氷の伯爵(旦那様)が記憶を失くされたようです

千羊

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家令はお困りのようです

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 家令は仕事に追われていた。普通の家令は屋敷内の管理や会計などを担うが、伯爵が幼いころから面倒を見ている彼は伯爵領の管理の一部も担っている。
 数か月前から伯爵は奥様・・と訳あって長期的な視察に行っているため、通常業務については普段通りやればいい。しかし、今は伯爵が意識不明の重体であるため、主が視察中行っていた業務の対応も行わなければならない。さらに伯爵の容体については基本的には緘口令を敷くが、長期的に姿をみせなければそれにも限界があるだろう。どこからか噂を聞きつけて難癖をつけてくるであろう貴族や、伯爵家の莫大な資産に目がくらんで乗っ取ろうとしてくるだろう遠縁の親戚たちと頭が痛い。そうなれば家令では高位貴族に口だけでは敵わないところも出てくる。
 今後のことを考えてため息しか出ない。

「ヴィヴィアナ様にお願いするしかありません、か」

 高位貴族に関して、この家で唯一対応できるのは書類上は妻であるヴィヴィアナしかいない。
 家令は彼女を哀れな少女だと思っている。愛人の件を隠すために騙され、この家に入ってからは冷遇されている。けれど、家令にとっては主である伯爵の最優先が自分の最優先であるし、彼女は別館に移ってからは場所さえ貸してくれれば迷惑をかけないと籠ってしまった。社交界に顔を出すためのドレスの手配や手紙のやり取りの為に時々連絡するくらいでそれ以外は生活に必要な予算についてもいらないと突っぱねられてしまったのでほとんどかかわりのない人だ。そんな彼女に、またこちらの事情を押し付けるのは少しだけ良心が痛んだ。だが、主が目覚めない以上、彼女に縋るしかなかった。
 書斎を出て、別館へと迎えるものに声をかけることにした。彼女を下に見ている使用人ばかりなので、人選を誤れば頼む前から気分を害してしまうかもしれない。
 昨日の様子だと、まだ主に心があるようだった。それでなんとか――――と、考えながら廊下を歩いていると、窓の外に雨の中ぽつんとたたずむ一台の馬車が見えた。今日来客の予定はない。万が一誰かが来たならば真っ先に言伝があるはずだ。だがそんな記憶もない。ならば、誰が馬車を使うというのか。それはただ一人、少し距離がある別館から来るもの、つまりヴィヴィアナだけである。彼女が来るとしたら伝言があってもいいものをと思って、迎えに行こうと玄関に足を向けるが、その馬車をよく見ると違和感があることに気づいた。御者と、馬の姿がないのである。まさか、と家令は最悪の可能性にたどり着いた。

「誰か! 誰か早くヴィヴィアナ様をお迎えに行け!」




 家令が慌てて指示を出し、ヴィヴィアナを迎えに行ったが、時はすでに随分と経ってしまっていたようだった。家令が考えたとおり、彼女をよく思わない使用人たちの企みで雨の中、馬車に置き去りにされたようだった。
 屋敷にやってきた彼女の顔は真っ青で、唇まで血の気がなかった。今は秋の終わりごろだが、北に位置するこの土地では気温はすでに冬のものだ。そんな時期の雨の日だ。簡易的な馬車の中は凍えるような寒さだっただろう。侍女が用意したのであろうショールを肩に掛けてはいるが、今日の気温では意味をなしていなかったようだ。
 ヴィヴィアナは家令を見て、身体を震わせながら小さく笑った。

「さ、さきっ、先ぶれを、出したのだけれど」

 カチカチと歯を鳴らしながら説明してくれる。本来ならばその先ぶれでこちらが出迎える用意をすべきだった。

「暖炉の焚いた部屋を用意しております」
「あ、ありがとう」

 唯一の侍女に身を寄せ、ヴィヴィアナは部屋を移動したのだった。家令は近くのものに指示を出すと、すぐにそのあとに続いた。
 部屋に着くと、ヴィヴィアナはホッと息をついたようだった。暖炉に一番近い場所で手をこすり合わせている。

「この度は、わたくしどもの不徳の致すところでございます。大変申し訳ございませんでした」

 深々と頭を下げる。こうは言っても、普通ならば気の晴れることではないだろう。置き去りにされたのだ。怒ってもおかしくない。だが、降りてきたヴィヴィアナの声はとても柔らかなものだった。

「わたしが突然押しかけてしまったのだもの。誰のせいでもないわ」

 驚いた。正直、そんな言葉が返ってくるとは思わなかった。

「しかし、」

 そういうわけには、と言いかけたとき、ノックの音が鳴った。ヴィヴィアナに少々お待ちください、と頭を下げ、部屋の外へ出ていく。
 先ほど指示を出して呼んでいたものたちが来たようだ。人数は女が二人と男が一人。女たちは今回伝令を怠った侍女たちと勝手にその場を去った御者である。御者はおどおどと戸惑い、侍女たちはなぜ呼ばれたのかわからないかのように首を傾げている。
 家令はそんな彼女らに頭を抱えたい気分だった。ヴィヴィアナの前に出す前で良かった。今はなによりも心証を悪くしてはいけない。使用人の教育は奥様と侍女頭に任せてきたが、ここまでとは思いもしなかった。

「お前たち、なぜこの場所に呼ばれたか分かっていないようだな? ヴィヴィアナ様になにをしたのか覚えがないのか?」

 低い声で問いかけると、御者はサァーっと顔を青ざめさせた。

「も、申し訳ございませんでした!」
「おっさん、謝る必要はないって。だって、あの子は奥様のためのただのお飾り人形なのよ?」
「黙れ! お前たちは自分が何をしたのかわかっていないのか!?」

 普段は冷静沈着な家令の怒鳴り声など初めて聞いた。侍女たちは驚きに身をすくませた。でも、なぜ怒られたのかわからない。だって、みんなこの子にしていることじゃないか。自分たちも少しだけ意地悪しただけなのに、なんで怒鳴られなければいけないのか。

「お前たちはあと一歩で、ヴィヴィアナ様を凍死させるところだったのだ。これがどういうことを意味するか分からないのか? 貴族の殺害――つまりは、子爵家に訴えられた場合、家族親戚ともども一家全員死罪になってたということだ」
「ヒーッ!」
「そ、そんなはずがありません! だって……!」
「言い訳は必要ない。未遂とはいえお前たちは取り返しのつかないことをした。ヴィヴィアナ様の一言でお前たちの処刑は決まる。心しておけ」

 やっと立場を理解したようだ。御者は悲鳴を上げうずくまり、侍女たちは唇を震わせている。

「そ、そんなこと、奥様が許すはずもありませんわ!」
「そうですわ! 私たち、奥様の侍女なんですもの! あの子になにかできるわけが……」
「本当にそう思うのか?」

 奥様が、奥様なら、と繰り返す彼女らに問いかける。今、助けてくれる人がいると思うのだろうか?
 侍女たちはついには身体まで震わせた。自分たちの死がこの場で決まるかもしれない。

「あの子――ヴィ、ヴィヴィアナ様に、謝罪をさせてください」
「お願い致します」

 頭を下げる、彼女らを一瞥すると、家令たちは部屋の中に入ったのだった。
 部屋の中にいたヴィヴィアナはだいぶ温まったようで、暖炉の前でゆったりと休んでいる。家令の再来に気が付いて、振り向いた。

「今日も旦那様の部屋に行きたいのだけれど――、その方々は?」
「この者たちは本件の首謀者です。ヴィヴィアナ様に処分をお任せいたしたく、お連れ致しました」
「ということは、わたしが寒い思いをしたのはこの方々のせいなのね?」
「も、申し訳ございませんでした!」

 頬に手を当て、おっとりとほほ笑んで首を傾げている。怒りを含んでいるようには聞こえないが、自分の命がかかっている侍女たちは震え上がった。あんないたずらで処刑なんてまっぴらだ。だが、事態は恐怖に涙を流している御者が膝から崩れ落ち、許しを乞うたところから変わった。

