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第78話 大狂乱!サイドチェスト祭!1

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ついに来ました! 恒例のサイトチェスト祭! 二号生のみんなは、一号生の時から血の出る思いで励んできた筋トレも見事な筋肉マッチョチョに開花させた……

僕はというと、エリスに筋肉マッチョマン禁止令が発令され、みんながプロテインを飲んで、狂筋肉ゴリマッチョチョになろうとしている時、僕はみんなの姿を見て指をくわえることしか出来なかった……
あたい、くやしい…… と涙する『シュウ』です。



そんなわけで、やったるでぇ! サイトチェスト祭!

名物!インインチョは三号生に譲り、二号生は、新しい試みとして、演武『戯灼羅餓ギャラガ』をすることになった! 基本的には、インインチョと似ているが、違うところは…… 是非、本番で確かめて欲しい!


『ドーン!  ドーン!』

大砲の空砲が鳴り響く、いよいよサイドチェスト祭がはじまった!


「私がトレスベン学院・学院長、ポウジン・グランドである! 生徒諸君の日頃の鍛錬をこの場にさらすがよい! 特に三号生にとって最後のサイドチェスト祭だ! 
思う存分、気張れよ! 来賓の方々や親御さんに立派な紳士淑女ボディービルダーになった姿を晒すのだぞ! 以上だ!」


――あれ? 学院長の言葉が前にも聞いたような記憶が…… デジャブか!?


サイトチェスト祭のトップバッターは、一号生の組体操だった!


――一号生は、まだまだ筋肉が青いな。もう少し経験を積んだ方がいいな。などと評論家のように振る舞っているが、僕には悲しいかな、筋肉マッチョが足りない。筋肉マッチョマン禁止令が出ているから仕方がない…… あくまでも自称筋肉マッチョチョ評論家なのだ! 


やって来たぜ! 僕たちの出番だ!

グランド中央に横一列等間隔を空け6名が『フロントダブルバイセップス』のポージングをキメて並ぶ。ミュージックスタート!

『ピュン ピュン ビプ ビプ ピュン ピュン ビプ ビプ  ピューン ピューン ピュン ピュン ビプ ビプ』


軽快なミュージック乗り、右に1歩、移動するとポーズを『フロントラットスプレッド』に変え、もう1歩右側に移動するとフロントダブルバイセップスのポージングに戻る。1歩右側に進むたびに、繰り返し5歩目で前に1歩進める。そして、左前へ10歩、前に1歩、右側に10歩、前に1歩をポージングを交互に変えながら移動した。


軽快なミュージックに合わせ、右側から新たな縦一列の6名が一周、円弧を描きながら走って入場する。そして、中央にいた6名の後ろに横一列に並ぶ。 しばらくすると、今度は左側から新たな縦一列の6名が一周、円弧を描きながら右側から来た6名の後ろに横一列に並んだ。
そして、右側から新たな6名が先ほどと同じ様にして横一列に並ぶ、さらに、左側からも同じ様にして横一列に並ぶ。


最後に最恐聖女のマリーが一人右側から登場し、蝶が舞う優雅さを備えながら、また、カブトムシが空を羽ばたくかのように力強く、一番後方センター並ぶ。

これぞ! 総勢31名の戯灼羅餓ギャラガの始まりである!


筋肉マッチョチョたちは、徐々に観客に近く、今回はレイニーを対象にしていない。あくまでも昨年の三号生たちの味わった雪辱を晴らすべく、今年の三号生の為に


戯灼羅餓ギャラガの方と言えば、後ろの列に並んでいた、サプリとダンベルが列から離れ、『ピュー』と叫びながら他国からの来客がいる観客席へと飛び込んだ!



そして、筋肉量の少ない人ガリガリヒンジャクを見つけると有無を云わさず、マリーの両隣に拉致さんかさせられた! 


拉致さんかさせられた観客は僕たちと同じ動作を強制的に行わせた。

観客からは僕たち二号生に対する筋肉マッチョチョへの称賛の掛け声と拉致さんかした観客に対しての心のこもった温かな大爆笑と拉致さんかさせられたことへの称賛の大拍手がグランド中に鳴り響いた!

