どうしてそんなに海を嫌うのですか? とても美しいではないですか。ですがまぁ、理解してもらえないならそれでも構いません。

四季

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後編

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 ◆


 その後私は海でウニを取ることに成功し、地上の人たちにウニブームを巻き起こした。

 最初は皆ウニを嫌がっていた。怖いとか気持ち悪いとか言って。中には、海の魔女の手下、などと言っている人もいた。でも少し食べると誰もがその美味しさに惚れて。一度口にしたなら何度もでも食べたくなっていた。

 それによって私と私の家は大金持ちになった。

 すべてはウニのおかげである。


 ◆


 ウニによって大金持ちになった私は、近隣領地持ちの家の子息と結婚し、今は彼と二人新しい家で楽しく暮らしている。

「今週のウニの獲れはどう?」
「順調よ」

 家柄が少し異なる二人だった。
 でも関係は悪くない。
 友のように関わり合えている。

 夫は身分をあまり気にしない人だ。だから私を見下すようなことはしない。私のことを一人の人間として見てくれるし、どんな時でも敬意を持って接してくれる。だからこそ良い関係を築けているのだと思う。

「もっと増やす?」
「駄目。今以上増やすことはできないわ」

 だからこそ、私も、彼に相応しくあれるよう意識して振る舞っている。

 どんな時も最低限の敬意は忘れない。
 その重要性を教えてくれたのが夫である。

「でもまだあるんだろう?」
「自然のものよ、獲り尽くしてはいけないの」
「そういうものか」
「ええ。獲り尽くしてしまったら次が増えづらくなるの。だから駄目」
「そっか、そうだよな……うん、分かったよ」
「ありがとう」

 ちなみにアズールはというと、あの後美容グッズ販売を仕事としている女性と結婚したそうだが、夫婦になるや否や喧嘩が絶えない夫婦となってしまったそうで――数ヶ月も経たずアズールが家出することとなったそうだ。

 で、家出中に山賊に襲われ、アズールは死亡したらしい。


◆終わり◆
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