悪役令嬢の追放先は借金まみれ子爵家 〜冷徹な彼が“もう一口”と言うまで〜

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第14話 街道が止まれば、腹が鳴る

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「……か、会計監察局だと……!?」

ハミルトン伯爵家の私兵を率いる指揮官が、裏返った声を上げた。 彼の視線は、地面に突き刺さった巨大な氷の槍と、その横に悠然と立つアーネスト・カレル、そして彼が掲げる『天秤の紋章』の間を激しく往復している。

「嘘だ! 監察官がなぜこんな辺境に……しかも、たった一人で!」

指揮官は必死に虚勢を張った。 彼の動揺は、部下たちにも伝染している。 無理もない。彼らにとって監察官とは、戦場の敵よりも恐ろしい、自分たちの生殺与奪の権を握る「王の目」なのだから。

「一人ではない」

アーネストは眼鏡のブリッジを中指で押し上げ、冷ややかに告げた。

「ここには、この領地の正当なる統治者であるグランシェ子爵がいる。そして……」

彼は視線を流し、農具を構えて立ち並ぶバルガスたち領民を見た。

「不当な暴力から生活を守ろうとする、勇敢な民兵たちがいる。……これだけの証人がいれば、貴官らの行いは『治安維持』ではなく『侵略』として記録されるのに十分だろう」

「ぐっ……!」

「直ちに撤収しろ。さもなくば、その指揮権を剥奪し、王都への反逆罪としてこの場で処断する」

アーネストが杖を一閃させた。 先端から冷気が迸り、周囲の空気がピキピキと凍りつく。 それはハッタリではない。 彼にはそれを実行するだけの実力と権限がある。

指揮官は唇を噛み締め、馬の手綱を強く握った。 ここで退けば、雇い主であるハミルトン伯爵からの叱責は免れない。 だが、監察官と正面から事を構えれば、家そのものが取り潰しになりかねない。

「……撤退だ!」

苦渋の決断だった。

「バリケードを解け! ……覚えておれ、グランシェ子爵! これは一時的な撤収に過ぎん。借金の期限が来れば、法がお前を裁くことになるぞ!」

捨て台詞を残し、兵士たちは慌ただしく資材を回収し始めた。 街道を塞いでいた木材や馬車が退かされ、冷たい風が吹き抜ける道が再び開通した。

「……勝った、のか?」

バルガスが呆然と呟いた。 次の瞬間、わあっという歓声が上がった。 領民たちが抱き合い、農具を空に掲げる。

「追い払ったぞ!」 「俺たちの街道だ!」

レオン子爵はその場にへたり込んだ。 緊張の糸が切れたのだろう。 私は慌てて彼の体を支えた。

「レオン様! しっかり!」

「……ああ、大丈夫だ。……腰が抜けただけだ」

彼は青白い顔で、しかし誇らしげに笑った。

「守れたな、セシリア」

「ええ。あなたが守ったのですわ」

私は彼の手を握った。 包帯だらけで、血の滲んだ手。 でも、とても温かかった。

「……やれやれ。非効率極まりない喧嘩だったな」

アーネストが近づいてきた。 彼もまた、肩で息をしている。 病み上がりの体をおして、全力の氷魔法を行使したのだ。消耗していないはずがない。

「でも、あなたの『非効率』なおかげで助かりましたわ」

私が微笑むと、彼はフンと鼻を鳴らし、視線を逸らした。

「……勘違いするな。私の監査対象である領地が、物理的に封鎖されては仕事にならないからだ」

素直じゃない。 でも、その横顔には、以前のような冷徹な壁は感じられなかった。

        * * *

敵は去った。 だが、問題が解決したわけではなかった。

一時間後。 私たちは街道の入り口にある、小さな検問所の跡地――かつては関所があったが、今はボロボロの小屋だけが残っている場所――にいた。

「……誰も通らねぇな」

バルガスが空を見上げてぼやいた。 街道は開放された。 バリケードも撤去された。 しかし、道を行き交うはずの商隊の姿は、影も形もなかった。

「当然だ」

アーネストが小屋の壁に寄りかかり、腕を組んで言った。

「商人は臆病な生き物だ。ハミルトン伯爵家が兵を動かしたという情報は、すでに周辺地域に伝わっているだろう。『グランシェ領は紛争地帯』……そんなレッテルを貼られれば、誰もリスクを冒してまで近づこうとはしない」

物流の停止。 それは、領地の死を意味する。 屋敷の倉庫は焼け、手持ちの食料は底をつきかけている。 外部から食料を買うことも、特産品を売って現金を得ることもできなければ、私たちはこの冬、座して死を待つしかない。

「どうすればいいんだ……」

レオンが頭を抱える。 領民たちの表情にも、再び不安の影が落ち始めていた。 勝利の熱狂が冷め、現実の寒さと空腹が襲ってきたのだ。

グゥゥゥ……。

誰かのお腹が鳴った。 それを合図に、あちこちでお腹の虫が合唱を始める。 昨夜からまともな食事をしていないのだから、当然だ。

「……まずは、腹ごしらえですわ」

私は立ち上がった。

「腹が減っては、商売も交渉もできませんもの」

「セシリア。食材なんてあるのか?」

レオンが問う。 屋敷の食料は、昨夜のミシェルによる封鎖で持ち出せなかった。 ここにあるのは、バルガスたちが持っていたわずかな携帯食料と、水だけだ。

「ありますわ」

私は、アーネストが着ていたコートのポケットを指差した。

「え?」

アーネストが不思議そうにポケットを探る。 中から出てきたのは、数個の乾燥した茶色い豆と、紙に包まれた干し肉の切れ端だった。

「これは……昨夜の監査中に、貴女が『夜食のつまみ』として持ってきたものか?」

「ええ。監察官殿は『仕事中に咀嚼音を立てるのは集中力を削ぐ』と言って、手をつけませんでしたけれど」

私は彼の手から豆と肉を受け取った。

「それから、バルガス。あなたの腰袋に入っているのは?」

「え? ああ、これは……去年の残りの雑穀粉だ。虫が食ってないか心配で持ってたんだが」

「十分よ」

私は腕まくりをした。 道具はない。 あるのは、焚き火と、兵士たちが捨てていったボロボロの鉄板(盾の裏側かもしれない)だけ。

「ここで、『即席の食堂』を開きます」

        * * *

調理開始。 まずは、バルガスの雑穀粉だ。 これを水で溶く。 塩はない。 代わりに、私がポケットに忍ばせていた『秘密兵器』を使う。

「……それは?」

アーネストが覗き込む。

「『岩塩の欠片』です。……以前、ミシェルが落としていった借用書の裏に、この領地の岩塩のサンプルが付着していたのを削り取っておいたんです」

「……貴女という人は」

アーネストが呆れを通り越して感心したような顔をした。 転んでもただでは起きない。それが悪役令嬢だ。

粉に岩塩を混ぜ、水を加えて捏ねる。 粘りが出たら、薄く伸ばす。 麺棒なんてないから、手で叩いて伸ばす。 ペシッ、ペシッ。 不格好な円形ができる。

これを、焚き火で熱した鉄板の上で焼く。 油はない。 だから、じっくりと弱火で。

プクッ。 生地が膨らみ、焦げ目がつく。 香ばしい穀物の香りが漂う。 『チャパティ』のような、素朴な薄焼きパンだ。

次に、具材だ。 干し肉は石で叩いて繊維をほぐす。 乾燥した豆は、本来なら水で戻す時間が必要だが、今はそんな時間はない。 だから、石ですり潰して粉末にする。 これを、少量の水と混ぜてペースト状にする。

ここで、香り付け。 私は近くの茂みから、枯れた植物の枝を折ってきた。 一見ただの枯れ木だが、折ると清涼感のある香りがする。 野生の『ジュニパーベリー』だ。 ジンの香り付けに使われる木の実がついている。

「これを潰して、肉と豆のペーストに混ぜます」

ジュウゥッ……。

鉄板の空いたスペースで、ペーストを焼く。 肉の脂が溶け出し、豆の粉末と混ざり合う。 ジュニパーベリーの爽やかな香りが、干し肉の臭みを消し、野生的なスパイスの香りに変わる。

「……いい匂いだ」

レオンが鼻をヒクつかせた。 領民たちも集まってくる。

焼き上がった薄焼きパンに、熱々のペーストを乗せる。 クルリと巻く。 片手で持てる、棒状の食べ物。

「名付けて『街道ロール』。……さあ、どうぞ」

私は最初にレオンに手渡した。 彼は熱さを気にせず、大口を開けて齧り付いた。

ガブリ。

パリッとした皮の食感。 中から溢れ出す、肉と豆の濃厚な旨味。 そして、鼻に抜けるジュニパーベリーの香り。 塩気は控えめだが、素材の味が凝縮されている分、物足りなさはない。 何より、焼けた穀物の香ばしさが、空腹の脳を直接刺激する。

