18 / 33
ツヨシくん編
ブラック桃太郎
しおりを挟む
こんばんは、愛妻家のツヨシです。
僕は、東北地方の理系の大学を卒業してから、機械を検査する機械を検査する機械を設計しています。
設計通りに作動するか検査する機械も必要なため、なかなかカオスな展開です。
ターミネーターと言う映画で、機械が機械を造る設定に似ているのでは? などと密かに思っています。
つまり、僕はスカイネットに近付いているのでしょうか?
そんな妄想はさて置き、最近は仕事が忙しく、愛しいトモカちゃんとのスキンシップも儘ならない状況です。
残業も多いので、
「もしやブラック企業?」
などと疑惑を持ちますが、ニュースで他社の過酷な実態を観る度に、わが社は大丈夫と安心します。
僕はおめで……。いや、素直なんでしょうか?
僕が知っているブラックと呼べる物は、あの話しかありません。
日本に古来から伝わる残酷物語、桃太郎です。
昨今、大手企業の過労死事件で、労働者の立場が見直され、国会が紛糾するご時世です。
桃太郎の物語は、川で拾われた捨て子が、猿、犬、雉に鬼退治をさせる話です。
つまり、僕が妄想する桃太郎は、こんな感じです。
雉子は、苛酷な労働条件に鳴いていた。
契約では、吉備団子が毎日支給される事になっており、約束は実行されていたが、細かい点を決めていなかったので、1日に1個しか貰えなかった。
労使交渉のイロハを知らぬ彼女にも問題があったが、人情としては、朝、昼、晩の三食を期待していた。
全て、桃太郎の良心を信じた彼女が浅はかだった。
彼女の他にも騙された犠牲者が居て、犬尾と猿子だった。
特に消耗が激しいのは、体の大きい犬尾だった。
脱水症状なのか? 何時も大きな舌を垂らして、ハーハーと苦しそうだが、桃太郎は見てみぬ振りを決め込んでいた。
桃太郎のお供となった三人は、
「ちょっと鬼ヶ島まで」のちょっとの部分に騙された。
鬼ヶ島の正確な位置を知らなかったので、果てしなく歩かされる破目になる。
「もう帰りたい」
と言えば、
「お前は一度始めた事を投げ出すのか!」
と、まるで○造みたいな勢いで怒鳴られ、泣きたくなるほど根性論を説かれるので、仕方なく、また歩き出してしまう。
また、一度は脱走を試みるが、連れ戻されてしまう。
そして、桃太郎は、根性論では通じなくなったと感じたらしく、今度は使命感に訴えかけようとする。
鬼が如何に悪逆非道な連中なのかを訴え、自分たちの使命が如何に崇高で尊い物なのかを諭し、雉子、猿子、犬尾には、民衆から与えられる感謝を全て受ける事ができ、自分は鬼ヶ島の財宝だけでいい。と、説得する。
もう、考える事に疲れた三人は、完全に桃太郎の奴隷と化していた。
ただただ、目的地を目指して歩き、鬼ヶ島へ着いた。
ここで、最後の決戦となる。
桃太郎は、吉備団子を山積みにすると、三人に言う。
「さあ、腹が減っては戦はできぬ。婆さんに徹夜で作らせた吉備団子で腹ごしらえをするのだ」
三人は、目の前の吉備団子を見て、怒りが沸沸沸沸沸沸沸沸と涌いていた。
そして、雉子は吉備団子を頬張りながら怒鳴っていた。
「鬼を片付けたら、お前の番だぞ!」
以上が、僕が考えた桃太郎の物語です。
この話からしたら、今の職場はブラックではないでしょうね。
僕は、東北地方の理系の大学を卒業してから、機械を検査する機械を検査する機械を設計しています。
設計通りに作動するか検査する機械も必要なため、なかなかカオスな展開です。
ターミネーターと言う映画で、機械が機械を造る設定に似ているのでは? などと密かに思っています。
つまり、僕はスカイネットに近付いているのでしょうか?
そんな妄想はさて置き、最近は仕事が忙しく、愛しいトモカちゃんとのスキンシップも儘ならない状況です。
残業も多いので、
「もしやブラック企業?」
などと疑惑を持ちますが、ニュースで他社の過酷な実態を観る度に、わが社は大丈夫と安心します。
僕はおめで……。いや、素直なんでしょうか?
僕が知っているブラックと呼べる物は、あの話しかありません。
日本に古来から伝わる残酷物語、桃太郎です。
昨今、大手企業の過労死事件で、労働者の立場が見直され、国会が紛糾するご時世です。
桃太郎の物語は、川で拾われた捨て子が、猿、犬、雉に鬼退治をさせる話です。
つまり、僕が妄想する桃太郎は、こんな感じです。
雉子は、苛酷な労働条件に鳴いていた。
契約では、吉備団子が毎日支給される事になっており、約束は実行されていたが、細かい点を決めていなかったので、1日に1個しか貰えなかった。
労使交渉のイロハを知らぬ彼女にも問題があったが、人情としては、朝、昼、晩の三食を期待していた。
全て、桃太郎の良心を信じた彼女が浅はかだった。
彼女の他にも騙された犠牲者が居て、犬尾と猿子だった。
特に消耗が激しいのは、体の大きい犬尾だった。
脱水症状なのか? 何時も大きな舌を垂らして、ハーハーと苦しそうだが、桃太郎は見てみぬ振りを決め込んでいた。
桃太郎のお供となった三人は、
「ちょっと鬼ヶ島まで」のちょっとの部分に騙された。
鬼ヶ島の正確な位置を知らなかったので、果てしなく歩かされる破目になる。
「もう帰りたい」
と言えば、
「お前は一度始めた事を投げ出すのか!」
と、まるで○造みたいな勢いで怒鳴られ、泣きたくなるほど根性論を説かれるので、仕方なく、また歩き出してしまう。
また、一度は脱走を試みるが、連れ戻されてしまう。
そして、桃太郎は、根性論では通じなくなったと感じたらしく、今度は使命感に訴えかけようとする。
鬼が如何に悪逆非道な連中なのかを訴え、自分たちの使命が如何に崇高で尊い物なのかを諭し、雉子、猿子、犬尾には、民衆から与えられる感謝を全て受ける事ができ、自分は鬼ヶ島の財宝だけでいい。と、説得する。
もう、考える事に疲れた三人は、完全に桃太郎の奴隷と化していた。
ただただ、目的地を目指して歩き、鬼ヶ島へ着いた。
ここで、最後の決戦となる。
桃太郎は、吉備団子を山積みにすると、三人に言う。
「さあ、腹が減っては戦はできぬ。婆さんに徹夜で作らせた吉備団子で腹ごしらえをするのだ」
三人は、目の前の吉備団子を見て、怒りが沸沸沸沸沸沸沸沸と涌いていた。
そして、雉子は吉備団子を頬張りながら怒鳴っていた。
「鬼を片付けたら、お前の番だぞ!」
以上が、僕が考えた桃太郎の物語です。
この話からしたら、今の職場はブラックではないでしょうね。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
今さらやり直しは出来ません
mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。
落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。
そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる