ツヨシくんとトモカちゃん

雨川 海(旧 つくね)

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トモカちゃん編

家カフェ

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 何時も夫がお世話になっています。トモカです。



 私たちは、活動の拠点が行田です。
 地元の教会や、時に自宅を使って交流しています。

 ツヨシくんは珈琲好きなので、バリスターツヨシとして、美味しい珈琲を淹れてくれます。

 更に、チョコレートケーキの作成も取得し、頻繁に腕前を披露します。

 私も負けて要られないなぁ、紅茶のバウンドケーキで巻き返しますか。


 さて、休日ともなると、お客様をお呼びし、お茶会を開きます。

 今回は、私の職場の後輩に来て貰いました。
 いらっしゃいませ。

 私は、介護ホームで働いています。
 今日、家にお招きした咲枝ちゃんは、まだ三年位の職務経験です。

 私と咲枝ちゃんが居間で談笑していると、ツヨシくんが珈琲とチョコレートケーキを運んでくれました。


「うわ~、凄い。もしかして、手作りですか?」

 私は、咲枝ちゃんのオーバーリアクションを素直に喜んだ。

「主人が作ったの。お口に合うかしら?」

「良いご主人で羨ましいなぁ」

 ここは同意すべきか迷う所なので、笑って誤魔化しておく。
 本当は同意したいけど、照れるじゃない?

 ツヨシくんは、赤くなっていた。


 さて、咲枝ちゃんと雑談していると、彼女の意外な悩みを聞く事になる。


「私、死ぬのが怖いんです」

 咲枝ちゃんは、まだ二十代なので、そんな悩みがあるとは思わなかった。

 彼女曰く、日々の仕事柄、老人と接する機会が多く、親しくしている人との最期を知る度に、死について考えるようになったと言います。

 咲枝ちゃんは、両親がクリスチャンで、本人も教会に通っていて、職場でも地元の教会でも会う間柄です。

「お世話していた方が亡くなられると、気が滅入ってしまって……。天国って、本当にあるんですかね?」

 天国の有無については、行った人の話が聞けない以上、信じるか信じないかの世界になります。

 私が頭を悩ませていると、夫が発言します。


「電池が変えられない使い捨ての時計が有って、いつ止まるか心配して、秒針を見つめ、長針を見つめ、短針を見つめて過ごすのは、時間の無駄じゃないかな? 天国の有無は、僕は在ると信じているけど、存在を信じるように強制はできない。ただ、個人的な意見を言うと、後悔しない生き方を選ぶしかないと思う」

 咲枝ちゃんは、一応は納得してくれたようです。
 私も、ツヨシくんの意見に賛成です。
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