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幼少期編・続

16歳の誕生日

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ライトロード魔法学院入学式の前日
ティアナは16歳になった

私は誕生日パーティーを開いたことはなく
いつも家族や幼なじみ達と過ごしている。

16歳の誕生日は家族で街にお出かけする事にした。


朝食をとった後、
マリアに白のワンピースを着せてもらい
髪はアップに纏めて
7歳の誕生日にギルとオッドからもらった
お花のネックレスを付けた。

部屋を出て馬車に向かうと
馬車の前にギルとオッドが待っていてくれた。
「おまたせ。」

お父様はお城から呼び出しがあり
(すごくごねたみたいだけど)なくなく諦め
ギルとオッドと街に向かうことになった。

誕生日はいつも何が何でも休んでくれていたけど
私が目を覚ましてから仕事そっちのけで
側にいてくれたことが祟って
ここ最近ず-っと呼び出されている。


オッドは学園や学院には通わず
お父様が直接剣術や魔法の指導をした。
珍しい二属性の持ち主で
水属性と地属性の資格を持っている。
どちらも上級魔法だ。

お出掛けには護衛騎士も連れて行くが
お父様が同席できない時は
代わりをオッドに任せることが多い。
それだけ父はオッドの強さを認めているのだ。


ギルに手をひかれ馬車に乗ると
オッドは座席の上に欠伸をしながら寝転がっていた。

「ふあぁ~~」

5年経ってもオッドのぐうたらは変わってない

「オッド・・怠け過ぎじゃない?」
「ん~、寝る子は育つんで~」
「私たちを差し置いて
 執事のあなたが席を占領するのはどうかと」

オッドはちらっと片目を開けて
ギルに視線を向けた後、
「こちらは使わないからいいじゃないですか~」
またすぐに目を閉じた

たしかに
ギルは私の隣にぴったりくっついて座っていて
オッドが起きたとしてもオッドの横には行かないだろう

「むぅ。屁理屈。」
「効率の話で~す」

「あーいえばこうゆう!」
私はほっぺを膨らませた。

「は~いはい」
おもむろにオッドは立ち上がり

「ちょっと!」
私と壁の間に無理くり入ろうとする

馬車はフラットになっていて
座ろうと思えば三人座れるがとても狭くなるため
子供同士でもあんまり座らない。

「無理だって!」
肩幅の広いオッドは右手を上げ
私の方にななめに肩を傾けながら
狭いスペースに無理やり座ってきた

「!」
上に上がっていた右手が
私の肩にのってきた

(ち、ちかっ・・・!)
思わず顔が赤くなる

相手は執事服を着た20代前半のイケメン!
意識しない方が無理だ!!!

真っ赤になって固まる私を見て
きょとんとした顔をしたオッドは

右手を外し席を立つと

「ガキ」
といいながら
私のほっぺを片手で掴んだ。

私がじろっと睨むと

オッドはふっと笑い
また向かいの席に仰向けに寝転んだ

(皆、オッドを甘やかせすぎじゃない!?)


こんな態度でも許されるのがオッドなのだ。
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