35 / 36
第35話 失うのと引き換えに得たもの
しおりを挟む
ビアトリスの金切声と共にエリオットの体がゆっくり傾く。左のわき腹から吹き出す鮮血が嫌でも目に飛び込んでくる。駄目だ、こんなの到底受け入れられない。脳が許容量を越えそうになった時、本能が回避策を取った。
「誰か、誰か来てーー!!」
半狂乱になりながらありったけの声で叫ぶ。恐怖心よりもショックで自分の保身すら思い至らない。しかし、衝撃を受けているのは彼女たちだけではなかった。ユージンもまた、血の気のない顔で信じられない様子で立ち尽くしている。何が起きたか理解が追い付かないようだ。
「エリオット……お前」
「言っただろ……全部お見通しだって……」
気のせいだろうか。その瞬間、エリオットが顔を歪めて笑ったのは。
「エリオット! 喋っちゃ駄目!」
ビアトリスはずり落ちるように倒れるエリオットに駆け寄り、必死で傷口を抑えた。銃弾は左のわき腹に当たり、血がとめどなく溢れている。
「ごめんね……心配ばかりかけて。でもこれしかなかった。守りたくて……」
「黙ってと言ったでしょう!」
「会えてよかった……幸せになってほしい……」
「あなたとじゃなきゃ幸せになれない! すぐに医者を呼ぶから待って!」
そんなさ中にも、ユージンはうわごとのように「俺じゃない……俺じゃない!」と叫んでいたが、彼を顧みる者はいなかった。
それから間もなくセオドアが駆け付けた。彼が見た光景は、血だまりの中に倒れるエリオットと彼を支えるビアトリス、逃げることも忘れ抜け殻のようになったユージン、汗だくになって救援を呼ぶアンジェリカという有様だった。
その後の記憶は曖昧だ。一刻も早くエリオットは病院に運ばれ、ユージンの身柄は確保された。残されたビアトリスが、べったり血液が付着したまま取り乱して泣き叫ぶところを、アンジェリカとセオドアは必死になって取り押さえた。
「気を確かに! まだ若いしきっと大丈夫だよ。それより、君の方が心配だ。このままでは先に駄目になってしまう」
「そうよ! あなたが落ち着かなきゃエリオットだって安心できないわ。どうか落ち着いて!」
「わざとだったの。わざと撃たせたの」
「何だって?」
うわごとのように放ったビアトリスの一言に、セオドアはぎょっとして聞き返した。
「エリオットはユージンの手を取って、わざと自分に銃口が向くようにして引き金に手をかけたの。ユージンがやったように見せかけて、自分で引き金を引いたのよ」
「まさか、あなた見ていたの?」
ビアトリスは、涙でグチャグチャの顔で頷いた。
「まさか……なぜそんなことを?」
「おそらく……ユージンに対抗できる唯一の手段だから。直接戦っても勝てないから、彼を嵌めるために自分が囮になった。自分を撃たせることで彼を犯罪者にすることに成功した」
「バカな……そんなことをしたら、下手したら死んでしまうのに。もしかして、ユージンと刺し違えるつもりだったのか?」
ビアトリスは何も答えなかった。でもそういうことなのだろう。エリオットの覚悟の深さに恐れおののく。そこまでしてユージンを葬る覚悟だったのだ。
(きっと私のため。自分だけならそこまでしなかった。ユージンが私に執着するのを止めるためにやったんだわ)
今なら分かる。エリオットはそう言う人だ。自分の大切なものを守るためなら、自分自身の命すら簡単に捨てられる。もっと突き詰めると、自己犠牲の精神というより、どこか壊れている人なのだろう。ユージンはそこを見誤った。エリオットの底知れなさを見破れなかったのだ。
「そんなことしなくてよかったのに……! 彼のいない世界なんて私には何の価値もない! もしものことがあったら……私……」
そう言うと、ビアトリスは両手で顔を覆って嗚咽した。セオドアとアンジェリカはそんな彼女を抱きしめ、背中をなでてやることしかできなかった。
***********
何とか致命傷を免れたものの、出血量が多くて一時は危なかったと後で聞かされた。しかし、結論から言うと、エリオットは一命をとりとめた。回復までに時間を要したが、ようやく面会できるところまで漕ぎつけることができ、許可が出た途端、ビアトリスは彼に会いに病院に飛んで行った。
