1 / 51
出逢い
出逢い
しおりを挟む
急に明るくなったと思ったら、大きな湖の畔に出た。
「大きい……!」
水面で光がきらきらしてる。爽やかな風が気持ちいい。
さっきまでの薄暗い森とは大違いだ。
「はぁーそーだいだー……」
眩しくてちょっと顔をしかめながら、木の陰から出る。
ここの魚は美味しいかな。もうずっとお腹が空いて空いて……。
「!」
右の方で水音が! しかも大きめ!
「さか! ……な……」
じゃない。人か。
泳いでたのかな、遠いからこっちに気付かないで上がって来……待って、足が、蹄? あっしっぽもある…………。
「ぁ」
あれ、精霊様だ! うわこっち向いた?!
「ひぇっ」
勢いあまって木に隠れちゃったよ! どうしようこれ?!
いやでも、精霊様とは関わるなってじーちゃんに言われてるし?!
「ねえ」
「ひゅ?!」
か、隠れた木の後ろから声がするぅ……。
「君、ぼくになんか用? こっち見てたけど」
「っ……とぉ……」
結構距離あったのに、一瞬でここまで詰めたってこと?
「見ない顔だけど、どこの誰?」
あああわああ警戒されてる! ピリッとした空気を感じる!
「う、ええと、なんと言いますか……」
ぎこちない動きで後ろを向く。
「道に迷ってしまってここに出てきてしまったと言いますか……」
そろり、と幹から伺うように顔を出すと、
「迷った?」
「うわっ」
ちっか、近い! 顔が近い! 綺麗な顔が!!
「どっから来たの?」
全部が白くてぼんやり光ってるしキラキラの長い髪が濡れて肌に張り付いてるしふわふわした長い耳も濡れてそぼんってなってるよぉ……。
「ねえ?」
「あっいや、えー……ヴリコードの街から、山菜採りに来たんで「グゥウウウゥクルルルルルル」
「……」
「…………」
今鳴らんでも良かろうよ、私のお腹よ。
「お腹へってるの?」
「いやぁはは、ここ二日ほどろくに食べてなくて」
「ふぅん……魚、食べる?」
「へっ……え、良いんですか?!」
精霊様がおられるような場所の食物を?! 食べても?!
「うん。お腹へってるんでしょ?」
「それはもう!!」
「じゃ、待ってて」
「えっまっ」
素早く滑らかな飛び込み! じゃなくて!
私、今精霊様に漁をさせてる?!
「ねえ」
「ほぁい?!」
「ここじゃ狭いから、あっち」
ちゃぷん、と水面から顔を出して指し示すは、さっき精霊様が湖から上がった辺り。
そっちへ移動って事ですね!
「分かりました!」
精霊様は頷いて、再び潜る。
「…………ここまで来たら、やってやる」
腹くくってやるぜ。まずは薪を集めなきゃ。
「……ん?」
今、湖から何か飛び出さなかった?
「んん?」
魚? 丸々立派なお魚が、私の目指す場所へ次々と飛び込んで……??
「え、えええ精霊様?!」
精霊様が捕まえたお魚を掴んでは投げ、違う、掴んでは蹴り上げ、掴んでは蹴り上げしてる?!
「そんな、そんなぽんぽんやっちゃって良いんですか?!」
叫びながら、地面で跳ね回る魚をどうにかすべく、私は走り出した。
「大きい……!」
水面で光がきらきらしてる。爽やかな風が気持ちいい。
さっきまでの薄暗い森とは大違いだ。
「はぁーそーだいだー……」
眩しくてちょっと顔をしかめながら、木の陰から出る。
ここの魚は美味しいかな。もうずっとお腹が空いて空いて……。
「!」
右の方で水音が! しかも大きめ!
「さか! ……な……」
じゃない。人か。
泳いでたのかな、遠いからこっちに気付かないで上がって来……待って、足が、蹄? あっしっぽもある…………。
「ぁ」
あれ、精霊様だ! うわこっち向いた?!
「ひぇっ」
勢いあまって木に隠れちゃったよ! どうしようこれ?!
いやでも、精霊様とは関わるなってじーちゃんに言われてるし?!
「ねえ」
「ひゅ?!」
か、隠れた木の後ろから声がするぅ……。
「君、ぼくになんか用? こっち見てたけど」
「っ……とぉ……」
結構距離あったのに、一瞬でここまで詰めたってこと?
「見ない顔だけど、どこの誰?」
あああわああ警戒されてる! ピリッとした空気を感じる!
「う、ええと、なんと言いますか……」
ぎこちない動きで後ろを向く。
「道に迷ってしまってここに出てきてしまったと言いますか……」
そろり、と幹から伺うように顔を出すと、
「迷った?」
「うわっ」
ちっか、近い! 顔が近い! 綺麗な顔が!!
「どっから来たの?」
全部が白くてぼんやり光ってるしキラキラの長い髪が濡れて肌に張り付いてるしふわふわした長い耳も濡れてそぼんってなってるよぉ……。
「ねえ?」
「あっいや、えー……ヴリコードの街から、山菜採りに来たんで「グゥウウウゥクルルルルルル」
「……」
「…………」
今鳴らんでも良かろうよ、私のお腹よ。
「お腹へってるの?」
「いやぁはは、ここ二日ほどろくに食べてなくて」
「ふぅん……魚、食べる?」
「へっ……え、良いんですか?!」
精霊様がおられるような場所の食物を?! 食べても?!
「うん。お腹へってるんでしょ?」
「それはもう!!」
「じゃ、待ってて」
「えっまっ」
素早く滑らかな飛び込み! じゃなくて!
私、今精霊様に漁をさせてる?!
「ねえ」
「ほぁい?!」
「ここじゃ狭いから、あっち」
ちゃぷん、と水面から顔を出して指し示すは、さっき精霊様が湖から上がった辺り。
そっちへ移動って事ですね!
「分かりました!」
精霊様は頷いて、再び潜る。
「…………ここまで来たら、やってやる」
腹くくってやるぜ。まずは薪を集めなきゃ。
「……ん?」
今、湖から何か飛び出さなかった?
「んん?」
魚? 丸々立派なお魚が、私の目指す場所へ次々と飛び込んで……??
「え、えええ精霊様?!」
精霊様が捕まえたお魚を掴んでは投げ、違う、掴んでは蹴り上げ、掴んでは蹴り上げしてる?!
「そんな、そんなぽんぽんやっちゃって良いんですか?!」
叫びながら、地面で跳ね回る魚をどうにかすべく、私は走り出した。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない
ラム猫
恋愛
幼い頃に、セレフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セレフィアはそれを喜んで受け入れた。
その後、十年以上彼と再会することはなかった。
三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる