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第一章 春は出逢いの季節
GWの風邪は最悪だ
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気持ち悪い。
ゴールデンウィーク初日から風邪を引くなんて最悪な気分だ。頭がガンガンして喉がイガイガする。熱は計ってないけどこの分だと三七度後半から三八度くらいはありそうだ。
船井>浅尾~大丈夫か? 今日来れそう?
船井からLINEが入る。そういえば今日は田中と三人で映画を見に行こうって約束してたんだった。でも正直今はそれどころじゃない。こんな状態でゴールデンウィークの映画館なんて行ったらちょっとしたバイオテロが起こってしまう。
自分>ごめん、思ったより体調悪くて行けそうにない
船井>そっか、無理に動いて悪化させてもダメだしな
船井>三人で楽しんでくるよ!
三人? 今日は田中と二人だろ、船井らしい間違いに、風邪で弱っていた心が少しだけ元気になった。
遊びに行く予定だった時間がポッカリ空いてしまったことで、とりあえず課題を終わらせようと机に向かった。頭痛で機能しない頭を必死に回転させて、空欄がないように一つずつ解答を埋めていく。
学校の勉強は楽だとつくづく思う。答えがあるものしか問いにないから。教科書と学習書を見れば大抵の解き方は載ってるし、それを忠実に真似していけばそれなりの成績も残せる。
本当に厄介な、答えのない問いを学校では教えてくれない。
例えば、昨日の夜から放置している星川美麗からの『今なにしてる?』 というLINEに、僕はどう答えるべきなのだろう。そもそも何の意図があって僕のことを聞いてきたんだ。未読のままのトーク欄を見ながらため息を一つつく。
変なことを考えるのはやめよう。課題の量もそこまで多くないし、今日中に終わらせてしまおうか。風邪が治ってから気兼ねなく遊べるように今のうちにやってしまおう。どうせ船井あたりが見せてって言ってくるし早めに終わらせといて損はないだろう。
気を取り直して机に向かった時、携帯がLINEの通知を知らせるために音を立てた。
星川>無視しないでよ
通知を見た瞬間、爆発しそうなくらい心拍数が上がった。
いや別に無視したわけじゃないけど、どう返信すればいいか分からなかっただけだし・・・・・・それを無視って言うのか。
自分>ごめん、課題やってたから気づかなかった
無視するつもりはなかったので誤解を解くためにも半分だけ嘘を織り交ぜて誤魔化そうとする。学校では習わなかったくせにこういうずる賢さだけは持ち合わせている。
星川>あ、じゃあお詫びに今度課題見せてよ
自分>はぁ? 自分でやらないと意味ないでしょ
星川>またまた、どうせ船井や咲ちゃんには見せるくせに
よく分かってらっしゃる。中学から一緒だし当たり前か。
星川>ねえー、見せてよー
星川>間違ってても文句言わないからさー
自分>ああもう、いいよ、でもあんまり期待しないでね
しつこい上に、最近星川美麗への当たりが強かったかもしれないと思い渋々承諾したが、これで課題を終わらせるための面倒な理由が一つ増えた。
星川>わーい、ありがとー
僕が課題を終わらせようとしている時にどうせこいつは男と遊んでるんだろうな、そんな邪な考えが頭を掠める。心の中でせき止めていた負の感情が流れ出しそうになった。
星川美麗、昔はそんなに男好きなイメージはなかったのにな。僕がもっとちゃんとしていれば、今も自分を大切にしていてくれただろうか。
今の彼女を見るのはとても辛い。
出逢った時のようにいつまでも変わらず・・・・・・それが出来たら現状は変わっていたのだろうか。
ゴールデンウィーク初日から風邪を引くなんて最悪な気分だ。頭がガンガンして喉がイガイガする。熱は計ってないけどこの分だと三七度後半から三八度くらいはありそうだ。
船井>浅尾~大丈夫か? 今日来れそう?
船井からLINEが入る。そういえば今日は田中と三人で映画を見に行こうって約束してたんだった。でも正直今はそれどころじゃない。こんな状態でゴールデンウィークの映画館なんて行ったらちょっとしたバイオテロが起こってしまう。
自分>ごめん、思ったより体調悪くて行けそうにない
船井>そっか、無理に動いて悪化させてもダメだしな
船井>三人で楽しんでくるよ!
三人? 今日は田中と二人だろ、船井らしい間違いに、風邪で弱っていた心が少しだけ元気になった。
遊びに行く予定だった時間がポッカリ空いてしまったことで、とりあえず課題を終わらせようと机に向かった。頭痛で機能しない頭を必死に回転させて、空欄がないように一つずつ解答を埋めていく。
学校の勉強は楽だとつくづく思う。答えがあるものしか問いにないから。教科書と学習書を見れば大抵の解き方は載ってるし、それを忠実に真似していけばそれなりの成績も残せる。
本当に厄介な、答えのない問いを学校では教えてくれない。
例えば、昨日の夜から放置している星川美麗からの『今なにしてる?』 というLINEに、僕はどう答えるべきなのだろう。そもそも何の意図があって僕のことを聞いてきたんだ。未読のままのトーク欄を見ながらため息を一つつく。
変なことを考えるのはやめよう。課題の量もそこまで多くないし、今日中に終わらせてしまおうか。風邪が治ってから気兼ねなく遊べるように今のうちにやってしまおう。どうせ船井あたりが見せてって言ってくるし早めに終わらせといて損はないだろう。
気を取り直して机に向かった時、携帯がLINEの通知を知らせるために音を立てた。
星川>無視しないでよ
通知を見た瞬間、爆発しそうなくらい心拍数が上がった。
いや別に無視したわけじゃないけど、どう返信すればいいか分からなかっただけだし・・・・・・それを無視って言うのか。
自分>ごめん、課題やってたから気づかなかった
無視するつもりはなかったので誤解を解くためにも半分だけ嘘を織り交ぜて誤魔化そうとする。学校では習わなかったくせにこういうずる賢さだけは持ち合わせている。
星川>あ、じゃあお詫びに今度課題見せてよ
自分>はぁ? 自分でやらないと意味ないでしょ
星川>またまた、どうせ船井や咲ちゃんには見せるくせに
よく分かってらっしゃる。中学から一緒だし当たり前か。
星川>ねえー、見せてよー
星川>間違ってても文句言わないからさー
自分>ああもう、いいよ、でもあんまり期待しないでね
しつこい上に、最近星川美麗への当たりが強かったかもしれないと思い渋々承諾したが、これで課題を終わらせるための面倒な理由が一つ増えた。
星川>わーい、ありがとー
僕が課題を終わらせようとしている時にどうせこいつは男と遊んでるんだろうな、そんな邪な考えが頭を掠める。心の中でせき止めていた負の感情が流れ出しそうになった。
星川美麗、昔はそんなに男好きなイメージはなかったのにな。僕がもっとちゃんとしていれば、今も自分を大切にしていてくれただろうか。
今の彼女を見るのはとても辛い。
出逢った時のようにいつまでも変わらず・・・・・・それが出来たら現状は変わっていたのだろうか。
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