「顔がやつれてる。心配かけてごめんね」
これがエリオットの第一声だった。
「あなたいつも謝ってばかりいる。何も悪いことなんかしてないのに」
そう言うと、ビアトリスはベッドの傍らの椅子に腰かけた。消毒薬の匂いに包まれた殺風景な病室。エリオットは、まだ身を起こすこともできない状態だった。貧血が続いているらしく顔色は青い。目の下の隈も一層ひどいが、それでも弱々しい笑みを浮かべるくらいには回復した。
「謝っている方が気が楽なんだ。ねえ、連載はどうした?」
こんな時でもビアトリスの執筆活動を気にするなんて。ビアトリスは驚きつつも、心配させないように、努めて明るい声で答えた。
「何にも手に付かなくて休載させてもらったわ。大丈夫、みんな理解してくれている」
「僕のせいだよね……君の仕事に穴をあけるようなことになってすまない」
「やめてよ! あなたが一番大事だもの仕方ないじゃない。よかった。無事でいてくれて」
ビアトリスは、さっきから何かもどかしくて仕方なかった。いつものエリオットでいつもの会話だ。しかし、もう前のようには戻れない。彼女は息を大きく吸うと、囁くような声で尋ねた。
「ねえ、どうしてわざと自分を撃たせるようなことをしたの?」
それを聞いたエリオットはわずかに目を大きく開く。
「見ていたの? まさかバレるとは思わなかった」
「あなたのことはいつでもちゃんと見ているわ。アンジェリカは気付かなかったようだけど、私のいるところからは見えた。あなたが引き金に指をかけるのを」
いつもと変わらない調子で彼女がそう言うと、エリオットは天井を向いたまま、遠くを見やるような目つきになって、何やら思案顔になった。
「東洋に『窮鼠猫を噛む』という諺があるんだって。猫に追い詰められた鼠が破れかぶれになって身の危険も省みず飛びかかるって意味。僕も鼠のようなものだ。あれしか手立てはなかった」
「自分の身を大事に思ったり、恐怖感を感じたりすることはなかったの?」
「そう言えばなかったな。全然迷いがなかった」
一切の躊躇なく彼は答えた。その横顔をビアトリスはじっと見つめる。そのままどれくらい時間が過ぎただろう。言うべきか、言わざるべきか。しかし、二人が前に進むためには行動しなくてはならない。彼女は意を決して口を開いた。
「私は、あなたのそう言うところが怖い」
ビアトリスは、一句一句噛みしめるように言った。病み上がりの人にかける言葉ではないのは分かっていたが、どうしても伝えなくてはならない。これからも彼と一緒にいたいから。
「あなたは自分自身の命を軽く考えている。私はこんなに大切に思っているのに、いつかある日ふっといなくなってしまうんじゃないか、そんな恐怖がどこまでもつきまとうの。あなたはそう言う人だって今回分かった。正直言ってユージンよりもそのことが怖い」
「……うん。それについては、僕はこういう人間だとしか言いようないんだ。多分、必要ならまた同じことをすると思う。こんな奴、得体が知れなくて気味悪いよね。でも自分でもどうすることもできない。いくら考えても、これ以外の答えが見つからない。昔から自分は他人と比べてどこか違うと思ってた。何か大事なものが欠落しているような気がしていた。こういうことだったのか。やっと分かった……」
エリオットはそこまで言うと、少し疲れたのか目をつぶった。
一方、ビアトリスは、彼の話を聞いているうちに、我知らず涙を流していた。何もしてやれないという悔恨か、結局何の手立てもないと悟った諦観か。どんな感情から来るものなのか自分でも分からない。
彼をこんな風にしたのは生い立ちのせいもあるんだろう。しかし、本当の意味で救いの手を差し伸べる者はいなかった。一人でも生き延びようと彼なりに工夫した結果こんな風になってしまった。今更矯正できるとも思えない。
「それでも私はあなたがいい。あなた以外に考えられない」
ビアトリスは、絞り出すような声で言うと、抱きしめる代わりに彼の顔に近づいて、愛おしそうに頬をすり寄せた。
「じゃあ、ずっと一緒にいて。僕がどこかに逃げ出さないように手を握って欲しい。人生が終わる日までずっと」
「うん。絶対離さない。残りの人生あなたと一緒に生きる。楽しい思い出をいっぱい作るの。そして笑いながら死ぬのよ」
