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2話
しおりを挟むアドバレはまるで自分が被害者であるかのように話す。
でも本当は逆ではないか?
私が彼に嫌な思いをさせられ続けてきたのだ。
彼は自分勝手に私を批判し失礼な言葉をかけていただけ。
どちらかと言えば彼は加害者ではないか!
とはいえ。
ここで何か言ったところで現状が変わるわけではない。
ならばさっさと終わりにしてしまおう。
「分かりました、受け入れます」
「理解が早くて助かる」
「では……さようなら、アドバレさん」
「ああ、永遠にバイバイ!」
◆
アドバレから解放された私は段々前向きさを取り戻した。
日々あれこれ貶めるようなことを言われていた頃は自然と後ろ向きになってしまっている部分もあった。自信を持てないような感覚があって。私には価値がない、私の価値は低い、なんて思ってしまっている部分がどことなくあった。
でも、否定されることから離れていると、徐々に心に瑞々しさが戻ってきて。
きっと良いことがある。
きっと明るい未来がある。
純粋な意味で、そう思えるようになっていった。
――ちょうどその頃だ、私に新たな展開が舞い込んできたのは。
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