2 / 2
後編
しおりを挟む「そういうことなので、貴女とはお別れします」
「そんな……」
「すみません。でももう決めたこと、それを変えることはできないのです。僕は僕の道を歩みたい、だから、ルリーナさんはルリーナさんの道を歩んでください」
プルトクは淡々とそう言って、一礼し、去っていってしまった。
その後私は家に帰って親にその件について報告した。
「……そうか。分かった。そんなやつに可愛い娘をやるのは嫌だからな、婚約破棄は受け入れることとしよう」
「そうね、その方が良さそうだわ。今聞いた感じじゃ、彼はルリーナを幸せにしてくれそうにないもの」
はじめは二人ともかなり驚いたような顔をしていたけれど、すぐに冷静な表情になった。
「だが、金はしっかりと取る」
「償いのお金ね」
「ああそうだ。よし、ルリーナ、あとは我々に任せておくがいい。ルリーナは……悲しいだろうが、彼との縁は諦めてくれ。その代わり、うちで気ままにゆったり過ごしていて良いぞ」
こうして私とプルトクの縁は切れた。
これで良かったのかな? 私、まずいことしたんじゃないだろうか。切り捨てられてしまって、そんなので大丈夫なのかな?
不安はたくさんあった。
でも私は前を向いて――取り敢えずゆったりと今を楽しむことにした。
それからはよくティータイムを楽しんだ。一人で茶を飲むのもよし、複数人で喋りながらお茶するのもよし。楽しみ方は無限にある。茶さえあればティータイムはできる、後はどんな方向性で楽しむかという部分だけだ。方向性は一つでなくていい。いろんな方法で楽しめば、それがその時最も素敵なティータイムとなるのだ。もちろん、お菓子も用意すればもっと幸せ。
そんな風にして私はのんびり暮らしていたのだが――プルトクはというと、あの後父から酷いお叱りを受けたうえかなりの額の償いの金を支払わされることとなり、自分では払いきれず家の金まで使わざるを得なくなって、急激に貧しくなってしまったそうだ。
彼は今、夢なんて抱けない日々の中で生きているらしい。
ま、自業自得だろう。
◆終わり◆
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~
香木陽灯
恋愛
「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」
実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。
「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」
「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」
二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。
※ふんわり設定です。
※他サイトにも掲載中です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
前妻の子であった私は義母義妹に虐げられていましたが、ある日城へ行ったことをきっかけに人生が変わりました。
四季
恋愛
前妻の子であった私は義母義妹に虐げられていましたが、ある日城へ行ったことをきっかけに人生が変わりました。
婚約者が聖女を選ぶことくらい分かっていたので、先に婚約破棄します。
黒蜜きな粉
恋愛
魔王討伐を終え、王都に凱旋した英雄たち。
その中心には、異世界から来た聖女と、彼女に寄り添う王太子の姿があった。
王太子の婚約者として壇上に立ちながらも、私は自分が選ばれない側だと理解していた。
だから、泣かない。縋らない。
私は自分から婚約破棄を願い出る。
選ばれなかった人生を終わらせるために。
そして、私自身の人生を始めるために。
短いお話です。
※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!
貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる