16 / 211
第16話 第三王子は揶揄われる!
しおりを挟む
――汚食事ならぬ御食事をエリスと共に満喫している『シュウ』です。
エリスは自分用のフォークとスプーンを取り出して朝食を食べていた。
僕の知っている限りフォークとスプーンは使わない。
昔からフォークとスプーンは存在しているが、フォークは、先端が鋭く尖って凶器になりやすく、暗殺の可能性から食事には適さないとの事で使われていない。スプーンは化粧道具、調理用道具として使われ、食事の道具としてこちらも使われていない。
「ねぇ、エリスはいつもフォークとスプーンを持ち歩いているの?」
「えぇ、そうよ。手掴みで食べるの嫌なの、国によっては、フォークとスプーンが使われていない所もあるでしょ。だから、いつも困らないように持ち歩いているの」
「フォークとか使う国があるの?」
「サスペイン王国では、フォーク、スプーン、ナイフを使うわよ」
――サスペンス王国!? まさか王都はクリフで学校名はシコナフ学園じゃないだろうな…… 逆に読むのが怖い……
なぜか2時間で解決する〇人事件の臭いがする。犯人は当然『ヤス』!
「今、ヤス君の事を考えていたでしょ?」
「いや、そんなことなよ」
エリスからツッコミが入った。
「ホントかなぁ」
エリスさんは僕の頭の中がわかるのか!?
僕もあとで自分用にフォークとスプーン作って貰おうかな。
そんな、他愛のない会話を楽しんでいた。
不意にレイニーと目が合った!?
ヤツはゆで卵を一口で丸呑みをし、ニタニタと薄気味悪い笑顔で僕を見ていた……
――テメェーはヘビかぁ!
朝食を済ませエリスと別れた。
僕は自室の戻ろうとしたとき、後ろからレイニーが近づいてきた。
「お客さん おたのしみでしたね」
「!?……………………」
その一言だけを残し、女子寮に戻っていった。
――この人、どこからそんなネタを仕入れて来てるんだ! まさかのレイニーさん、転生疑惑!?
自室に戻り学院へ行く準備をはじめた。
昨日、今日でエリスとの距離は近くなったと思う。最初は、僕の秘密がバレて困ったが、今日の様子で僕が転生者としてあまり気にしていない様子だったし、これから仲良くできたらいいなぁー
――コンッ コンッ ノックの音が聞こえた。
「おーい、シュウ、そろそろ学校へ行こうぜ」
ダンベルト・アップリオの声だった。
「あぁ、ダンベルかぁ、ちょっと待ってくれ」
彼は、ダンベルト・アップリオ。通称『ダンベル』、平民での特待生だ。彼の実家は辺境の街にあり、この寮にお世話になっている。
「おまたせ、待たせて悪いね」
「な~に、いつもの事じゃないか」
「いつも悪い」
「じゃ、行くか」
ダンベルとは同じ寮生として仲良くなり、いつも一緒の学園に通っている。
「今朝見てたぞ、エリスと一緒に朝食、食べているところ」
見られていたかぁ~ みんな一緒にご飯食べてりゃ、みんなに見られて当たり前だよな。
「僕たちはそんな仲じゃないぞ! レイニーが僕を待たずに先に朝食食べてて……」
「うん、知ってる。一部始終ずっと見てた!」
「なんだよ、もう~ 最初から見てたのかぁ」
「キミの所のメイドさん、レイニーさんだっけ? いつもは、君を待ってから朝食食べるのに、今日は君を待たず食べ始めたから不思議に思ってたんだよ」
「僕の存在を忘れてたのかも」
「それは無いと思うよ。レイニーさん、闇のオーラを纏って、邪神顔で君たちをずっと見てたから」
――邪神顔って、レイニーさん! つ、ついに人間を辞めて闇の世界に落ちたのか!?
