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前編
しおりを挟む婚約者ミドレーガルは私を愛していなかった。
「お前なんて嫌いだ、可愛さも低いしパッとしないし。どうでもいい女なんだよ、お前は。婚約してしまったから一応仕方なく付き合ってやってるだけなんだからな。念のため言っておくが、愛されているとか恥ずかしい勘違いするなよ」
彼はことあるごとにそんな風な言葉を投げてきていた。
その一方で。
「お前の妹さんさ、めちゃ可愛いよな。最高。ぼいんだしな」
彼はたびたび私の妹を褒めていた。
「え……またそれ?」
「ああ、本心だから仕方ねえんだよ」
「まぁ確かに可愛い顔立ちだけれど……」
「そだろ?」
「ええ」
「んあーっ、どうして姉のほうになっちまったんだぁー!」
ただ、彼は知らない。
妹は容姿こそ良いが性格が悪いのだということを。
妹の性格は私とはまったく違っているし、ただ違っているだけではない。
わがままで自分勝手で、欲しいものは力づくで奪ってくる――彼女はそんな人なのである。
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