「お願いだ、処刑は嫌だ! 俺は、俺はこいつらに置いていけって言われたんだ!」
「なな、なに言っているの!?」
「嘘じゃねぇ! こいつらがちょっとからかうだけって言って!」
「あんただって乗り気だったじゃないのよ!」
「勝手にあたしたちのせいにしないで!」

 なんと醜いことか。家令は唸り声を上げそうになった。
 謝罪を受けたうえでヴィヴィアナが処分を決められれば少しは気が晴らすことができるだろうと思ったが、こんなことになるならば連れてくるべきではなかった。下げさせようとするが、ヴィヴィアナがパチンと手を鳴らしたことで彼女らの言い争いは止まった。

「おやめなさい」

 ヴィヴィアナは侍女たちの言葉を少し困ったような表情で見ていた。

「あなたたちが後から来たわたしに思うところがあるのは知っているわ。けれど、今回だけは不問にしようと思うの」
「本当ですか!?」
「ええ、先ほども言ったけれど、わたしが突然来てしまったのですもの。忙しいあなたたちはうっかりしてしまった。そういうことでしょう?」

 ふふっ、と笑いかけられると、侍女たちの縋るようにヴィヴィアナの言葉に必死にうなずいた。
 家令としては人数が減り、ただでさえ忙しいなか、新しく採用という仕事が加わるのは避けたかったためそれは助かる。

「はい、これでこの件は終わりよ。まだ仕事もあるのでしょう? 下がっていいわ」

 ヴィヴィアナの一言でこれ以上なにか言われてはたまらない侍女たちはいそいそと部屋を後にした。

「本当に、よろしかったのでしょうか?」
「わたしが今回のことは不問にするといったのだからいいのよ。今後されては困るけれど。――あんなに寒いのは当分まっぴらだわ」

 なんと優しいことか。
 思えば、この屋敷に来てからヴィヴィアナは一度ももめ事を起こしたことがない。奥様関連で数回あるが、あれは奥様側から吹っ掛けたということだし、もしかしたら彼女は争い事態を好まないのかもしれない。かかわりが薄かったためヴィヴィアナの性格なんて考えたこともなかったが、表情や侍女たちへの対応を見るに彼女はきっととても情の深い女性なのだろう。ならば、引き受けてくれるだろう。

「ヴィヴィアナ様、今後本館に日参されるようでしたら、こちらに住まわれてはいかがでしょうか?」
「ここに?」
「ええ、そろそろ雪も降ってくる時期です。別館からいらっしゃるのも大変でしょう」
「けれど、本館のものたちはわたしの言うことを聞いてくれないでしょう? 不安だわ……」

 ヴィヴィアナの言葉はもっともだった。もともと彼女が連れてきた侍女がたった一人なのは、伯爵がこちらで用意するといったからだった。確かに用意したのだが、奥様の息のかかった侍女たちで良くない思いを多々したと聞いている。

「それならば、ご実家から呼んではいかがでしょうか? ご主人様が目覚められない今、ヴィヴィアナ様にお願いすることもありましょう。その際にヴィヴィアナ様を助けるものが多いに越したことはございません」
「まぁ! 呼んでもいいの? ずっとみんなに会いたかったのよ!」

 本当に嬉しいようで、華やいだ声で喜んだ。この二年間手紙のやり取りはしていても、一度も帰省していないと聞いている。随分と恋しかったのだろう。

「ふふっ、みんな元気かしら……」
「喜ばしいようでなによりでございます。部屋についてはすぐ用意させましょう。また、今後については――」
「わたしが旦那様の代わりをすればいいのでしょう? わからないこともあると思うけれど、頑張るわ」

 こちらが言う前にわかってくれるとは、存外賢い人なのかもしれない。目覚めぬ伯爵の為に意気込むその姿はとてもいじらしい。

「さて、身体も温まったことでしょう。旦那様のお部屋にご案内いたします」
「ありがとう」

 ずいぶんと多くのことがあった気がするが、家令の最初の目的は達成された。少しは負担が軽くなることを願うばかりだ。

「――――ついでにレモンティーの準備をお願いしますね」

 ヴィヴィアナがまたおっとりとほほ笑んだ。
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