「ところでシュウ、筋トレ進んでる?」
「いや、あまり目に見えて効果が無いんだよね」
「まぁ、1、2週間じゃ、効果は見えてこないよ。やっぱり、2,3ヶ月掛けないと筋肉は成長しないからね」
「あ~ぁ、サイドチェスト祭かぁ」
「あと、1ヶ月後にサイドチェスト祭だからね。調整が間に合わなくても仕方ないさ」
「なぁ、ダンベル。サイドチェスト祭って何やるんだ?」
「僕は辺境の出だからね、1回しか見たことないけど、一号生、二号生、三号生と分かれて演技をするんだけど、なかなかインパクトだよ。プロテイン使用の三号生は」
「そうなのか、楽しみだな」
「マリーから詳しい連絡が行くと思うけど、サイドチェスト祭の打合せを兼ねてお茶会を開くみたいだぞ」
「マリーからお茶会の話しは聞いてたよ」
「あぁ、そうか。聞いてたのなら良かった」
――ダンベルと会話をしながら校舎についた。
この学院では、ニ号生の夏からプロテインの使用を許可される。一号生は基礎筋肉を学び、身体を鍛える。ニ号生はプロテインを使用して、筋肉の増大に励む、三号生はこの三年間の集大成となり、立派な紳士淑女《ボディビルダー》になるのだ。
教室に入り、授業の準備をしていると、
「よぉ、シュウ。ダンベルから聞いたぞ! エリス嬢と良い仲になってるみたいじゃないか?」
「ビルダー。それは、たまたま一緒にご飯を食べただけで、そんな仲じゃないよ」
「そうなのか、ダンベルのヤツ、ニヤニヤしながら俺には言ってたぞ」
「タンベル。何言ってるんだか……」
「まぁ、仲が良いのは悪い事じゃないさ! エリス嬢を大切にするんだぞ!」
「なんでそうなる!」
「わかった、 わかった」
そう言って、ビルダーは自分の席に帰って行った。
ビルダーは、ビルダー・グランドと言って、名前でもわかるようにポウジン・グランド学院長のお孫さんになる。学院長の孫だからと言って威張り散らしたりはしない。しかもイケメン公爵令息なのだ。
――僕の周りには顔面指数が高いヤツしか居ないのか!?……
僕のモブ顔にとっては辛い現実だ。
エリスは自分用のフォークとスプーンを取り出して朝食を食べていた。
僕の知っている限りフォークとスプーンは使わない。
昔からフォークとスプーンは存在しているが、フォークは、先端が鋭く尖って凶器になりやすく、暗殺の可能性から食事には適さないとの事で使われていない。スプーンは化粧道具、調理用道具として使われ、食事の道具としてこちらも使われていない。
「ねぇ、エリスはいつもフォークとスプーンを持ち歩いているの?」
「えぇ、そうよ。手掴みで食べるの嫌なの、国によっては、フォークとスプーンが使われていない所もあるでしょ。だから、いつも困らないように持ち歩いているの」
「フォークとか使う国があるの?」
「サスペイン王国では、フォーク、スプーン、ナイフを使うわよ」
――サスペンス王国!? まさか王都はクリフで学校名はシコナフ学園じゃないだろうな…… 逆に読むのが怖い……
なぜか2時間で解決する〇人事件の臭いがする。犯人は当然『ヤス』!
「今、ヤス君の事を考えていたでしょ?」
「いや、そんなことなよ」
エリスからツッコミが入った。
「ホントかなぁ」
エリスさんは僕の頭の中がわかるのか!?
僕もあとで自分用にフォークとスプーン作って貰おうかな。
そんな、他愛のない会話を楽しんでいた。
不意にレイニーと目が合った!?
ヤツはゆで卵を一口で丸呑みをし、ニタニタと薄気味悪い笑顔で僕を見ていた……
――テメェーはヘビかぁ!
朝食を済ませエリスと別れた。
僕は自室の戻ろうとしたとき、後ろからレイニーが近づいてきた。
「お客さん おたのしみでしたね」
「!?……………………」
その一言だけを残し、女子寮に戻っていった。
――この人、どこからそんなネタを仕入れて来てるんだ! まさかのレイニーさん、転生疑惑!?
