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しおりを挟む「お前は面白くねぇんだよ」
婚約者アドバレは遊び人だった。
それゆえあまり遊ばない私のことを良く思ってはいなかった。
そして、彼は、定期的に悪く言ってきていた。
人なんて大抵それぞれ違う部分を持っているものだ。まったくもって同じ条件の人間なんていないのだから、行動や好むものなんてそれぞれ。そういうものだしそれが当たり前のはずなのに、彼はなぜか私という要素をことごとく否定し批判してくるのだ。それも圧をかけるような攻撃的な調子で。
そんな彼がある日突然呼び出して伝えてきたのは。
「だから、婚約は破棄する」
関係の解消。
婚約破棄であった。
「婚約、破棄……ですか」
「ああそうだ」
正直、それほど驚きはしない。
彼が私を良く思っていないことは知っていたから。
好かれているなんて思ったことは一度もない。
が、まさか本当に婚約破棄と出てくるとは。
その点に関しては少々意外性もあった。
「また急ですね」
「前々からお前は面白くないと思っていた。そう言ってただろ?」
「確かに、仰ってはいました」
「そうだろう。我慢してやってたんだよずっと。俺はお前が嫌だった、でも、お前のためと思って耐えてきてたんだ。ずっとずっと、な」
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