今年の二号生の出し物はアイデアと筋肉マッチョチョの相乗効果で大成功に終わった……

僕らはグランドを後にし、校舎の裏で大成功の感激と感動で皆、涙を流していた。僕も筋肉少なめチョイマッチョだが、感激と感動で涙が溢れた…… 

エリスを見ると何故だか、白目になってこちらを見ていた…… どうしたんだ? エリス……




二号生の出し物も終わり大トリである。三号生の登場だ! 女子生徒はビキニ、男子生徒はTバックのビキニパンツ。紳士淑女ボディービルダーの嗜みです。男子生徒の…… 下ネタ厳禁なので、これ以上は語るまい……

昨年の先輩たちキンニクマシマシの雪辱を晴らさんと三号生たちが、打倒!レイニーに燃えている! 特にアガシ先輩は、入念に斬捨て御免刀の手入れをされております。端から見たら相当気合いヤベーヤロウが入っています。どうする?レイニー!


昨年同様に三号生が整列し、今か今かとミュージックが流れるのを待ち焦がれる三号生!

今年のインインチョは何かが違います! そうです! 観客席にいるレイニーの周りには誰もいません。昨年の暴挙が皆さん方の記憶に刻まれてトラウマいるのか、皆さんはすでに避難されております。

そして、刻々と迫る開始時間。緊張がピークに達し、吐き気がします……

三号生が整列している最後方センターにはアガシ先輩が斬捨て御免刀を携え仁王立ちしている。筋肉ハガネのマッチョマンという鎧に身を包み仁王立ちしている姿は、まさに鬼! しかも紳士の嗜みである、ビキニパンツとネクタイはトラ柄! 背中には筋肉で描かれた鬼の顔! どこからどう見ても鬼そのもの! 地上最強のヤベーヤロウ、それがゴッシィー・アガシというおとこなのだ!


緊張の中、ついにあのハイテンション爆上がりのミュージックが流れた!


『デ、テ、デ、テ、デ、テ、デ、テ、パギューン! パギューン! デ、テ、デ、テ、デ、テ、デ、テ、パギューン! パギューン! デ、テ、デ、テ……』


三号生が向かうはレイニー、ただ一人!

一歩ずつレイニーに迫る三号生! それを迎え撃つであろうレイニー! その時、僕はエリスと他愛もないおしゃべりをしていた……




軽快なミュージックのテンポか上がり、三号生たちの動きも早くなった! そして、観客席から


「背中にQRコード!」
「胸がケツ!」
「米軍から盗んだロケット、足に仕込んどるんかい!」
「腹筋板チョコ!」
「上腕二頭筋ナイス! チョモランマ!」
「逆ガリガリ!」
「腹斜筋で大根下ろしたい!」
「プロテイン飲んだシルバニアファミリーか!」
「ケツのキレがバームクーヘン!」
「筋肉の徳が高すぎる!前世で国でも救ったんか!」
「海物語のサム出てきたって事は、確変かい!」
「前世は手榴弾ですか?」
「背中ユーラシア大陸!」
「腹筋がカニの裏!」
「背中がカブトムシの腹みたい!」
「お腰につけたプロテイン1つ私に下さいな!」
「ふんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! や、やっぱり、こっちに来やがった!!」
「スキニージーンズに謝れ!」
「『いきなり筋肉』焼き加減はウィルダンでお願いします!」
「背中に羽がついている!」
「腹筋、ちぎりパン!」
「筋肉の前方後円墳か!」
「胸がはち切れそうだ!」
「もはや説明不要!」


など称賛とこれから起こる惨劇を期待しての声援が飛び交う。悲鳴に似たものも聞こえたように感じたが、きっと空耳だろう……



はじめは筋肉マッチョマシマシに怯え震えていたレイニーだが……

「一度ならまだしも二度目とは、どういう了見じゃい! 三号生ぶっ壊す! 今度は絶対にころ〇!」

ついに邪悪の根源レイニーが動き出す!
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