自室に戻り学院へ行く準備をはじめた。
昨日、今日でエリスとの距離は近くなったと思う。最初は、僕の秘密がバレて困ったが、今日の様子で僕が転生者としてあまり気にしていない様子だったし、これから仲良くできたらいいなぁー
――コンッ コンッ ノックの音が聞こえた。
「おーい、シュウ、そろそろ学校へ行こうぜ」
ダンベルト・アップリオの声だった。
「あぁ、ダンベルかぁ、ちょっと待ってくれ」
彼は、ダンベルト・アップリオ。通称『ダンベル』、平民での特待生だ。彼の実家は辺境の街にあり、この寮にお世話になっている。
「おまたせ、待たせて悪いね」
「な~に、いつもの事じゃないか」
「いつも悪い」
「じゃ、行くか」
ダンベルとは同じ寮生として仲良くなり、いつも一緒の学園に通っている。
「今朝見てたぞ、エリスと一緒に朝食、食べているところ」
見られていたかぁ~ みんな一緒にご飯食べてりゃ、みんなに見られて当たり前だよな。
「僕たちはそんな仲じゃないぞ! レイニーが僕を待たずに先に朝食食べてて……」
「うん、知ってる。一部始終ずっと見てた!」
「なんだよ、もう~ 最初から見てたのかぁ」
「キミの所のメイドさん、レイニーさんだっけ? いつもは、君を待ってから朝食食べるのに、今日は君を待たず食べ始めたから不思議に思ってたんだよ」
「僕の存在を忘れてたのかも」
「それは無いと思うよ。レイニーさん、闇のオーラを纏って、邪神顔で君たちをずっと見てたから」
――邪神顔って、レイニーさん! つ、ついに人間を辞めて闇の世界に落ちたのか!?
「ところでシュウ、筋トレ進んでる?」
「いや、あまり目に見えて効果が無いんだよね」
「まぁ、1、2週間じゃ、効果は見えてこないよ。やっぱり、2,3ヶ月掛けないと筋肉は成長しないからね」
「あ~ぁ、サイドチェスト祭かぁ」
「あと、1ヶ月後にサイドチェスト祭だからね。調整が間に合わなくても仕方ないさ」
「なぁ、ダンベル。サイドチェスト祭って何やるんだ?」
「僕は辺境の出だからね、1回しか見たことないけど、一号生、二号生、三号生と分かれて演技をするんだけど、なかなかインパクトだよ。プロテイン使用の三号生は」
「そうなのか、楽しみだな」
「マリーから詳しい連絡が行くと思うけど、サイドチェスト祭の打合せを兼ねてお茶会を開くみたいだぞ」
「マリーからお茶会の話しは聞いてたよ」
「あぁ、そうか。聞いてたのなら良かった」
――ダンベルと会話をしながら校舎についた。
この学院では、ニ号生の夏からプロテインの使用を許可される。一号生は基礎筋肉を学び、身体を鍛える。ニ号生はプロテインを使用して、筋肉の増大に励む、三号生はこの三年間の集大成となり、立派な紳士淑女《ボディビルダー》になるのだ。
教室に入り、授業の準備をしていると、
「よぉ、シュウ。ダンベルから聞いたぞ! エリス嬢と良い仲になってるみたいじゃないか?」
「ビルダー。それは、たまたま一緒にご飯を食べただけで、そんな仲じゃないよ」
「そうなのか、ダンベルのヤツ、ニヤニヤしながら俺には言ってたぞ」
「タンベル。何言ってるんだか……」
「まぁ、仲が良いのは悪い事じゃないさ! エリス嬢を大切にするんだぞ!」
「なんでそうなる!」
「わかった、 わかった」
そう言って、ビルダーは自分の席に帰って行った。
ビルダーは、ビルダー・グランドと言って、名前でもわかるようにポウジン・グランド学院長のお孫さんになる。学院長の孫だからと言って威張り散らしたりはしない。しかもイケメン公爵令息なのだ。
――僕の周りには顔面指数が高いヤツしか居ないのか!?……
僕のモブ顔にとっては辛い現実だ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
51
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる