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第40話 第三王子は幼女と出会う!
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どさくさまぎれてエリスに抱きつこうとして、レーニャさんとレイニーの最凶コンビに僕の腹に拳をめり込ませ悶絶し、みんなの目の前で公開処刑された『シュウ』です。しかも、ムードのかけらもない! デリカシーもない! 無いない尽くしで告白してしまうなんて…… さすがに自分でも呆れる……
――あの女の子は誰だろう? 見たこともない顔だな。 エリスのスカートの端を掴み後ろに隠れている。もしかして、エリスの妹か? エリスに姉妹がいるなんて聞いてなかったよな?
「その子はどうしたの?」
「ちょっと事情があって、後で説明するね」
「うん、わかったよ」
僕は、女の子にやさしく声をかけてみた。
「お嬢ちゃん、お名前はなんていうのかな? お兄ちゃんに教えてくれる?」
「………………」
女の子はさらにエリスの後ろに隠れた。
「ロッシュウ様は相変わらず女性には人気が無いですね。ここは私、レイニーにお任せ下さい。お嬢様のお名前は、なんですかぁ~ なんですかぁ~ せかいのくにからぁ~……」
レイニーは歌い始めた……
「「「「……………………」」」」
――その場に居た4人は凍った! レイニーのヤローいつの間にブリザード魔法の詠唱を覚えたんだ!
「あれ!? おもしろく無かったですか?」
「「「「……………………」」」」
――4人はまだ、ブリザードの魔法からの回復が出来ていなかった……
レイニーさん! 『なんですかぁ~』じゃなく、そこは『こん〇ちは~』だ! 昭和の名曲を間違えるな! 三波春〇大先生に怒られるぞ! 謝罪しろ!
「おもしろいお兄ちゃん達でしょ?」
「………………」
「どんな遊びが好き? お兄ちゃんたちと遊ぼうか?」
「………………」
「今からご飯だからいっぱい食べてね?」
「………………」
――僕たちは女の子にいろいろ話し掛けたが、返事は返してもらえなかった…… 困ったモンだなぁと頭を抱えていた時、突如、この世紀末に救世主が現れた!
――ここから、救世主伝説が始まる……
「ひめさま~ ごはん、できたからよんできてっていわれた」
「しゅく…… がいかいがはじいまるよっていってた」
全体は人間だけど、頭に猫耳を着け、追加で尻尾まで着けた小さなコスプレ幼女の二人が僕たちを呼びに来てくれた。
「アニーちゃん、サリーちゃん、二人で教えに来てくれたのね。ありがとう。今、行くからね」
エリスは、小さなコスプレ幼女アニーちゃん&サリーちゃんの二人にお礼を伝えていたら、二人はエリスの後ろに隠れている女の子を発見し近づいた。
「わたしアニー」
「わたしはサリー」
「あなたはだれ?」
「………………」
「おなまえないの?」
「………………」
「いっしょにごはんたべよ」
「………………」
「お母さんが作ってくれたごはんおいしいからみんなでたべよ!」
二人はそう言って、嫌がる女の子の両腕を引っ張り強引に連れて行ってしまった……
「エリス、これで良いのかな?」
「同じくらいの女の子同士だから大丈夫だと思う……」
「あの子は一体?」
「――今朝、話してた、魔力を持った人間が魔境の森に迷い込んだって…… お母様たちが保護したのが、あの子よ…… お母様たちもあの子の事を心配して、少しでも元気になれればと思って祝賀会に連れて行きたのよ」
「――!? あんな小さな子が一人で魔境の森に来たって事?」
「魔法が使えるとはいえ、あんな小さな子が一人で魔境の森へ来るのは難しいと思う。一言も話してくれないから何とも言えないけど、多分、親から捨てられたんじゃないかと思う……」
「――!? あんな小さな子を捨てる……」
「悲しいけど、これが、現実なのよ…… 魔法はまだ、禁忌されているわ。子供が自分たちの前で魔法を使ったら親はどう思う?」
「どう思うって?……」
「もし、自分の子供が魔法を使えるって世間に知れたら、子供も親も迫害させ住むところも、働く場所も自分の人生、夢までもすべて奪われるわ。そうなる前に元凶である子供を捨てるのよ……」
「………………………………」
「あの子から話しを聞いてみないとわからないけど、私は…… もう…… こんな子が増えてほしくない……」
「エリス、僕も君と同じ気持ちだよ。僕は、魔法が使えるとか、使えないとか関係ない! 魔物のみんなも差別や迫害がない世の中にしたい! エリス、僕に協力してくれるかい?」
「ええ、シュウ君、あなたをずっと支えていくわ。それに、エリス・フォンティーヌ様の願いでもあるから」
「ありがとう。必ず実現させて見せるよ! さぁ、僕たちもみんなのところへ行こう」
「うん!」
――祝賀会が行われる大広場へと僕たちは急いだ。
◇
「みんなー、やっと姫様たちが来たよー!」
大きな声で、リンリンさんが僕たちが来たことをみんなに伝えた。
「シュウ、何やってたんだ! こっちは飲まずに待ってたんだぞ! 早くこっちに来い!」
「ごめん。サムソンさん、待たせちゃって」
「なーに、気にするな! 今日は姫様とお前が主役だからな。今夜は楽しくやろうぜ!」
「うん。ありがとう」
僕とエリスはあの女の子が心配で周りを見渡したが、なんとアニーちゃんとサリーちゃんの間に挟まれ、たのしそうにおしゃべりしてるじゃぁあーりませんか!? 子供たちのコミュニケーションの凄さをまざまざと見せられた!
――ビアンカさんが祝賀会の開始を告げた。
「みんなー、今日はお疲れさまー! じゃ、祝賀会はじめるよー! みんなコップ持ってる? 持っていない人はいないよねー!」
「んじゃ、乾杯の音頭は…… シュウさん!」
「ハァ!?」
「シュウさん前に出ておいで!」
「マジで!? 一応、僕は主役じゃないの?」
「良いから 良いから おいで!」
「ハァ」
「シュウさんお願い」
僕は、コップを胸のあたりに持ち、
「みなさん、今日はお疲れ様でした! 私は、フロンシニアス王国から参りました。ロッシュウ・ニオ・アルパトスです。シュウと呼んでください。 急な異世界ハルタン夏場所の開幕となり、みなさんにはご迷惑をおかけしたと思いますが、とても楽しかったです。ありがとうござ……」
「あいさつがなげーぞ!」
「Boo Boo」
「早く飲ませろ」
――会場からブーイングが起きた! げせぬ!
「じゃ、短く! 乾杯!」
僕は高らかにコップを掲げた!
「「「「「「乾杯!」」」」」」
――あの女の子は誰だろう? 見たこともない顔だな。 エリスのスカートの端を掴み後ろに隠れている。もしかして、エリスの妹か? エリスに姉妹がいるなんて聞いてなかったよな?
「その子はどうしたの?」
「ちょっと事情があって、後で説明するね」
「うん、わかったよ」
僕は、女の子にやさしく声をかけてみた。
「お嬢ちゃん、お名前はなんていうのかな? お兄ちゃんに教えてくれる?」
「………………」
女の子はさらにエリスの後ろに隠れた。
「ロッシュウ様は相変わらず女性には人気が無いですね。ここは私、レイニーにお任せ下さい。お嬢様のお名前は、なんですかぁ~ なんですかぁ~ せかいのくにからぁ~……」
レイニーは歌い始めた……
「「「「……………………」」」」
――その場に居た4人は凍った! レイニーのヤローいつの間にブリザード魔法の詠唱を覚えたんだ!
「あれ!? おもしろく無かったですか?」
「「「「……………………」」」」
――4人はまだ、ブリザードの魔法からの回復が出来ていなかった……
レイニーさん! 『なんですかぁ~』じゃなく、そこは『こん〇ちは~』だ! 昭和の名曲を間違えるな! 三波春〇大先生に怒られるぞ! 謝罪しろ!
「おもしろいお兄ちゃん達でしょ?」
「………………」
「どんな遊びが好き? お兄ちゃんたちと遊ぼうか?」
「………………」
「今からご飯だからいっぱい食べてね?」
「………………」
――僕たちは女の子にいろいろ話し掛けたが、返事は返してもらえなかった…… 困ったモンだなぁと頭を抱えていた時、突如、この世紀末に救世主が現れた!
――ここから、救世主伝説が始まる……
「ひめさま~ ごはん、できたからよんできてっていわれた」
「しゅく…… がいかいがはじいまるよっていってた」
全体は人間だけど、頭に猫耳を着け、追加で尻尾まで着けた小さなコスプレ幼女の二人が僕たちを呼びに来てくれた。
「アニーちゃん、サリーちゃん、二人で教えに来てくれたのね。ありがとう。今、行くからね」
エリスは、小さなコスプレ幼女アニーちゃん&サリーちゃんの二人にお礼を伝えていたら、二人はエリスの後ろに隠れている女の子を発見し近づいた。
「わたしアニー」
「わたしはサリー」
「あなたはだれ?」
「………………」
「おなまえないの?」
「………………」
「いっしょにごはんたべよ」
「………………」
「お母さんが作ってくれたごはんおいしいからみんなでたべよ!」
二人はそう言って、嫌がる女の子の両腕を引っ張り強引に連れて行ってしまった……
「エリス、これで良いのかな?」
「同じくらいの女の子同士だから大丈夫だと思う……」
「あの子は一体?」
「――今朝、話してた、魔力を持った人間が魔境の森に迷い込んだって…… お母様たちが保護したのが、あの子よ…… お母様たちもあの子の事を心配して、少しでも元気になれればと思って祝賀会に連れて行きたのよ」
「――!? あんな小さな子が一人で魔境の森に来たって事?」
「魔法が使えるとはいえ、あんな小さな子が一人で魔境の森へ来るのは難しいと思う。一言も話してくれないから何とも言えないけど、多分、親から捨てられたんじゃないかと思う……」
「――!? あんな小さな子を捨てる……」
「悲しいけど、これが、現実なのよ…… 魔法はまだ、禁忌されているわ。子供が自分たちの前で魔法を使ったら親はどう思う?」
「どう思うって?……」
「もし、自分の子供が魔法を使えるって世間に知れたら、子供も親も迫害させ住むところも、働く場所も自分の人生、夢までもすべて奪われるわ。そうなる前に元凶である子供を捨てるのよ……」
「………………………………」
「あの子から話しを聞いてみないとわからないけど、私は…… もう…… こんな子が増えてほしくない……」
「エリス、僕も君と同じ気持ちだよ。僕は、魔法が使えるとか、使えないとか関係ない! 魔物のみんなも差別や迫害がない世の中にしたい! エリス、僕に協力してくれるかい?」
「ええ、シュウ君、あなたをずっと支えていくわ。それに、エリス・フォンティーヌ様の願いでもあるから」
「ありがとう。必ず実現させて見せるよ! さぁ、僕たちもみんなのところへ行こう」
「うん!」
――祝賀会が行われる大広場へと僕たちは急いだ。
◇
「みんなー、やっと姫様たちが来たよー!」
大きな声で、リンリンさんが僕たちが来たことをみんなに伝えた。
「シュウ、何やってたんだ! こっちは飲まずに待ってたんだぞ! 早くこっちに来い!」
「ごめん。サムソンさん、待たせちゃって」
「なーに、気にするな! 今日は姫様とお前が主役だからな。今夜は楽しくやろうぜ!」
「うん。ありがとう」
僕とエリスはあの女の子が心配で周りを見渡したが、なんとアニーちゃんとサリーちゃんの間に挟まれ、たのしそうにおしゃべりしてるじゃぁあーりませんか!? 子供たちのコミュニケーションの凄さをまざまざと見せられた!
――ビアンカさんが祝賀会の開始を告げた。
「みんなー、今日はお疲れさまー! じゃ、祝賀会はじめるよー! みんなコップ持ってる? 持っていない人はいないよねー!」
「んじゃ、乾杯の音頭は…… シュウさん!」
「ハァ!?」
「シュウさん前に出ておいで!」
「マジで!? 一応、僕は主役じゃないの?」
「良いから 良いから おいで!」
「ハァ」
「シュウさんお願い」
僕は、コップを胸のあたりに持ち、
「みなさん、今日はお疲れ様でした! 私は、フロンシニアス王国から参りました。ロッシュウ・ニオ・アルパトスです。シュウと呼んでください。 急な異世界ハルタン夏場所の開幕となり、みなさんにはご迷惑をおかけしたと思いますが、とても楽しかったです。ありがとうござ……」
「あいさつがなげーぞ!」
「Boo Boo」
「早く飲ませろ」
――会場からブーイングが起きた! げせぬ!
「じゃ、短く! 乾杯!」
僕は高らかにコップを掲げた!
「「「「「「乾杯!」」」」」」
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