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第187話 第三王子は闇の底に墜ちる!
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無職の恐ろしさを僕よりも年下の子に教えてもらうとは情けない…… でも無職には希望もあることも僕は知っている。『無職は滅びぬ! 何度でも蘇るさ! 無職こそ人類の夢だからだ!!』な、なんて素敵な言葉なんだ! 夢も希望も詰まっている『無職』! 最高だと思う『シュウ』です。
「シュウ君の話しは大体わかったわ。お疲れ様、明日も一人で頑張ってね」
「……………………」
――お母上様。その言葉、死者に鞭を打つ行為だとお気付きになりませんか?
「ハルタンの店の方はどうでしたか?」
「大盛況よ! ウツボさんが低所得者の人にも補助金出してくれたからたくさんの人が来店したわよ」
「そうでしたか。ウツボ様、補助金の件ありがとうございました」
「なに、我が民のことを思えばこそ、何でも出来るというものだ」
「では、工事の方はいつから始まるのですか?」
「それなんだがな……」
マリーパパは難しい顔になった。
「取り付け工事自体はすぐに始めれるけど、私は魔物さんたちやハルタンについてはもう少し認識を深めてからが良いんじゃないかって思っているのよ」
「お母上様……」
「お前、何か良いアイデアを持っていないのか?」
マリーパパが僕の顔を見た。
「あっ!? それなら良い方法がありますよ」
「なんだ言ってみろ」
「水スライム検定です。検定の内容をランク別にするんです。名前は何でも良いんですけど、例えば検定5級は基本的な知識、4級なら5級より難しい知識を必要とします。最後は1級で、これは魔物、ハルタンの知識の最高峰である水スライムマスターの称号を与えるんです。5級に合格したものから照明器具取り付け工事を始めます。そして、級を合格する度に水洗トイレ、銭湯風風呂場の取り付け資格を得て行く感じです」
「「「……………………」」」
僕の提案にみんなは黙り込んでしまった。
「あれっ!? どうかしました?」
「――あ、あのシュウがまともな事を言ってるぞ」
「一体何があったというのだ! リンゴの食べ過ぎか?」
「私、恐い……」
「闇堕ちでもしたのかしら…… 可哀想に……」
「シュウ兄様が…… 変になっちゃった!」
「シュウさん、頭おかしい…… 脳ミソの代わりに赤と白の合わせ味噌でも入れたのかしら……」
「穢れ」
「おいおい、熱でもあるのか? 治癒魔法でも掛けてやろうか?」
「世界の終末でも迫ってるのかしら」
「ダメだこりゃ~ シュウがぶっ壊れやがった」
「みなさんお待ちください!」
レイニーが皆様の罵倒を止めた。
「今のロッシュウ様は病気なのです!」
「「「――病気?」」」
「そうです! 王妃様から秘密にするよう申し付けられていたのですが…… 不治の病なのだと…… もう医師の判断ではもう助かる見込みは無いとのこと…… まだ、お若いのに…… 嘆かわしことです…… ウルウル」
――僕もその事実は知らなかったよ……
「レイニー殿。それはまことか?」
「ウツボ様、本当のことでございます」
「「「……………………」」」
「それで、どんな病気なんだ?」
マリーパパがレイニーに尋ねた。
「お馬鹿性社会不適合者てす。もう手遅れだそうです。シクシク」
「僕は社会不適合者じゃねぇーよ!!」
「本人は否定しておりますが、自覚症状が無いのです。お痛わしい……」
「レイニー!? そうなの?」
「さっきからそう言ってるじゃないですかっ!!」
レイニーがぶちギレた!
「マジかぁ? ガチなのか!? 僕はこれからどうなるだ! レイニー答えてくれ!」
「症状が進みますと……」
「症状が進むと……」
「社会から孤立し、ニート&無職になります!」
「えっ!? ぼ、僕がニート&無職に?」
「そうです。最後には自宅警備員就職出来ますが、社会的には微妙な職業です」
「――わ~い! アイリスちゃん、僕たち仲間だね! これから仲良くしていこう!」
「いやです。私はシュウさんの仲間じゃありません! それに私はもう自宅警備員じゃありません! シュウさんとは全く全然違います!! 勘違いも程々にしてください!!」
「えっ!? どうしてアイリスちゃんは僕を裏切るの? 同じ王族だし共通点もたくさんあるよね! アイリスちゃん、僕と一緒に闇の中の闇に堕ちてみようよ! ゲフゲフ」
「わーん!! お父様ー!! シュウさんが私の事を仲間って言うんですよ! お父様! 私は闇に堕ちたくありません! これ以上は穢れてしまいます! アイリスは穢れてしまいましたー!」
アイリスちゃんはウツボ様のところへ逃げて行った……
「シュウが、ガチの闇堕ちをしてしまった……」
レイニーが止めの一言、
「もはや救いようがありません。社会不適合者の末路とは恐ろしいものですね」
『ドスンッ!』
『ガクッ』
僕のみぞおちにエリスの改心の一撃が炸裂した……
「――レイニーさん。闇をさらに闇の底に堕とすのは慎重に」
「……………………」
そうして、僕の意識は本当の闇に堕ちて行った……
「シュウ君の話しは大体わかったわ。お疲れ様、明日も一人で頑張ってね」
「……………………」
――お母上様。その言葉、死者に鞭を打つ行為だとお気付きになりませんか?
「ハルタンの店の方はどうでしたか?」
「大盛況よ! ウツボさんが低所得者の人にも補助金出してくれたからたくさんの人が来店したわよ」
「そうでしたか。ウツボ様、補助金の件ありがとうございました」
「なに、我が民のことを思えばこそ、何でも出来るというものだ」
「では、工事の方はいつから始まるのですか?」
「それなんだがな……」
マリーパパは難しい顔になった。
「取り付け工事自体はすぐに始めれるけど、私は魔物さんたちやハルタンについてはもう少し認識を深めてからが良いんじゃないかって思っているのよ」
「お母上様……」
「お前、何か良いアイデアを持っていないのか?」
マリーパパが僕の顔を見た。
「あっ!? それなら良い方法がありますよ」
「なんだ言ってみろ」
「水スライム検定です。検定の内容をランク別にするんです。名前は何でも良いんですけど、例えば検定5級は基本的な知識、4級なら5級より難しい知識を必要とします。最後は1級で、これは魔物、ハルタンの知識の最高峰である水スライムマスターの称号を与えるんです。5級に合格したものから照明器具取り付け工事を始めます。そして、級を合格する度に水洗トイレ、銭湯風風呂場の取り付け資格を得て行く感じです」
「「「……………………」」」
僕の提案にみんなは黙り込んでしまった。
「あれっ!? どうかしました?」
「――あ、あのシュウがまともな事を言ってるぞ」
「一体何があったというのだ! リンゴの食べ過ぎか?」
「私、恐い……」
「闇堕ちでもしたのかしら…… 可哀想に……」
「シュウ兄様が…… 変になっちゃった!」
「シュウさん、頭おかしい…… 脳ミソの代わりに赤と白の合わせ味噌でも入れたのかしら……」
「穢れ」
「おいおい、熱でもあるのか? 治癒魔法でも掛けてやろうか?」
「世界の終末でも迫ってるのかしら」
「ダメだこりゃ~ シュウがぶっ壊れやがった」
「みなさんお待ちください!」
レイニーが皆様の罵倒を止めた。
「今のロッシュウ様は病気なのです!」
「「「――病気?」」」
「そうです! 王妃様から秘密にするよう申し付けられていたのですが…… 不治の病なのだと…… もう医師の判断ではもう助かる見込みは無いとのこと…… まだ、お若いのに…… 嘆かわしことです…… ウルウル」
――僕もその事実は知らなかったよ……
「レイニー殿。それはまことか?」
「ウツボ様、本当のことでございます」
「「「……………………」」」
「それで、どんな病気なんだ?」
マリーパパがレイニーに尋ねた。
「お馬鹿性社会不適合者てす。もう手遅れだそうです。シクシク」
「僕は社会不適合者じゃねぇーよ!!」
「本人は否定しておりますが、自覚症状が無いのです。お痛わしい……」
「レイニー!? そうなの?」
「さっきからそう言ってるじゃないですかっ!!」
レイニーがぶちギレた!
「マジかぁ? ガチなのか!? 僕はこれからどうなるだ! レイニー答えてくれ!」
「症状が進みますと……」
「症状が進むと……」
「社会から孤立し、ニート&無職になります!」
「えっ!? ぼ、僕がニート&無職に?」
「そうです。最後には自宅警備員就職出来ますが、社会的には微妙な職業です」
「――わ~い! アイリスちゃん、僕たち仲間だね! これから仲良くしていこう!」
「いやです。私はシュウさんの仲間じゃありません! それに私はもう自宅警備員じゃありません! シュウさんとは全く全然違います!! 勘違いも程々にしてください!!」
「えっ!? どうしてアイリスちゃんは僕を裏切るの? 同じ王族だし共通点もたくさんあるよね! アイリスちゃん、僕と一緒に闇の中の闇に堕ちてみようよ! ゲフゲフ」
「わーん!! お父様ー!! シュウさんが私の事を仲間って言うんですよ! お父様! 私は闇に堕ちたくありません! これ以上は穢れてしまいます! アイリスは穢れてしまいましたー!」
アイリスちゃんはウツボ様のところへ逃げて行った……
「シュウが、ガチの闇堕ちをしてしまった……」
レイニーが止めの一言、
「もはや救いようがありません。社会不適合者の末路とは恐ろしいものですね」
『ドスンッ!』
『ガクッ』
僕のみぞおちにエリスの改心の一撃が炸裂した……
「――レイニーさん。闇をさらに闇の底に堕とすのは慎重に」
「……………………」
そうして、僕の意識は本当の闇に堕ちて行った……
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