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後編
しおりを挟む「姉さまはわたしたちの幸せを願っていてくれればそれでいいの。で、口の臭い男とでも結婚すればいいわ」
「妹さんは幸せにするから。心配しなくていい」
待って、お願い。もう少し話をさせて。あまりにも突然過ぎる。突然過ぎてまだ理解できない、それに、こんなことをされるなんて納得できない。
――言いたいことはたくさんあって。
けれども私はそれらを実際に口から出すことはできなかった。
◆
あの突然の婚約破棄から三ヶ月、ローデベルとクレッタの婚約は破棄となった。
ローデベルがクレッタのわがままに耐え切れなかったのだ。
彼はクレッタの性格を知らなかった。顔だけを見て、私を捨ててまで彼女を取った。が、いざ深く関わるようになると性格だけを見ないでいるということはできなくて。必然的にクレッタの性格へも目を向けることとなってしまった。そしてローデベルはクレッタという人に絶望したようだ。
その婚約破棄の後。
クレッタはすぐ次の好きな人を作ったようだ。
しかしその人はクレッタの過去を知ると「尻軽女かよ、無理」と言いそこからさらに侮辱の言葉を並べ、その果てに「気持ちわりぃ、二度と近寄ってくんな尻軽」などと言って共に在ることを拒否したそう。
それによってクレッタは壊れてしまった。
並べられた侮辱の言葉に彼女の心は耐えられなかったのである。
一方ローデベルはというと、それからも何人も好きになって婚約したようだが、そのたびに短期間で婚約破棄するということになってしまったようだ――つまり彼には見る目がなかったのである。
ローデベルは女性を容姿でしか見ていなかった。だからこそ外ればかりを引いてしまったのだ。容姿が良いけれど中身は難あり、といった女性ばかりと関わりを持つということになってしまったのである。彼はいつも女性の本質を見ようとしない、だから容姿だけの女性にいってしまって後から無理になるのだ。
それでも懲りずに女性を求め続けてはいるようだが。
今ではローデベルは「あんなに婚約と婚約破棄を繰り返しているのだから何かしら問題があるのだろう」と皆から思われてしまっており、それゆえ、まともな女性からは少しも相手にされなくなっているようだ。
◆終わり◆
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