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第二章

26、内装

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 部屋の中は明かりが勝手に付くようになっているようで明るく、真っ白な8畳間だった。何にもないからどこまでが空間なのかわからない感じだったけど。
 唯一、入って左側にある手のひらサイズの盤だけが白ではなく、銀色だった。
 そこには紋様が彫られていて、そこに部屋の内装イメージを頭に思い描きながら魔力を流すと一瞬にしてその通りの内装になった。
 俺の部屋は上半分が白のままで下半分を木でライトブラウンぐらいの色合いで木目を楽しむ感じにした。もちろん、床はフローリングだ。
 家具なんかを備え付けには出来ないので見繕わないとな。
 各人の部屋も個性が出ていた。
 エドは天井を明るいブラウンの木目調にして、床を俺のより明るい色合いのフローリングにしていた。側面は白のままだが、四隅に木を付けている。
 ユリウスは上半分を空色に下や床を緑色にしている。
 グランは上半分が白のままだか、下や床は黒でモノトーンのようだ。
 シエルも上半分が白のままだか、下や床は若葉色をしている。
 レイは上を緑色に下や床は木目調にしている。
 ガイは白のままで四隅や境目に木を付けて空間がわかるようになっていた。
 これは以外だった、もっと子供っぽい風になっているかと思っていた。
「ガイが一番意外だったな」
「確かにね」
「そう?」
「ああ、もっとやんちゃなイメージがあった」
「この方が落ち着くから」
「それならそれでいいけどな」
「うん」
 ガイがちょっと恥ずかしそうにしているのがもっと意外だった。
 ガイにとって自分のことを見せるのは初めてだったようだ。
 全員がだいたい今まで暮らしていた空間に似せているらしい。ガイのはただ自分が過ごしてみたい空間だったようだ。
 まぁ、内装は盤にイメージを思い描きながら魔力を流すだけで何度も替えれるので色んな空間を出してもいいとは俺は思う。
 全員にその話をするとガイとエドが嬉しそうに、楽しそうにしていた。
 俺たちはそれを微笑ましく見ている。
「うん、うちの子ども組は可愛いなぁ」
「そうだな」
「ふふ、そうですね」
「まぁ、一応、青年なんですけど」
「マスターは」
「精神年齢は二人とも子どもだろ」
「「「確かに」」」
「「ああ~」」
 グランの言葉に俺とユリウスは頷き、レイとシエルは遠い目をしながら納得してしまった。
 まぁ、見ていてそうだなんだよな。
 あの二人ってこう見ていると未成年に見えてしまうんだよな。
 エドの精神年齢が低めなのがどうしてもそう見えてしまうんだろうな、ガイは見た目も未成年だから仕方ないけどな。
 まぁ、このメンバーの中ではそういうのもいいのかもしれない。ありのままの姿で居られるっていうのは安心している証拠だろうからな。
 こういうチームで居たいな、ずっと。

    
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