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序 こんな肉体に誰がした
だが男だ(男ではない) ★
しおりを挟む魔王────
勇者である自分が邂逅したらただでは済まないと思っていたが、さすがにこれはどうかと思う。
出会い頭、いきなり目の前に突き出されたのは剣でも杖でもなく、魔王の男根だった。
頭がおかしい。現実から逃げたい。
正直今まで生きてきてこんな至近距離でこのサイズのフル勃起を見たことがなかった。サイズの問題ではない。日常生活でいきなり勃起した下半身を露出してくる奴は変質者以外の何者でもない。
ほぼ初対面の相手とのコミュニケーション手段としては最悪だ。ナニを考えてるにしてもろくな奴ではない。
「どうした? 勇者よ。余のダインスレイヴに臆したか……」
「いやいやいやいや」
バリトンボイスで魔王が囁く。漆黒の君だとか宵闇の王だとか様々な2つ名があるらしいが本名は不明だ。美形で有名と聞くが、何がダインスレイヴだ、自分の性器に名前をつけるな。こいつ、ただの変態だ。
状況的には出会って5分で魔王に組み敷かれるという絶体絶命なのだが、危機を感じるのは命ではなく貞操である。
死ぬのは嫌だがそれも嫌だ。いくら魔王が淫魔の王だの元ダークエルフの貴族だの噂される超イケメンだろうと、そんなホイホイくれてやれるものでは無い。
「よく見ればただの若い娘だ。余が恐ろしいのもわかるが。さあ、楽しませよ」
「っ!」
乳房を乱雑に掴んだ──と思った瞬間、想像以上にゆっくりと柔らかい手つきで揉みしだかれて悪寒が走る。ぞわぞわと何かが走る感覚が何故かむず痒い。
気持ち悪い。男にこんな事をされるのは想定外だ。
「もしや生娘か、勇者……」
魔王が妖しく微笑む。生娘……厳密に言えばそうかもしれない、がそういうことじゃない、それどころではない。
確かに生娘と言えば生娘だが、問題はそこではない。普通こんな状況で怯えない奴がいるだろうか?
普通に気持ち悪い。魔王の顔は別に趣味ではない。
「フン、弱々しい抵抗だ」
「や、やめ……んっ」
上擦った声しか出ない。押しても引いてもびくともしない魔王の体躯に、なぜこの肉体で戦いを挑もうと思ったのか後悔した。魔王の指はひんやりとしているが、時折かかる息は熱い。
「んっ……離せ……んんっ……」
そして執拗に乳房を弄ばれているだけなのに、時間が経つにつれ何故か脚を擦り合わせてしまう。頬が熱いのがわかる。おかしい。気持ち悪いのではなかったか。これでは気持ちい……
「ひぁっ」
先端に電流が走る。脳まで痺れそうな、感じたことの無い感覚だった。ひょっとしたら何かの魔法なのかもしれない。
だって、僅かな力で乳首を摘まれるだけでこうなるものか?
「ひっ……ひぁ……んん、それ、ひっ……嫌だ……!」
おかしい。そう思っても、魔王の指にあわせて小刻みに身体が跳ねる。
このまま身を委ねてみたい、と一瞬よぎる。一瞬というか、心のどこかでずっとそう叫んでいる。おかしい。おかしいおかしい。身体のどこかが疼いている。
「んっ……んぁっ……んぅ……っ!?」
漏れ出ている声に動揺してしまう。
これが自分の声なのか。こんな、高くて、こんな、いやらしい──いや、駄目だ。簡単に籠絡されてはいけない。
「やっ……んっ……やぁっ♡……だめぇ♡」
使命を思い出すんだ。
勇者としての使命を。
《俺》は──渾身の力をこめて叫んだ。
「やっやめろぉ♡ 俺はこう見えておっさんなんだ!!!!」
そう、美少女勇者ことアデリア・マンチーニは、元おっさんなのである──
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