「……うまいッ!」

レオンが叫んだ。 その声を聞いて、バルガスたちも我先にと手を伸ばす。

「うめぇ! なんだこれ、ただの粉と肉なのに!」 「香りがすげぇ! 力が湧いてくるぞ!」

みんなが笑顔になる。 寒空の下、焚き火を囲んで食べる温かい料理。 それは、恐怖や不安を吹き飛ばす、最強の魔法だった。

アーネストも、私が渡した一つを受け取り、慎重に一口食べた。

「……携帯性(ポータビリティ)と栄養価(カロリー)。そして、廃材を活用したコストパフォーマンス。……戦場のレーション(野戦食)としては、完璧に近いな」

彼は相変わらずの減らず口を叩きながらも、あっという間に完食した。

「……おかわりはあるか?」

「ふふ、ありますわよ」

その時だった。 風に乗って、この香ばしい匂いが街道の方へと流れていった。

「……おい、止まれ!」

街道の向こうから、声がした。 見ると、数台の馬車からなる商隊が、恐る恐る近づいてきていた。 彼らは、遠くで様子を窺っていたのだ。 ハミルトン家の軍勢が去った後も、警戒して近づけずにいたのだろう。

しかし。 彼らの鼻が、この匂いを捉えたのだ。 風に乗って漂う、焼けた小麦と肉のスパイスの香り。 長旅で乾パンと干し肉しか食べていない商人たちにとって、それは抗い難い誘惑だった。

