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序 こんな肉体に誰がした
目が覚めたら(やっぱり)女勇者だった件について
しおりを挟む『勇者様へ♡
あなたに従者をお付けします。彼らは私の祝福を授けただけの生身の人間ですが、これからの戦いでお役に立つはずです。彼らは旅先で天啓を得て勇者様と同行しているものと認識しております。何かあれば夜におひとりで天に向かってお声がけ下さい。旅の無事をお祈り致しております。
かしこ』
……多少わかったことがある。蟹女はわりと字が下手だ。あいつ、最後まで名乗らなかったな。
目が覚めたらどこかの家のベッドで、枕元に手紙があった。どこからどこまでが夢だったのだろうかとか、まだ夢だと思いたいのだが、そろそろ受け容れるべきだろうか?
というかここは異世界らしいのに手紙の字が読める俺は何なのだろう。
女神の綴る言語は明らかに日本語でも英語でもなければはるか昔第二外語だった中国語でもないが、何故か辞書ひとつひかずにスラスラ読めた。書けと言われたら名前すら怪しいが。
「勇者様? どしたんですか、その手紙」
さて。
問題はこの巨乳だ。巨大な乳の女であること以外何もわからない。この世界の女というのは露出に対する抵抗が無いのか、溢れんばかりの乳と谷間を惜しげも無く披露している。
まあ俺自身もわりと布地の面積が少ない気がしないでもない。ひょっとしたら蟹女の制作上の都合か趣味かもしれない。あの女もほぼほぼ半裸だった。
「勇者様ぁ?」
この巨乳、俺を勇者様と呼んでる以上は女の手紙にある『従者』であることを祈るしかなかった。誰だお前、あとここはどこだ。
「あ、ええと……」
駄目だ。何も浮かばない。
そもそも俺は特にする事がないから勉強ばかりしていて、結果勉強しか出来なかったので勉強を教えて金を貰っているだけの他に出来ることがろくに無いおっさんなのだ。
そういえばチート能力とかを貰えるんじゃないのか? この可愛さがチート級?
……恥ずかしくなってきた。
そして異世界で勇者をやれと言われても従者との初対面すらどうしていいのかわからなかった。やはり新人をいきなり現場に出してはいけない。
「どしたんです? 昨日食らった魔法の影響ですかね? 派手にふっ飛んでたしなー」
巨乳が覗き込んで額に手を当ててくる。指が柔らかい。
蟹女といい女の子同士というのはこんなに距離が近いものなのだろうか。けしからん。
魔法……魔法か。
「あ……ああ、そう、そうだと思う。あの……目が覚めたら何もわからなくなっちゃったんだ。君はだれ?」
ほぼほぼ嘘ではない。口調を女性的にするか悩んだが、咄嗟に出来ることではなかったわよ。
「ええー。変だと思ったら記憶喪失ですか。あはっ」
……この巨乳、本当に従者なんだろうか。
乳ばかり見ていたがよく見ると片方だけの眼鏡のようなものをかけている。モノクルか。あまり現代日本では見ないものだ。
切れ長の瞳がどこか動物的だ。正直この手の顔は嫌いじゃない。スレンダー巨乳というのも悪くない。尻派ではあるが全てのおっぱいは良いものだ。
「私はあれです、魔女なので名前は元々教えていません。禁忌ですネ」
「魔女……」
「あ、ご存知ない? まあ、名前をつけることは禁じられてないんでハニーとかてきとーに呼んで下さいネ☆」
とりあえず魔女がいるという事はわかった。問題は結局何にもわからん事だ。
……ハニー?
「ええと……」
「あ、勇者様は勇者様です。そこは大丈夫ですか」
「たぶん」
「多分! 多分かー。まあ自分が自分かどうかなんて分からないですね、形而上学的ですね。あはっ。でも勇者様はとりあえず勇者様です。私達は魔王を倒すために旅をしています。あと一人従者がいます。ここは宿屋です。でも勇者様、もっと大事なことがあるんです」
「え、なんだろ」
蟹女がのんびりした口調だったのと対照的によく喋るな、などとのんびり眺めていたら巨乳魔女がぐいっと近づいてきて言った。
「私達は、恋人同士なんですー!」
ぎゅむ。巨乳魔女が抱きついてきた。乳のボリュームがすごい。
「アデリア様……んっ、むちゅ」
むちゅ。
俺の頭を両腕で抱え込んだと思ったら、そのまま口付けられた。いやいやいや恋人って俺か!?
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