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蜃気楼。ー霞。ー
しおりを挟むそんな……そんな……
私たちの守ってきた社が!!
あぁ……あああぁぁぁあぁぁぁあ………!!!
『___』様……『あの方』は………!!
まだご無事でいてください……………!
『蜃気楼』を探さねば………ぁ?
叫んで、手を伸ばして、泣いていた人の姿がおそらくはあっただろう。
神主か権禰宜か。
恋い慕っていたか、配偶者か。
ともかく、社を管理していたその中の一人が死亡した。
間を置かずに、管理者が次々と倒れて行ってその場に残ったのは。
『黒檀の如き鱗を持つ人の姿。”
「見たものは、魔物であろうと妖であろうと、まず例外なく生きて帰れない。』
[それでも生きて帰ろうとするのならば。〉
『言うなれば、それは遺跡の下に埋まる湖畔。』
〈或いは、深海の堰月〉
はたまた、別名だか別称が複数あるのだろう。
『外郎ー、外郎ー、外郎……外郎はいかが?この素晴らしきものこそ、聞いてみるといいよー。』
『べっぴんさんには甘い夢を。』
『御座にはいい物語を。』
『汝には甘味を。』
『童には匂いを。』
『それは魔神達の寵愛を賜る『仔』の一人で、祀られている神の一柱。」
『千古の昔より、安寧の座とは程遠く。』
『縁近く、炎に囲まれた虚無の座に御座る。』
『それ即ち……!』
『外郎売。ー本性。ー』
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