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8、性別不明は遠慮の対象 その1
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皆さん、おはようございます。フェンリルのはずなのに周りから子犬扱いされてるブラッドです。
昨日、ロートさんから一人で歩き回るのを禁止されたので今現在すごく暇です。ちなみに、ロートさんは今私がいる部屋にいません。
どこに行ったのかって?そんなの、私が聞きたいくらいです。
というわけで、暇な私は部屋の真ん中付近にあったもふもふのクッションにじゃれつきます。
……むむむ、このクッションは!
柔らかくて、私を包み込んでくれます。……それにハマりそうな感触です。
クッションの上でコロコロバタバタ暴れていたら、コンコンとドアをノックする音が聞こえました。少し疲れていた私はお腹を上に向けて休憩をしながら居留守を使います。
すると、再びコンコンとドアをノックする音が聞こえました。…無視です。
コンコン…コンコン……コンコン。何気にしつこいです。何回も何回もノックする音にうんざりしてきました。
そのまま無視していたら、ゴンゴンと強めの音に変わりました。ドアもミシミシとなってはいけない音がなっています。
(え、何これ。怖いんですけど、ホラーですか?)
一瞬、チェーンソーや斧を手に持った危険人物を想像しました。ロートさんは恨まれることでもしたんでしょうか?
恐怖心と好奇心でドキドキしていると、ドアがついに破壊されました。普通の破壊の仕方ではありません。…こう、ドア自体には特にダメージはなく綺麗に金具とかだけ破壊され、扉だけが吹っ飛ばされた状態です。
あまりにも非現実的な光景だったので、ピキンと体が固まります。
「ロ~ト~」
『ぎゃーっ!』
地を這うような声で、聞こえてきたのは女性の声。
(なに、何!?ろーさん女の人の恨みでも買ったの!?)
動揺していると、女性が部屋に入ってきました。スラリとして、身長はロートさんよりも低いけど女性にしては高いと思われ、出るところは出て、締まるところは締まっています。誰もが羨む美貌です。青いロングストレートの髪に緑色の瞳で、凛とした印象を受けますが、その瞳には怒りのような感情が揺れ動いているように感じます。
じっと観察していると、私の視線に気づいたのかこちらに視線を向けられました。
じーっ……
『いやん』
いくら女性でもずっと見られるのは恥ずかしい。
お腹を上に向けるのはやめて女性から逃げるように移動すると、女性にすごい勢いで捕まえられました。
「可愛いな、お前!」
…褒められるのは嬉しいけど、嬉しくないです。
無断で無遠慮に私に触れる人はノーセンキューです。おととい来やがれです。しかし、私はなにぶん赤ちゃんなので抵抗する力はありません。
なので、無抵抗でいることにします。
「ロートは昨日お前のことを拾ったんだよな?雪原で拾ったって言ってたが…なんでそんな所にいたんだ?」
『攫われたんですよー』
「んー。やっぱり動物の言葉はわかんねぇなー」
『動物じゃなくて魔獣の赤ちゃんですよー』
「まぁ、可愛いから別に構わねぇか」
せっかく綺麗なのにどこか残念臭がする女性。男言葉なのが残念です。
「んー、もふっとしてて細い毛は柔らかくて最高だなぁ。毛の色が多少変わっているが、エドハルトの言った通り女の子のようだな」
『いやぁ、やめてぇ』
恥ずかしい。いろんな意味で恥ずかしい。エドハルト…もしかして、昨日のエドさんのことでしょうか。……多分、間違ってはないと思います。私のことを女の子と知っているのは今のところロートさんとあのエドさんだけですし。
なんとも言えない気分です。とりあえず、この腕の中から脱出する方法を考えなければ…。
昨日、ロートさんから一人で歩き回るのを禁止されたので今現在すごく暇です。ちなみに、ロートさんは今私がいる部屋にいません。
どこに行ったのかって?そんなの、私が聞きたいくらいです。
というわけで、暇な私は部屋の真ん中付近にあったもふもふのクッションにじゃれつきます。
……むむむ、このクッションは!
柔らかくて、私を包み込んでくれます。……それにハマりそうな感触です。
クッションの上でコロコロバタバタ暴れていたら、コンコンとドアをノックする音が聞こえました。少し疲れていた私はお腹を上に向けて休憩をしながら居留守を使います。
すると、再びコンコンとドアをノックする音が聞こえました。…無視です。
コンコン…コンコン……コンコン。何気にしつこいです。何回も何回もノックする音にうんざりしてきました。
そのまま無視していたら、ゴンゴンと強めの音に変わりました。ドアもミシミシとなってはいけない音がなっています。
(え、何これ。怖いんですけど、ホラーですか?)
一瞬、チェーンソーや斧を手に持った危険人物を想像しました。ロートさんは恨まれることでもしたんでしょうか?
恐怖心と好奇心でドキドキしていると、ドアがついに破壊されました。普通の破壊の仕方ではありません。…こう、ドア自体には特にダメージはなく綺麗に金具とかだけ破壊され、扉だけが吹っ飛ばされた状態です。
あまりにも非現実的な光景だったので、ピキンと体が固まります。
「ロ~ト~」
『ぎゃーっ!』
地を這うような声で、聞こえてきたのは女性の声。
(なに、何!?ろーさん女の人の恨みでも買ったの!?)
動揺していると、女性が部屋に入ってきました。スラリとして、身長はロートさんよりも低いけど女性にしては高いと思われ、出るところは出て、締まるところは締まっています。誰もが羨む美貌です。青いロングストレートの髪に緑色の瞳で、凛とした印象を受けますが、その瞳には怒りのような感情が揺れ動いているように感じます。
じっと観察していると、私の視線に気づいたのかこちらに視線を向けられました。
じーっ……
『いやん』
いくら女性でもずっと見られるのは恥ずかしい。
お腹を上に向けるのはやめて女性から逃げるように移動すると、女性にすごい勢いで捕まえられました。
「可愛いな、お前!」
…褒められるのは嬉しいけど、嬉しくないです。
無断で無遠慮に私に触れる人はノーセンキューです。おととい来やがれです。しかし、私はなにぶん赤ちゃんなので抵抗する力はありません。
なので、無抵抗でいることにします。
「ロートは昨日お前のことを拾ったんだよな?雪原で拾ったって言ってたが…なんでそんな所にいたんだ?」
『攫われたんですよー』
「んー。やっぱり動物の言葉はわかんねぇなー」
『動物じゃなくて魔獣の赤ちゃんですよー』
「まぁ、可愛いから別に構わねぇか」
せっかく綺麗なのにどこか残念臭がする女性。男言葉なのが残念です。
「んー、もふっとしてて細い毛は柔らかくて最高だなぁ。毛の色が多少変わっているが、エドハルトの言った通り女の子のようだな」
『いやぁ、やめてぇ』
恥ずかしい。いろんな意味で恥ずかしい。エドハルト…もしかして、昨日のエドさんのことでしょうか。……多分、間違ってはないと思います。私のことを女の子と知っているのは今のところロートさんとあのエドさんだけですし。
なんとも言えない気分です。とりあえず、この腕の中から脱出する方法を考えなければ…。
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