捨てられた姫は魔王の妻となり生きることにした。~それが平穏を手に入れる方法だったのです~

四季

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2話「結ばれる者たち」

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 声をかけた男性は人間と似ているが少し異なる容姿の持ち主だった。
 二足歩行や身体のバランスは人間のそれとそっくりなのだが、頭部に二本のつのが生えている。

「よければ我が妻となっていただきたいのです」
「あの……申し訳ありませんが、話が理解できません」
「そうですよね、すみません。よければチャンスをください」
「チャンス……?」
「少し話をさせてください」

 男性はオーガと名乗った。
 そして彼は自分が魔界の王つまり魔王であることも隠さなかった。

「話をさせてはいただけないでしょうか」
「……分かりました」
「良いのですか?」
「はい。……どのみち私は、もう……することなど何もありませんので」

 許可を得たオーガは晴れやかな表情で喜ぶ。

 それから二人はアポポ領から少し出た辺りにある屋敷へ向かった。

「ここは……?」
「我が一族が持つ別荘です」

 魔王が相手であると分かっていてもエリーサは怯まなかった。

 彼女にとっては人外より人間の方が怖い存在だったのだ。

 彼女は知っている。
 本当に一番恐ろしいのは他者を傷つける人間の悪意なのだと。

「別荘。そうなんですね。おしゃれです」
「えっ」

 通路を二人で歩く時、エリーサはご機嫌で辺りを見回していた。

「あの左右に揺れる甲冑とか、ミステリアスでかっこいいですね」
「え……あ、その……あ、ありがとう」
「ふふ。こんなところ初めて来ました。新鮮で楽しいです」

 その後二人はお互いに自身が抱える事情を明かしあった。
 そうしているうちに仲良くなって。

「決めました。私、貴方と生きてゆきます」
「本当ですか!」
「ええ。その方が楽しそうだと思ったのです。……大丈夫でしょうか?」
「も、もちろん! もちろんですよ!」

 こうして二人は結ばれた。
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