゃん・・・ちゃんと涼と話しなね・・・」

そう言って笑った。
・・・・・・・・・・。
「うん・・・ありがとう・・・・」

一樹さん、自分の事も色々あって大変なのに・・・・・。
ごめんね・・・・。


朝礼が終わり、私は今日の予定を確認した。

すると、
ん??・・・ミーティングって・・・なんだこれ・・・
10時・・から??・・・

ホワイトボードの皆の予定表の一番下。
私の欄に、
『10時からミーティング・場所未定』
と、書かれていた。

すると、
「結城ーーーーっ!!!」
直ぐ横から涼がの声・・・・・。

ひぃっ・・・!


「ミーティングしようか??」
涼はにっこり笑ってそう言った。

いきなり??朝からッ???
「あーー・・・はい・・」
「どこでする??・・・談話室か講堂・・・どっちがいい?」

えっとぉ・・・・・。
どうせ、講習あるし・・・・・。
談話室はー・・・・今はちょっと行きたくない。

「あーー・・・・じゃぁ・・講堂で・・・」
私がそう言うと、
「はい・・じゃぁ行こっか??」


うーーー・・・時間を開けないの主義か・・・・・・。

涼は講習の資料を持ってエレベーターの方に向かった。
私もその後ろについて行った。

き・・・。
気まずい・・・・・・・・。

重い空気に押しつぶされそうー・・・・。
涼とこんな感じになったのは初めてだな。


私と涼は講堂に到着すると・・・・・涼は黙って教卓に教科書などを置き、

「・・・体調は??・・・大丈夫??」

・・・・・・・・・。
ゆっくり顔を上げると、涼はいつもと同じ・・・。
目を細め・・・優しく笑ったの。


「・・・あ・・うん・・大丈夫・・・////////////」
「・・・眠れた??」
「・・・んー・・あんまり・・・」

また目を擦ってそう言うと・・・・・。
「目・・・充血してるな・・・辛かったらオフィスで横になってても良いよ??」
・・・・・・・・。

仕事しに来てるのに・・・そんな甘えてらんない・・・・。

私は首を横に振って、
「だ・・・大丈夫・・・・。」

「・・・そっか・・・んじゃ・・座ろうか?」
「・・うん・・」

私は涼に促されて・・・いつも新人さんたちが座る座席の一番前に座った・・・・。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ダブル・ミッション 【女は秘密の香りで獣になる2

深冬 芽以
恋愛
 T&Nグループ改革から一年。  T&N観光の副社長である咲《さく》の第二秘書として働く伊織《いおり》は、自身の兄で咲の先輩でもある蓮《れん》が社長を務めるデザイン事務所『SIINA《しいな》』に潜入する。  潜入初日、伊織は幼馴染で初恋の相手・圭《けい》と四年振りに再会する。  圭もまたT&N開発の専務で咲の夫・蒼《そう》の指示でSIINAに潜入していた。  伊織は仕事《ミッション》の妨げにならないようにと圭を突き放すが、圭は執拗に伊織を求める。  「俺が欲しいのはお前だけだよ」  「もう身体だけじゃ満足できない--。今度こそお前の心を手に入れる」  互いの身分と目的を知らない二人は、近づけば近づくほどに互いを疑い、すれ違う。  極秘情報売買を調査する伊織。  横領事件を調査する圭。  互いの計画と、伊織と圭の関係を知った咲と蒼は、もう一つのミッションを仕掛ける――――。  咲と蒼、伊織と圭、それぞれのミッションの行方は……?

Home, Sweet Home

茜色
恋愛
OL生活7年目の庄野鞠子(しょうのまりこ)は、5つ年上の上司、藤堂達矢(とうどうたつや)に密かにあこがれている。あるアクシデントのせいで自宅マンションに戻れなくなった藤堂のために、鞠子は自分が暮らす一軒家に藤堂を泊まらせ、そのまま期間限定で同居することを提案する。 亡き祖母から受け継いだ古い家での共同生活は、かつて封印したはずの恋心を密かに蘇らせることになり・・・。 ☆ 全19話です。オフィスラブと謳っていますが、オフィスのシーンは少なめです 。「ムーンライトノベルズ」様に投稿済のものを一部改稿しております。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

Sweet Healing~真摯な上司の、その唇に癒されて~

汐埼ゆたか
恋愛
絶え間なく溢れ出る涙は彼の唇に吸い取られ 慟哭だけが薄暗い部屋に沈んでいく。    その夜、彼女の絶望と悲しみをすくい取ったのは 仕事上でしか接点のない上司だった。 思っていることを口にするのが苦手 地味で大人しい司書 木ノ下 千紗子 (きのした ちさこ) (24)      × 真面目で優しい千紗子の上司 知的で容姿端麗な課長 雨宮 一彰 (あまみや かずあき) (29) 胸を締め付ける切ない想いを 抱えているのはいったいどちらなのか——— 「叫んでも暴れてもいい、全部受け止めるから」 「君が笑っていられるなら、自分の気持ちなんてどうでもいい」 「その可愛い笑顔が戻るなら、俺は何でも出来そうだよ」 真摯でひたむきな愛が、傷付いた心を癒していく。 ********** ►Attention ※他サイトからの転載(2018/11に書き上げたものです) ※表紙は「かんたん表紙メーカー2」様で作りました。 ※※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

Bu-cha
恋愛
親同士の再婚予定により、社宅の隣の部屋でほぼ一緒に暮らしていた。 血が繋がっていないから、結婚出来る。 私はお兄ちゃんと妹で結婚がしたい。 お兄ちゃん、私を戴いて・・・? ※妹が暴走しておりますので、ラブシーン多めになりそうです。 苦手な方はご注意くださいませ。 関連物語 『可愛くて美味しい真理姉』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高13位 『拳に愛を込めて』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高29位 『秋の夜長に見る恋の夢』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高17位 『交際0日で結婚!指輪ゲットを目指しラスボスを攻略してゲームをクリア』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位 『幼馴染みの小太郎君が、今日も私の眼鏡を外す』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高8位 『女社長紅葉(32)の雷は稲妻を光らせる』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 44位 『女神達が愛した弟』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高66位 『ムラムラムラムラモヤモヤモヤモヤ今日も秘書は止まらない』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高32位 私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。 伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。 物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...