エリオットは首を曲げて彼女を見つめると、ふっと顔をほころばせた。そして布団から片手を出して彼女の手を握りしめる。それだけで全てが満たされた。
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
自戒はエピローグです。その前に清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
「誰か、誰か来てーー!!」
半狂乱になりながらありったけの声で叫ぶ。恐怖心よりもショックで自分の保身すら思い至らない。しかし、衝撃を受けているのは彼女たちだけではなかった。ユージンもまた、血の気のない顔で信じられない様子で立ち尽くしている。何が起きたか理解が追い付かないようだ。
「エリオット……お前」
「言っただろ……全部お見通しだって……」
気のせいだろうか。その瞬間、エリオットが顔を歪めて笑ったのは。
「エリオット! 喋っちゃ駄目!」
ビアトリスはずり落ちるように倒れるエリオットに駆け寄り、必死で傷口を抑えた。銃弾は左のわき腹に当たり、血がとめどなく溢れている。
「ごめんね……心配ばかりかけて。でもこれしかなかった。守りたくて……」
「黙ってと言ったでしょう!」
「会えてよかった……幸せになってほしい……」
「あなたとじゃなきゃ幸せになれない! すぐに医者を呼ぶから待って!」
そんなさ中にも、ユージンはうわごとのように「俺じゃない……俺じゃない!」と叫んでいたが、彼を顧みる者はいなかった。
それから間もなくセオドアが駆け付けた。彼が見た光景は、血だまりの中に倒れるエリオットと彼を支えるビアトリス、逃げることも忘れ抜け殻のようになったユージン、汗だくになって救援を呼ぶアンジェリカという有様だった。
その後の記憶は曖昧だ。一刻も早くエリオットは病院に運ばれ、ユージンの身柄は確保された。残されたビアトリスが、べったり血液が付着したまま取り乱して泣き叫ぶところを、アンジェリカとセオドアは必死になって取り押さえた。
「気を確かに! まだ若いしきっと大丈夫だよ。それより、君の方が心配だ。このままでは先に駄目になってしまう」
「そうよ! あなたが落ち着かなきゃエリオットだって安心できないわ。どうか落ち着いて!」
「わざとだったの。わざと撃たせたの」
「何だって?」
うわごとのように放ったビアトリスの一言に、セオドアはぎょっとして聞き返した。
「エリオットはユージンの手を取って、わざと自分に銃口が向くようにして引き金に手をかけたの。ユージンがやったように見せかけて、自分で引き金を引いたのよ」
「まさか、あなた見ていたの?」
ビアトリスは、涙でグチャグチャの顔で頷いた。
「まさか……なぜそんなことを?」
「おそらく……ユージンに対抗できる唯一の手段だから。直接戦っても勝てないから、彼を嵌めるために自分が囮になった。自分を撃たせることで彼を犯罪者にすることに成功した」
「バカな……そんなことをしたら、下手したら死んでしまうのに。もしかして、ユージンと刺し違えるつもりだったのか?」
ビアトリスは何も答えなかった。でもそういうことなのだろう。エリオットの覚悟の深さに恐れおののく。そこまでしてユージンを葬る覚悟だったのだ。
(きっと私のため。自分だけならそこまでしなかった。ユージンが私に執着するのを止めるためにやったんだわ)
今なら分かる。エリオットはそう言う人だ。自分の大切なものを守るためなら、自分自身の命すら簡単に捨てられる。もっと突き詰めると、自己犠牲の精神というより、どこか壊れている人なのだろう。ユージンはそこを見誤った。エリオットの底知れなさを見破れなかったのだ。
「そんなことしなくてよかったのに……! 彼のいない世界なんて私には何の価値もない! もしものことがあったら……私……」
そう言うと、ビアトリスは両手で顔を覆って嗚咽した。セオドアとアンジェリカはそんな彼女を抱きしめ、背中をなでてやることしかできなかった。
***********
何とか致命傷を免れたものの、出血量が多くて一時は危なかったと後で聞かされた。しかし、結論から言うと、エリオットは一命をとりとめた。回復までに時間を要したが、ようやく面会できるところまで漕ぎつけることができ、許可が出た途端、ビアトリスは彼に会いに病院に飛んで行った。
「顔がやつれてる。心配かけてごめんね」
これがエリオットの第一声だった。
「あなたいつも謝ってばかりいる。何も悪いことなんかしてないのに」
そう言うと、ビアトリスはベッドの傍らの椅子に腰かけた。消毒薬の匂いに包まれた殺風景な病室。エリオットは、まだ身を起こすこともできない状態だった。貧血が続いているらしく顔色は青い。目の下の隈も一層ひどいが、それでも弱々しい笑みを浮かべるくらいには回復した。
「謝っている方が気が楽なんだ。ねえ、連載はどうした?」
こんな時でもビアトリスの執筆活動を気にするなんて。ビアトリスは驚きつつも、心配させないように、努めて明るい声で答えた。
「何にも手に付かなくて休載させてもらったわ。大丈夫、みんな理解してくれている」
「僕のせいだよね……君の仕事に穴をあけるようなことになってすまない」
「やめてよ! あなたが一番大事だもの仕方ないじゃない。よかった。無事でいてくれて」
ビアトリスは、さっきから何かもどかしくて仕方なかった。いつものエリオットでいつもの会話だ。しかし、もう前のようには戻れない。彼女は息を大きく吸うと、囁くような声で尋ねた。
「ねえ、どうしてわざと自分を撃たせるようなことをしたの?」
それを聞いたエリオットはわずかに目を大きく開く。
「見ていたの? まさかバレるとは思わなかった」
「あなたのことはいつでもちゃんと見ているわ。アンジェリカは気付かなかったようだけど、私のいるところからは見えた。あなたが引き金に指をかけるのを」
いつもと変わらない調子で彼女がそう言うと、エリオットは天井を向いたまま、遠くを見やるような目つきになって、何やら思案顔になった。
「東洋に『窮鼠猫を噛む』という諺があるんだって。猫に追い詰められた鼠が破れかぶれになって身の危険も省みず飛びかかるって意味。僕も鼠のようなものだ。あれしか手立てはなかった」
「自分の身を大事に思ったり、恐怖感を感じたりすることはなかったの?」
「そう言えばなかったな。全然迷いがなかった」
一切の躊躇なく彼は答えた。その横顔をビアトリスはじっと見つめる。そのままどれくらい時間が過ぎただろう。言うべきか、言わざるべきか。しかし、二人が前に進むためには行動しなくてはならない。彼女は意を決して口を開いた。
「私は、あなたのそう言うところが怖い」
ビアトリスは、一句一句噛みしめるように言った。病み上がりの人にかける言葉ではないのは分かっていたが、どうしても伝えなくてはならない。これからも彼と一緒にいたいから。
「あなたは自分自身の命を軽く考えている。私はこんなに大切に思っているのに、いつかある日ふっといなくなってしまうんじゃないか、そんな恐怖がどこまでもつきまとうの。あなたはそう言う人だって今回分かった。正直言ってユージンよりもそのことが怖い」
「……うん。それについては、僕はこういう人間だとしか言いようないんだ。多分、必要ならまた同じことをすると思う。こんな奴、得体が知れなくて気味悪いよね。でも自分でもどうすることもできない。いくら考えても、これ以外の答えが見つからない。昔から自分は他人と比べてどこか違うと思ってた。何か大事なものが欠落しているような気がしていた。こういうことだったのか。やっと分かった……」
エリオットはそこまで言うと、少し疲れたのか目をつぶった。
一方、ビアトリスは、彼の話を聞いているうちに、我知らず涙を流していた。何もしてやれないという悔恨か、結局何の手立てもないと悟った諦観か。どんな感情から来るものなのか自分でも分からない。
彼をこんな風にしたのは生い立ちのせいもあるんだろう。しかし、本当の意味で救いの手を差し伸べる者はいなかった。一人でも生き延びようと彼なりに工夫した結果こんな風になってしまった。今更矯正できるとも思えない。
「それでも私はあなたがいい。あなた以外に考えられない」
ビアトリスは、絞り出すような声で言うと、抱きしめる代わりに彼の顔に近づいて、愛おしそうに頬をすり寄せた。
「じゃあ、ずっと一緒にいて。僕がどこかに逃げ出さないように手を握って欲しい。人生が終わる日までずっと」
「うん。絶対離さない。残りの人生あなたと一緒に生きる。楽しい思い出をいっぱい作るの。そして笑いながら死ぬのよ」
エリオットは首を曲げて彼女を見つめると、ふっと顔をほころばせた。そして布団から片手を出して彼女の手を握りしめる。それだけで全てが満たされた。
★★★
最後までお読みいただきありがとうございます。
恋愛小説大賞エントリー中です。
自戒はエピローグです。その前に清き一票をお願いします!
「忘れられた王女は獣人皇帝に溺愛される」も同時連載中です。こちらはシリアス度高めです。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
地味な私では退屈だったのでしょう? 最強聖騎士団長の溺愛妃になったので、元婚約者はどうぞお好きに
reva
恋愛
「君と一緒にいると退屈だ」――そう言って、婚約者の伯爵令息カイル様は、私を捨てた。
選んだのは、華やかで社交的な公爵令嬢。
地味で無口な私には、誰も見向きもしない……そう思っていたのに。
失意のまま辺境へ向かった私が出会ったのは、偶然にも国中の騎士の頂点に立つ、最強の聖騎士団長でした。
「君は、僕にとってかけがえのない存在だ」
彼の優しさに触れ、私の世界は色づき始める。
そして、私は彼の正妃として王都へ……
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】 異世界に転生したと思ったら公爵令息の4番目の婚約者にされてしまいました。……はあ?
はくら(仮名)
恋愛
ある日、リーゼロッテは前世の記憶と女神によって転生させられたことを思い出す。当初は困惑していた彼女だったが、とにかく普段通りの生活と学園への登校のために外に出ると、その通学路の途中で貴族のヴォクス家の令息に見初められてしまい婚約させられてしまう。そしてヴォクス家に連れられていってしまった彼女が聞かされたのは、自分が4番目の婚約者であるという事実だった。
※本作は別ペンネームで『小説家になろう』にも掲載しています。
勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!
エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」
華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。
縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。
そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。
よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!!
「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。
ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、
「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」
と何やら焦っていて。
……まあ細かいことはいいでしょう。
なにせ、その腕、その太もも、その背中。
最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!!
女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。
誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート!
※他サイトに投稿したものを、改稿しています。
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
恋愛
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる