4 / 33
ツヨシくん編
炊飯器
しおりを挟む
どうも、愛妻家のツヨシです。
さて、ある日の掃除中の事です。
整理整頓が好きなトモカちゃんは、休日ともなると掃除や片付けに追われます。
彼女曰く、物が多いそうです。
僕から見ればスッキリした部屋でも、トモカちゃんスコープで見ると、全然なっていないそうで、例えるなら、三年くらい閉店セールをし続けている店くらいでしょうか?
もしくは、拉麺やスパゲッティまでメニューにある蕎麦屋レベルなのかも知れません。
さて、僕も手伝い、一通りの整理がつきました。次は収納です。
その時、トモカちゃんが僕に聞いてきました。
「クローゼット、何入れる?」
さて、困りました。愛妻家の僕としては、どんな答えが良いのでしょう?
まず、トモカちゃんがどんな答えを期待しているのかが気になります。
何時の世も、相手のニーズに応える事が、良き夫の条件です。
鬼嫁には気弱な夫ですし、浪費家には倹約家、天然には養殖? いや、これは関係ありませんでした。
僕は、ここは受けを狙うべきだと判断します。
「夫とか……」
これは失敗です。トモカちゃんが怪訝な顔をしています。マジで心配している様子が、心臓を抉ります。
錯乱したと思っているのでしょうか? 相手に心配を掛けるようでは、受け狙いを外しています。
ドン引き大賞決定です。
僕が困っていると、トモカちゃんがウフフと笑います。
どうやら、トモカちゃんにからかわれたようです。
僕の三手先を行くのが、トモカちゃんです。
ところで、僕たちは物持ちが良いです。
もう、汚れた縫いぐるみを離さない幼児に匹敵します。
使用している炊飯器も、僕が東北地方の理系の大学に通っている頃の物で、今は亡きサンヨーの白家電です。
まぁ、白家電と言っても色は黒になります。
それは、黒い筆記用具で書いても赤字だと言われる経理簿と、似た構図かも知れません。
最近、炊飯器の調子が悪く、あまりご飯が美味しく炊けないとの事です。
つまり、老朽化したと言う事でしょう。トモカちゃんの腕前は関係ありません。
僕たちは、過去と現在を検証して、買い替えと言う未来を導きます。
僕は理論的な言い方を好みますが、トモカちゃんからすれば、「寿命ですね」と、なります。
かくして、僕が大学一年の頃から所持しているサンヨー製の炊飯器の役目が終わりました。
そして後任は三菱製のIH炊飯器となります。
明らかにご飯が美味しくなり、トモカちゃんはウフフと笑い、二人の幸せが増えましたとさ。
まぁ、僕は彼女の作った物なら、全てパーフェクトだけどね。
さて、ある日の掃除中の事です。
整理整頓が好きなトモカちゃんは、休日ともなると掃除や片付けに追われます。
彼女曰く、物が多いそうです。
僕から見ればスッキリした部屋でも、トモカちゃんスコープで見ると、全然なっていないそうで、例えるなら、三年くらい閉店セールをし続けている店くらいでしょうか?
もしくは、拉麺やスパゲッティまでメニューにある蕎麦屋レベルなのかも知れません。
さて、僕も手伝い、一通りの整理がつきました。次は収納です。
その時、トモカちゃんが僕に聞いてきました。
「クローゼット、何入れる?」
さて、困りました。愛妻家の僕としては、どんな答えが良いのでしょう?
まず、トモカちゃんがどんな答えを期待しているのかが気になります。
何時の世も、相手のニーズに応える事が、良き夫の条件です。
鬼嫁には気弱な夫ですし、浪費家には倹約家、天然には養殖? いや、これは関係ありませんでした。
僕は、ここは受けを狙うべきだと判断します。
「夫とか……」
これは失敗です。トモカちゃんが怪訝な顔をしています。マジで心配している様子が、心臓を抉ります。
錯乱したと思っているのでしょうか? 相手に心配を掛けるようでは、受け狙いを外しています。
ドン引き大賞決定です。
僕が困っていると、トモカちゃんがウフフと笑います。
どうやら、トモカちゃんにからかわれたようです。
僕の三手先を行くのが、トモカちゃんです。
ところで、僕たちは物持ちが良いです。
もう、汚れた縫いぐるみを離さない幼児に匹敵します。
使用している炊飯器も、僕が東北地方の理系の大学に通っている頃の物で、今は亡きサンヨーの白家電です。
まぁ、白家電と言っても色は黒になります。
それは、黒い筆記用具で書いても赤字だと言われる経理簿と、似た構図かも知れません。
最近、炊飯器の調子が悪く、あまりご飯が美味しく炊けないとの事です。
つまり、老朽化したと言う事でしょう。トモカちゃんの腕前は関係ありません。
僕たちは、過去と現在を検証して、買い替えと言う未来を導きます。
僕は理論的な言い方を好みますが、トモカちゃんからすれば、「寿命ですね」と、なります。
かくして、僕が大学一年の頃から所持しているサンヨー製の炊飯器の役目が終わりました。
そして後任は三菱製のIH炊飯器となります。
明らかにご飯が美味しくなり、トモカちゃんはウフフと笑い、二人の幸せが増えましたとさ。
まぁ、僕は彼女の作った物なら、全てパーフェクトだけどね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
今さらやり直しは出来ません
mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。
落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。
そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる