2 / 36
第2話 おお!同志よ!
しおりを挟む
慌ただしい夫との初対面から数時間経ち、ビアトリスは、独りぼっちで夕食の席に着いていた。こういう時はええと……どうしたらいいんだっけ? 初日ということもあり、長旅で疲れていた彼女はお腹が空いていた。できれば早く食事を摂りたい。しかし、家の主人であるエリオットがやって来ないことには一人で食べ始めることもできない。いい加減お腹がぐーっと鳴ったところで、見かねたハインズが声をかけた。
「あの……エリオット様をお呼び致しましょうか?」
「そう……! その手があった! いいえ、私の方からうかがいます」
ビアトリスはそう言って立ち上がると、気まずい様子で背中を丸めるハインズを残し、食堂室を出て地下室へと向かった。ハインズは、ビアトリスが怒っているものと判断したらしいが、別に怒ってはいない。敢えて言えば、さっきちらと目にしたエリオットの部屋をもう一度観察したい好奇心に突き動かされていた。
ビアトリスは地下室に下りて、エリオットの部屋の粗末な扉をノックした。ノックしただけでは返事がないので、自ら名乗り上げると、向こうから慌てたように扉を開けた。
「ごめん……! つい作業に没頭してしまって。僕は地下室で食べるから気にしないで」
「そんな、家の主人を放っておくわけにはいきません!」
「いいよ、僕はただの代理に過ぎないし、家の主人なんて大層な身分ではない。ここでは自由に振舞ってくれて構わない。こちらから何かを注文することはないから」
ビアトリスは目を丸くした。今自由に振舞っていいと言った? まさか、そんなことを言われるとは思いも寄らなかった。
「あなたは、私に妻の務めを要求しないんですか?」
「へ? 妻の務めって何?」
「普通、夫婦になったからには、夫は夫の役割、妻は妻の役割が要求されますよね? それが何なのか、正直私もよく分かってないけど、あなたはそれを私に求めませんか?」
ビアトリスの回りくどい言い方が本気で理解できないらしく、エリオットは眉をしかめた。
「ああ、一般的な常識というのが僕には欠けていて……余りピンと来ない。ただ、君のお父様に、兄様の代わりに僕が結婚しろと言われてそうしたまでのことで……正直、ここに来るの嫌だったでしょ?」
「いえ別に。妹が散々失礼なことを言っていたけど、それはそれで面白いかなと思ってました。もっと怪物みたいな人を想像してたんです。怪物の住む城に嫁ぐ花嫁なんてゴシックロマンみたいだなあって。でも普通の人だったから却って拍子抜けしたくらいで……あ、口が過ぎました! ごめんなさい!」
ビアトリスは慌てて口をつぐんで頭を下げた。しかし、エリオットは別に怒った様子はなく、それどころかビアトリスに興味を示したようにじっと見つめてきた。
「本、好きなの?」
ビアトリスはこくりと首を縦に振った。初めてここに来た時はまさかと思ったが、確かにここは本の楽園だ。床に積み上げられた本のタワーをちらりと見やると、興味を引くタイトルが目に飛び込んでくる。今では手に入りにくい限定本まで揃っている。どうしてこれだけの蔵書を集められるのか? しかも無造作に床に置かれているなんてあり得ない。思った通り、エリオットは相当な読書家だ。彼女は、震える声でエリオットに頼みごとをした。
「ええ。ここはまるで宝物庫のようです。突然で申し訳ないですが、本を一冊借りて行ってもいいですか? その代わりなんでもやりますから!」
「仕事なんて何も……ただ、もし、好意に甘えていいのなら、兄様がやっていた仕事を手伝ってくれたら助かる。それ以外は何も要求しない、お金も自由に使ってくれて構わない。女の人は何かと要りようと言うのは聞いてるし、この家にいてもらう以上、その辺は困らないようにしたい。もちろん本くらい、いくらでも借りていいよ」
「お金はそんなに使いません。おしゃれも分からないし、使いどころがないです。それより、家の中ではズボン姿でも構いませんか? その方が動きやすいので。仕事の方はやり方を教えて下さればできると思います、本当にそれだけでいいんですか?」
「もちろん。仕事ならハインズが教えてくれる……正直困っていたんだ。僕にはよく分からないから」
それなら、ずっとやっている書き仕事は何なのか? あれは仕事ではないのか? ビアトリスは疑問に思ったが、それより眼前に広がる宝の山に目を奪われた。
「何でもいいけど、本の山を倒さないように気を付けて。これでも種類別に分類してあるんだ」
彼はこの無数にある本のタワーを全て把握しているとでも言うのか? ビアトリスはえっと驚いたが、許可は下りたので、タワーを倒さないように注意深く歩きながら物色し始めた。
(すごい……! 乱雑に置かれているように見えながらちゃんと分類されている! これはジョットの著作群、反対側にあるのは今では古本屋でしか手に入らないと言われているミリガンの復刊……こんなものを揃えているエリオット様って何者?)
これは「分かっている人」の選び方だ。おそらく彼女と同類かもしれない。ビアトリスは、身体がうずうずしてくるのを抑えられなかった。自分と趣味が同じ人に出会うのは初めてだ。今まで話が合う人がいなくて寂しい思いをしてきた。偶然結婚した相手が、もしかしたらそうなのか? そうだとしたら何て幸運だろう。こんなこと滅多にあるものではない。でも、話しかけるのが怖い。怖い人ではないが、拒絶されたらどうしよう? 趣味の会話を好まない人だったらどうしよう? そもそも自分の勘違いだったらどうしよう?
「あの……何かあった?」
「あ……いえ……どの本にしようか迷ってしまって」
ビアトリスは頭がいっぱいになってそれだけ答えるのがやっとだった。そして、やっとのことである一冊の本を手に取った。
「これ、ランカスターの二部作いいですか?」
「も、もちろん。どうぞ、持って行って。返すのはいつでも構わないから」
どぎまぎしながらお礼を言った後ビアトリスはエリオットの部屋を出て行った。どうしよう、親の決めた相手と結婚したと思ったら、まさかの同志だったなんて!
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
夫婦ともオタクかよ!と思ったら清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
「あの……エリオット様をお呼び致しましょうか?」
「そう……! その手があった! いいえ、私の方からうかがいます」
ビアトリスはそう言って立ち上がると、気まずい様子で背中を丸めるハインズを残し、食堂室を出て地下室へと向かった。ハインズは、ビアトリスが怒っているものと判断したらしいが、別に怒ってはいない。敢えて言えば、さっきちらと目にしたエリオットの部屋をもう一度観察したい好奇心に突き動かされていた。
ビアトリスは地下室に下りて、エリオットの部屋の粗末な扉をノックした。ノックしただけでは返事がないので、自ら名乗り上げると、向こうから慌てたように扉を開けた。
「ごめん……! つい作業に没頭してしまって。僕は地下室で食べるから気にしないで」
「そんな、家の主人を放っておくわけにはいきません!」
「いいよ、僕はただの代理に過ぎないし、家の主人なんて大層な身分ではない。ここでは自由に振舞ってくれて構わない。こちらから何かを注文することはないから」
ビアトリスは目を丸くした。今自由に振舞っていいと言った? まさか、そんなことを言われるとは思いも寄らなかった。
「あなたは、私に妻の務めを要求しないんですか?」
「へ? 妻の務めって何?」
「普通、夫婦になったからには、夫は夫の役割、妻は妻の役割が要求されますよね? それが何なのか、正直私もよく分かってないけど、あなたはそれを私に求めませんか?」
ビアトリスの回りくどい言い方が本気で理解できないらしく、エリオットは眉をしかめた。
「ああ、一般的な常識というのが僕には欠けていて……余りピンと来ない。ただ、君のお父様に、兄様の代わりに僕が結婚しろと言われてそうしたまでのことで……正直、ここに来るの嫌だったでしょ?」
「いえ別に。妹が散々失礼なことを言っていたけど、それはそれで面白いかなと思ってました。もっと怪物みたいな人を想像してたんです。怪物の住む城に嫁ぐ花嫁なんてゴシックロマンみたいだなあって。でも普通の人だったから却って拍子抜けしたくらいで……あ、口が過ぎました! ごめんなさい!」
ビアトリスは慌てて口をつぐんで頭を下げた。しかし、エリオットは別に怒った様子はなく、それどころかビアトリスに興味を示したようにじっと見つめてきた。
「本、好きなの?」
ビアトリスはこくりと首を縦に振った。初めてここに来た時はまさかと思ったが、確かにここは本の楽園だ。床に積み上げられた本のタワーをちらりと見やると、興味を引くタイトルが目に飛び込んでくる。今では手に入りにくい限定本まで揃っている。どうしてこれだけの蔵書を集められるのか? しかも無造作に床に置かれているなんてあり得ない。思った通り、エリオットは相当な読書家だ。彼女は、震える声でエリオットに頼みごとをした。
「ええ。ここはまるで宝物庫のようです。突然で申し訳ないですが、本を一冊借りて行ってもいいですか? その代わりなんでもやりますから!」
「仕事なんて何も……ただ、もし、好意に甘えていいのなら、兄様がやっていた仕事を手伝ってくれたら助かる。それ以外は何も要求しない、お金も自由に使ってくれて構わない。女の人は何かと要りようと言うのは聞いてるし、この家にいてもらう以上、その辺は困らないようにしたい。もちろん本くらい、いくらでも借りていいよ」
「お金はそんなに使いません。おしゃれも分からないし、使いどころがないです。それより、家の中ではズボン姿でも構いませんか? その方が動きやすいので。仕事の方はやり方を教えて下さればできると思います、本当にそれだけでいいんですか?」
「もちろん。仕事ならハインズが教えてくれる……正直困っていたんだ。僕にはよく分からないから」
それなら、ずっとやっている書き仕事は何なのか? あれは仕事ではないのか? ビアトリスは疑問に思ったが、それより眼前に広がる宝の山に目を奪われた。
「何でもいいけど、本の山を倒さないように気を付けて。これでも種類別に分類してあるんだ」
彼はこの無数にある本のタワーを全て把握しているとでも言うのか? ビアトリスはえっと驚いたが、許可は下りたので、タワーを倒さないように注意深く歩きながら物色し始めた。
(すごい……! 乱雑に置かれているように見えながらちゃんと分類されている! これはジョットの著作群、反対側にあるのは今では古本屋でしか手に入らないと言われているミリガンの復刊……こんなものを揃えているエリオット様って何者?)
これは「分かっている人」の選び方だ。おそらく彼女と同類かもしれない。ビアトリスは、身体がうずうずしてくるのを抑えられなかった。自分と趣味が同じ人に出会うのは初めてだ。今まで話が合う人がいなくて寂しい思いをしてきた。偶然結婚した相手が、もしかしたらそうなのか? そうだとしたら何て幸運だろう。こんなこと滅多にあるものではない。でも、話しかけるのが怖い。怖い人ではないが、拒絶されたらどうしよう? 趣味の会話を好まない人だったらどうしよう? そもそも自分の勘違いだったらどうしよう?
「あの……何かあった?」
「あ……いえ……どの本にしようか迷ってしまって」
ビアトリスは頭がいっぱいになってそれだけ答えるのがやっとだった。そして、やっとのことである一冊の本を手に取った。
「これ、ランカスターの二部作いいですか?」
「も、もちろん。どうぞ、持って行って。返すのはいつでも構わないから」
どぎまぎしながらお礼を言った後ビアトリスはエリオットの部屋を出て行った。どうしよう、親の決めた相手と結婚したと思ったら、まさかの同志だったなんて!
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
夫婦ともオタクかよ!と思ったら清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
reva
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる