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7、筋肉ダルマはお断り その2
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「犬っころ、お前、誰のペットだぁ?」
首根っこを掴まれて至近距離から見つめられる。…正直、泣きそうです。痛くはありませんが、怖いです。
ですが、私は負けません!
『だ、誰が教えるか!』
「あぁ!?」
『ひぃっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……』
抵抗はたった一言で終わりました。もう、漏らしてもいいですか?…ダメですか、そうですよね。当たり前のことです。
なんて、脳内ツッコミをしている間もガン見されています。
『だいたい、ペットに飼い主聞くとか馬鹿じゃないんですか?』
「おいこら、俺のこと今馬鹿にしただろ」
(えっ…なぜバレた?)
「お前の目と表情」
(おぉう、やばい人だ)
傍から見たら犬に一人で話しかける変人。通報するレベルです。
……そういえば、先程から私たち以外の人達の動きが止まっているようです。こっちを見ていますが、一体何を見て…なるほど、私ですね。まぁ、私ってここでは珍しいそうですからね。あ、フェンリルって意味じゃなくて、この建物の中に動物がいるって意味です。
「おい、いいから飼い主言えよ」
『無理。言ったとしても伝わらないでしょ』
「言葉わかんねぇよ」
(何当たり前の事言ってんのかなー?)
このままじゃ埒が開きません。どうしたものでしょう。
筋肉ダルマに捕まえられたまま困っていると、
「ブラッドー!おいっ、どこいったんだー!戻ってこーい!」
「あ?何だ?」
『ろーさんの声だ!』
こっちに近づいてくるロートさんの声が聞こえます。
『私はここだよー!』
なので、精一杯その声に答えてみました。
「そこか!」
「うおっ、おいロートなんでそんなに怖い顔してんだ」
すると、電光石火の速さで私のもとに現れました。……ロートさん、人間ですか?
筋肉ダルマはそんなロートさんの勢いと表情に若干引き気味です。
「何でだと?ヴェルフっ、お前がその手に持っている子犬は俺のペットだ。つまりは俺が飼い主なんだ!今すぐ離しやがれっ!」
「んなこたぁ、知らねぇよ。だいたい、コイツが勝手にここに紛れ込んできたんだろ。俺は保護してやったんだ。感謝こそしても怒鳴られる言われはねぇんじゃねぇかぁ?」
確かに、私はこの肉弾戦を繰り広げられていたところにノコノコと入ってきました。怪我をしなかったのは奇跡かも知れません。筋肉ダルマ…ヴェルフさんの言い分も分かります。
だいたい私も勝手にロートさんのもとから離れて行動していたのですから、私が責められるべきなのでしょう。
『ろーさん、ろーさん』
「あぁ、怖かったよな。ごめんな、目を離したりして」
『私が悪かったの。この人を責めないでね』
「さぁ、部屋に戻ろう。な?」
『……うん』
言葉は通じませんでしたが、ロートさんはヴェルフさんを責めませんでした。
その代わりに、キツかった表情を和らげ、少し笑って私に謝まりました。
ヴェルフさんの手からロートさんの腕の中へ誘われて、すっぽり収まった私はロートさんの言う通りに部屋に連れていかれました。
ちなみに、ヴェルフさんはポカーンと何が起きたのかわからないと言いたげな様子でした。まぁ、害はなさそうなので放置しておきましょう。
……ふぁぁあ、それよりも私の眠気が限界です。赤ちゃんなので体力もそんなにないようです。なので、寝ますね。おやすみなさーい。
私が眠った後、ロートさんの腕の中で眠る私の姿を見て何人かが鼻血を出したようで、起きた後に一人で行動することをしないように言いつけられました。
首根っこを掴まれて至近距離から見つめられる。…正直、泣きそうです。痛くはありませんが、怖いです。
ですが、私は負けません!
『だ、誰が教えるか!』
「あぁ!?」
『ひぃっ、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……』
抵抗はたった一言で終わりました。もう、漏らしてもいいですか?…ダメですか、そうですよね。当たり前のことです。
なんて、脳内ツッコミをしている間もガン見されています。
『だいたい、ペットに飼い主聞くとか馬鹿じゃないんですか?』
「おいこら、俺のこと今馬鹿にしただろ」
(えっ…なぜバレた?)
「お前の目と表情」
(おぉう、やばい人だ)
傍から見たら犬に一人で話しかける変人。通報するレベルです。
……そういえば、先程から私たち以外の人達の動きが止まっているようです。こっちを見ていますが、一体何を見て…なるほど、私ですね。まぁ、私ってここでは珍しいそうですからね。あ、フェンリルって意味じゃなくて、この建物の中に動物がいるって意味です。
「おい、いいから飼い主言えよ」
『無理。言ったとしても伝わらないでしょ』
「言葉わかんねぇよ」
(何当たり前の事言ってんのかなー?)
このままじゃ埒が開きません。どうしたものでしょう。
筋肉ダルマに捕まえられたまま困っていると、
「ブラッドー!おいっ、どこいったんだー!戻ってこーい!」
「あ?何だ?」
『ろーさんの声だ!』
こっちに近づいてくるロートさんの声が聞こえます。
『私はここだよー!』
なので、精一杯その声に答えてみました。
「そこか!」
「うおっ、おいロートなんでそんなに怖い顔してんだ」
すると、電光石火の速さで私のもとに現れました。……ロートさん、人間ですか?
筋肉ダルマはそんなロートさんの勢いと表情に若干引き気味です。
「何でだと?ヴェルフっ、お前がその手に持っている子犬は俺のペットだ。つまりは俺が飼い主なんだ!今すぐ離しやがれっ!」
「んなこたぁ、知らねぇよ。だいたい、コイツが勝手にここに紛れ込んできたんだろ。俺は保護してやったんだ。感謝こそしても怒鳴られる言われはねぇんじゃねぇかぁ?」
確かに、私はこの肉弾戦を繰り広げられていたところにノコノコと入ってきました。怪我をしなかったのは奇跡かも知れません。筋肉ダルマ…ヴェルフさんの言い分も分かります。
だいたい私も勝手にロートさんのもとから離れて行動していたのですから、私が責められるべきなのでしょう。
『ろーさん、ろーさん』
「あぁ、怖かったよな。ごめんな、目を離したりして」
『私が悪かったの。この人を責めないでね』
「さぁ、部屋に戻ろう。な?」
『……うん』
言葉は通じませんでしたが、ロートさんはヴェルフさんを責めませんでした。
その代わりに、キツかった表情を和らげ、少し笑って私に謝まりました。
ヴェルフさんの手からロートさんの腕の中へ誘われて、すっぽり収まった私はロートさんの言う通りに部屋に連れていかれました。
ちなみに、ヴェルフさんはポカーンと何が起きたのかわからないと言いたげな様子でした。まぁ、害はなさそうなので放置しておきましょう。
……ふぁぁあ、それよりも私の眠気が限界です。赤ちゃんなので体力もそんなにないようです。なので、寝ますね。おやすみなさーい。
私が眠った後、ロートさんの腕の中で眠る私の姿を見て何人かが鼻血を出したようで、起きた後に一人で行動することをしないように言いつけられました。
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