「……な、なんだこのいい匂いは」

商隊のリーダーらしき男が、馬車から降りてきた。 髭面の、恰幅の良い男だ。 彼は警戒しながらも、鼻をヒクヒクさせて近づいてきた。

「ここは……戦場じゃなかったのか?」

「いいえ、食堂ですわ」

私は焼き立ての『街道ロール』を手に持ち、彼に向かって歩み寄った。

「旅の方。お疲れでしょう? 温かい軽食はいかが?」

「……い、いくらだ?」

「お代は結構です。ただの試供品(サンプル)ですから」

私はニッコリと微笑んで差し出した。 商人は疑り深そうに私を見たが、空腹には勝てなかった。 彼はロールを受け取り、ガブリとやった。

その瞬間。 彼の顔が、パァッと輝いた。

「……!」

言葉にならない声。 彼は夢中で咀嚼し、飲み込み、そして叫んだ。

「おーい! みんな降りてこい! ここは安全だ! しかも、めちゃくちゃ美味い飯があるぞ!」

その声を合図に、馬車から次々と商人が降りてきた。 「マジか!」「腹減ったぁ!」 彼らは私たちの焚き火を取り囲み、ロールを頬張った。

「うめぇ……生き返る……」 「この香りはなんだ? こんないい香り、王都でも嗅いだことねぇぞ」

商隊の緊張が解けていく。 彼らは領民たちと混じって焚き火を囲み、世間話を始めた。 「王都じゃ塩が高騰しててよぉ」 「へぇ、こっちじゃ麦が不作でな」

情報交換。 これこそが、交易の始まりだ。

リーダーの商人が、満足げに腹をさすりながらレオンに話しかけた。

「……正直、噂を聞いて引き返そうと思ってたんだ。『グランシェ領は終わった』ってな。でも……こんな美味い飯を作る領民がいるなら、まだ死んじゃいねぇな」

「ああ、死んでないさ」

レオンは胸を張って答えた。

「俺たちは、しぶといんだ。……なあ、あんた。荷台に積んでるのはなんだ?」

「塩と、香辛料。あとは冬服の生地だ」

「……全部、言い値で買おう」

「えっ? でも、金はあるのかい?」

商人が訝しげに見る。 当然だ。グランシェ子爵家が破産寸前なのは有名な話だ。

レオンが言葉に詰まる。 現金の持ち合わせはない。 屋敷の金庫はミシェルに押さえられている。

その時。 アーネストが進み出た。

「支払いは、私が保証しよう」

彼は懐から、一枚の羊皮紙を取り出した。 それは、会計監察局が発行する『支払い保証手形』。 王家の信用を担保にした、最強の小切手だ。

「か、会計監察局!? なんでこんなところに……」

商人が仰天する。

「特別監査の一環だ。……この領地の物流を回復させるために、緊急予算を執行する」

アーネストはサラサラとサインをし、商人に手渡した。

「ただし、条件がある」

「じょ、条件?」

「この領地のことを、次の町で宣伝しろ。『グランシェ領には、絶品の屋台料理と、王家が保証する安全な街道がある』とな」

「……へっ、心得たよ!」

商人はニカっと笑い、手形を懐にしまった。

「この味なら、嘘をつく必要もねぇ。……よし、商売だ! 荷を下ろせ!」

商隊が動き出す。 領民たちが歓声を上げて駆け寄る。 塩が、布が、香辛料が、領地に入ってくる。 止まっていた血流が、再び流れ始めた瞬間だった。

        * * *

夕暮れ時。 商隊が去り、私たちは焚き火を囲んで一息ついていた。 領民たちは、手に入れた塩や布を分け合い、久しぶりに安らかな顔をしている。

「……助かったよ、アーネスト殿」

レオンが焚き火に薪をくべながら言った。

「あの手形、大丈夫なのか? 王都に戻ったら、お前の立場が……」

「問題ない。……必要経費だ」

アーネストはコーヒー(商人が置いていったものだ)を啜りながら、静かに言った。

「それに、あの金はすぐに回収できる」

「回収?」

「ああ。……これを見ろ」

アーネストは、鞄から分厚い書類の束を取り出した。 それは、昨夜の徹夜作業で私たちが作り上げた、ハミルトン家と銀翼商会の不正を暴く告発状と、詳細な分析レポートだった。

「奴らが長年、この領地から搾取してきた不当利得の総額は、金貨一万枚に上る。……これに、違法な高金利の返還請求と、損害賠償を加えれば、貴殿の借金は相殺されるどころか、大幅な黒字になる」

「な……黒字!?」

レオンが目を丸くする。

「これが、『借金再編(デット・リストラクチャリング)』だ」

アーネストの目が、冷たく、しかし楽しげに光った。

「私が王都に戻り、この書類を提出すれば、ハミルトン伯爵家は終わる。……だが、それには一つだけ問題がある」

「問題?」

「私が王都に戻るまでの間、誰がこの証拠を守るかだ」

彼は私とレオンを見た。

「奴らは必死になって妨害してくるだろう。……道中、刺客が放たれる可能性も高い」

「……俺が行く」

レオンが立ち上がった。

「これは俺の領地の問題だ。俺が王都へ行き、証言する」

「無理だ」

アーネストは即答した。

「貴殿の体力では、王都までの旅に耐えられない。それに、領主が不在になれば、領地は再び混乱する。……貴殿はここに残り、民を守れ」

「じゃあ、誰が……」

「私が行く」

アーネストは立ち上がり、コートの埃を払った。

「私は単独行動の方が動きやすい。それに、氷魔法があれば、多少の追手など問題ではない」

「でも、アーネスト様……」

私は不安げに彼を見上げた。 彼は強い。でも、相手は巨大な権力を持つ伯爵家だ。 どんな卑怯な手を使ってくるか分からない。

「心配するな」

彼は私の頭に、ポンと手を置いた。 その手は、いつもより少しだけ温かかった。

「……私は、まだ貴女の料理を食べ足りない」

「え?」

「ここで死ぬつもりはない、という意味だ。……必ず戻ってくる。そして、今度こそ、貴女の『フルコース』をご馳走になるつもりだ」

彼は微笑んだ。 それは、『氷の貴公子』の仮面の下にある、不器用で、誠実な青年の笑顔だった。

「……約束ですよ」

私は彼の手をギュッと握り返した。

「はい。……契約だ」

彼は私の手を離し、馬に飛び乗った。 商人が置いていった馬だ。

「行くぞ! 夜明けまでに関所を抜ける!」

アーネストは馬に鞭を入れた。 彼の背中が、夕闇の中に消えていく。 それは、希望を運ぶ疾風のようだった。

「……行っちまったな」

レオンが呟く。

「ええ。……でも、信じましょう」

私は胸に手を当てた。 そこには、彼が残していった温もりがまだ残っていた。

「さあ、レオン様。私たちも仕事ですわ。……彼が帰ってくるまでに、この領地をもっと『美味しい』場所に変えておかなければ」

「ああ、そうだな」

レオンは力強く頷いた。 街道には、新しい風が吹いていた。 それは、長く厳しい冬の終わりと、春の訪れを告げる風のようだった。
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