白い結婚を強いた旦那様と離縁したら、隣国の宰相に求婚されました

なつめ

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**第17話 正式な求婚**



 その知らせは、午前の光がまだやわらかいうちに届いた。

 ヴァレール侯爵家の東棟は、朝の陽を最もよく受ける。磨かれた窓硝子を透った春の光が廊下の石床に長い帯を落とし、白く塗られた壁の下で揺れていた。庭では若葉のついた梢が風に鳴り、噴水の水が陽を砕いて淡く光る。ライラックの花房は重たげに垂れ、その甘い香りが開いた窓からかすかに流れ込んでいた。

 セレスティーヌは、南向きの小さな居間で書簡を読んでいた。社交界の招待状。礼状。母が選んだ返礼品の目録。離縁後の細かな整理に関する父の覚え書き。どれも今の彼女には必要な紙だったが、読んでいても心のどこかは別の場所にある。最近の彼女は、何かを待っている自分に気づいていた。明確な約束があるわけではない。けれどあの銀灰の瞳と、最後まで話を聞く声を知ってしまったあとでは、王都の風の向きが少し変わるだけでも、胸の奥がそっと波立った。

 扉が控えめに叩かれた。

「お嬢様」

 入ってきたのは父付きの老執事だった。白髪混じりの髪をきっちりと撫でつけ、相変わらず背筋が伸びている。その表情はいつも通り慎み深いのに、わずかにかしこまっていることが分かる。

「旦那様が、至急、大応接間へお越しくださいとのことです」

 セレスティーヌは顔を上げた。

「お客様?」

「はい。ルーヴェンディア王国宰相シグルド・アルヴェーン閣下がご来訪でございます」

 胸の奥が、音もなく強く打った。

 けれどそれは驚きだけではない。どこかで来るかもしれないと思っていた何かが、ついに形を持って目の前へ置かれたような感覚だった。自分でもその予感を否定しきれていなかったのだと、その瞬間にはっきり分かる。

「……すぐに参ります」

 声はどうにか乱れなかった。

 執事が一礼して下がる。扉が閉まったあと、セレスティーヌは膝の上に置いた書簡を見下ろしたまま、しばらく動けなかった。窓の外では、風が少しだけ強くなり、ライラックの影が床の上で揺れた。

 シグルド・アルヴェーンが来ている。

 昨日でも一昨日でもなく、今日。書簡での礼を経て、面会で彼女の意志を聞いたあとで。それは、ただの偶然の再訪ではない。ここまで丁寧に手順を踏む人が、無意味に何度も侯爵家の門をくぐるはずがない。

「お嬢様」

 マルグリットがすぐに近づいた。

「お顔色が少し……」

「大丈夫」

 セレスティーヌはようやく息を吐き、立ち上がった。

「大丈夫よ。ただ、少しだけ驚いているだけ」

 マルグリットはそれ以上問わなかった。代わりに、主人の袖口の皺を直し、髪の流れを指先で整える。今日のドレスは淡い灰青。過度に華やかではなく、けれど侯爵家の娘として不足のない品格を持った装いだ。鏡を見る時間はなかった。だが今は、それでよかったと思う。飾り立てる必要はない。あの人は、もう外見だけを見る人ではないと知っているから。

 廊下へ出ると、家の空気がいつもと違う密度を持っていた。使用人たちは足音を抑え、扉の開け閉めひとつにも神経を尖らせている。大応接間へ続く長い廊下には、朝の光が流れ込んでいた。壁際の花瓶に活けられた白薔薇が、少しだけ香りを放っている。以前のセレスティーヌなら、この花の高さや向きの細かな乱れにまで目が行っただろう。けれど今日は、その白さの中を歩くたびに、胸の内側の別の場所がざわめくばかりだった。

 大応接間の扉の前で、父が待っていた。

 ヴァレール侯爵オーギュスト・ド・ヴァレールは、今日の訪問の意味をすでによく理解している顔をしていた。普段よりも少しだけ表情が硬く、顎の線に強い緊張がある。娘を見ると、低く言った。

「落ち着いて聞け」

 それは父らしい言葉だった。優しさを表へ出すのが苦手で、まず先に形を整えようとする人の言い方。

「はい」

「彼は、正式な話をしに来た」

 その一言で、喉の奥が少しだけ熱くなった。分かっていたはずなのに、言葉にされるとやはり違う。正式な話。つまりこれは、気まぐれな訪問でも、曖昧な好意のにおわせでもない。

 父は続ける。

「まずは私とお前の母に向けて申し出る。筋は通している。……そのあと、お前にも考えを問いたいとのことだ」

「分かりました」

 父は数拍だけ娘の顔を見た。その目に、以前のような“家にとって有利かどうか”だけではない色が混じっていることに、セレスティーヌは気づいた。まだ完全ではない。だが、少なくとも今の父は、目の前にいるのがただの交渉材料ではなく、自分の人生を取り戻し始めた娘なのだと認め始めている。

「入るぞ」

 扉が開いた。

 大応接間は、朝の光に満ちていた。高い窓から差し込む陽は、磨かれた床の上に白い帯をつくり、壁の淡い金の装飾を柔らかく照らしている。暖炉にはまだ火は入っていないが、部屋は春の光だけで十分に明るかった。窓辺には鉢植えのローズマリーと白花の鉢が並び、どこか青い香りが漂っている。

 その中央に、シグルド・アルヴェーンは立っていた。

 深い墨紺の礼装。前回よりもわずかに格式の高い仕立てだ。胸元の留め具は銀で、袖口にだけ細く紋章が刺してある。豪奢ではない。けれどその抑えた上質さが、かえって今日の訪問の本気を示しているようだった。銀灰の瞳は、父と母へ礼を尽くしたあと、最後にセレスティーヌへ向いた。その視線の静かさは変わらない。焦りも、急き立てるような熱もない。ただ、きちんとそこに彼女を据えている。

 母エレノールがすでに席についている。彼女もまた緊張していたが、侯爵夫人としての微笑みを崩さなかった。

「ようこそお越しくださいました、宰相閣下」

 父が声を発すると、シグルドは一礼した。

「急な願いにもかかわらず、お時間を賜り感謝いたします、侯爵閣下、侯爵夫人」

「お座りください」

 父が促す。皆が席につく。父と母が正面、セレスティーヌはその横。シグルドは向かいへ。あくまで家同士の話し合いの形を崩さない配置だ。

 最初の数言は、完全に形式だった。先日の面会への礼。王都滞在の残り日程。ルーヴェンディア側の春の行幸の話題。だがそれらはどれも、核心へ至る前の静かな助走にすぎない。

 やがて父がカップを置き、まっすぐ相手を見た。

「さて、宰相閣下。正式なお話とのことでしたな」

 シグルドは頷いた。

「はい」

 その一音に、部屋の空気がひとつ深くなった。セレスティーヌは、自分の背筋がわずかに伸びるのを感じた。ショールの端が膝の上でこすれる。

「前回、私はまずご令嬢ご本人の意志を確認させていただきました」

 シグルドの声は落ち着いていて、急がない。

「そのうえで、本日は侯爵家へ正式に願い出るため伺いました」

 父も母も、黙ってその先を待っている。

「セレスティーヌ様への求婚を、お許しいただきたく存じます」

 その言葉は、驚くほどまっすぐだった。過度に飾られず、だが一切ぼかされていない。求婚。曖昧さを残さない単語が、明るい応接間の中央へ静かに置かれる。

 セレスティーヌは息を止めたわけでもないのに、胸の奥がわずかに熱くなるのをはっきり感じた。言われるかもしれないと思っていた。けれど実際にその言葉が口にされると、やはり違う。求婚。しかも、彼女自身へ向かってではなく、まず家へ正式に申し出る形で。

 父が問い返す。

「離縁成立から日が浅いことは、ご存じのはずだ」

「承知しております」

「にもかかわらず、今ここで申し出る理由は」

 シグルドは迷わなかった。

「時間を置けば、侯爵家もご令嬢も、外から様々な憶測を受けるでしょう。であれば、私の意志だけは曖昧にせず、正式な形で先に示すべきと考えました」

 父は目を細める。

「外聞のために、ということか」

「いいえ」

 シグルドは静かに否定した。

「外聞だけであれば、もっと別のやり方を選びます。私がここへ参ったのは、セレスティーヌ様ご本人に対する敬意と意志を、家の前で正しく言葉にするためです」

 その言い方に、エレノールがほんのわずかに息をついた気配があった。

 シグルドは続ける。

「ただし」

 そこで、彼の声はさらに穏やかになった。

「返答を急がせるつもりはございません」

 セレスティーヌのまつげがわずかに揺れる。

 返答を急がせない。

 それは、聞きたかった言葉でもあり、同時に予想外でもあった。求婚はたいてい、早く結論を引き出したいものだ。立場が高ければなおさら、相手が迷う時間すら“待ってやるもの”として扱われがちだ。けれど彼は最初にそこを切った。

「私は」

 シグルドは、今度はまっすぐセレスティーヌを見て言った。

「あなたを手に入れたいのではなく、あなたが望む未来の候補に加わりたい」

 部屋の中が、しんと静まった。

 言葉の意味が、すぐには胸へ落ちきらない。いや、意味は分かる。だがその響きが、あまりにも今までの人生になかった。

 あなたを手に入れたいのではなく。

 あなたが望む未来の候補に加わりたい。

 それは求婚の言葉でありながら、所有を匂わせない。選ばれることを前提にしない。ただ、自分を選択肢として差し出す。それだけを真剣に言っている。

 セレスティーヌは、膝の上で重ねた指先にほんの少し力が入るのを感じた。

 胸の奥が、熱い。

 こんなふうに未来を語られたことは一度もなかった。侯爵家の娘として嫁ぐ先は、家が選ぶ場所だった。公爵夫人として立つべき位置は、与えられるものだった。そこに“あなたが望む未来”という言い方はなかった。未来とは、誰かに従って入る箱であり、自分の望みを問われるものではなかったのだ。

 母がそっと娘を見る。その視線に気づきながらも、セレスティーヌは目を上げることができなかった。今ここで誰かの顔を見れば、自分の胸の揺れが外へ零れてしまいそうだったからだ。

 父が、しばらく黙ってから口を開いた。

「重い言葉だな」

「軽く申し上げるべきではないと思っております」

 シグルドの返答は揺らがない。

「ただ、重いからといって急がせるつもりもございません。むしろ急いで受けていただくことは望みません。セレスティーヌ様が、離縁ののちにご自身の足で立とうとしておられることを、私は知っている。ですから、その時間を奪うことなく、その未来の中に自分が入る余地があるかどうか、ゆっくり考えていただきたいのです」

 その言葉が、また胸を打つ。

 奪わない。

 急がせない。

 彼はずっとそうだ。最初に書簡を寄こした時から、面会で話を聞いた時も。いつだって、彼女の人生の中心へ無理に入り込まず、まずそこへ立つ本人の足場を見ている。

 父が問う。

「なぜそこまで、娘を」

 父は途中で言葉を選び直した。

「セレスティーヌを望む」

 シグルドは一拍だけ沈黙し、それから言った。

「私が見たからです」

 その一言で、セレスティーヌはやっと顔を上げた。

「美しさではなく」

 シグルドの銀灰の瞳が、少しも逸れない。

「外交の場で言葉の流れを整える力を。人の怒りを、折らずに和らげる気丈さを。地図を見て交易の脈を読み、人の機嫌の機微を見逃さぬ眼差しを。そして何より、そうしたものを持ちながら、それを誇ることなく静かに立っておられたことを」

 その場の誰もが口を挟まなかった。

 セレスティーヌだけが、心の奥で何かが震えるのを感じていた。

 この人は、やはり同じ場所を見ている。美しさや哀れみではなく、自分の中にあったものを、自分より先にきちんと言葉にして差し出してくる。

「私は」

 シグルドは続ける。

「あなたを救いたいのではありません。救われるべき可哀想な人として見ているのではない。私の隣に立つにふさわしい方として、敬意をもって求めております」

 セレスティーヌの喉の奥が、ひどく熱くなった。

 可哀想だからではない。

 救済ではない。

 隣に立つにふさわしい方として。

 今までの人生で向けられたどんな褒め言葉より、この言葉のほうがずっと深く刺さる。なぜなら、これは美しさの称賛でも慰めでもなく、対等であることへの評価だからだ。

 母がわずかに目を伏せた。父は依然として硬い表情だが、その沈黙は否定ではない。むしろ、目の前の男の言葉が、少なくとも軽薄ではないことを認めている顔だった。

 やがて父が言う。

「返答を急がせぬと、たしかにそう言ったな」

「はい」

「ならば、今日はそれで十分だ」

「承知しております」

 シグルドはすぐに頷いた。引き際を知っている。そのことが、また彼の言葉の重さを本物にする。もっと踏み込もうと思えばできたはずだ。今ここで返事を求めれば、侯爵家側も完全には拒みにくい。けれど彼はそれをしない。

 立ち上がる。父も母も、それに続く。セレスティーヌもゆっくりと席を立った。

「本日は、お時間をいただきありがとうございました」

 シグルドが一礼する。

「ご返答は、いつでも構いません。数日でも、数週でも。必要ならばさらに時間を置いていただいてもかまいません」

 その“さらに時間を置いても”という言い方に、セレスティーヌは目を見開きそうになった。彼は本当に急がないのだ。急がせないという言葉を、形だけでなく本気で言っている。

「ただ」

 彼はそこで、一度だけセレスティーヌを見た。

「私の意志だけは、曖昧にせずお伝えしたかった」

 それは、きっぱりとしていて、ひどく誠実な言葉だった。

 送られるようにして部屋の入口まで来た時、母が侯爵夫人として最後の礼を述べる。父も短く応じる。礼装の衣擦れ。扉の開く音。外の廊下から流れ込む少しひんやりした空気。

 シグルドが去る直前、ほんの一瞬だけセレスティーヌと視線を合わせた。

 何も言わない。

 “待っています”とも、“考えてください”とも、“忘れないでください”とも言わない。

 ただ、あなたがあなたの時間で考えることを尊重します、とそのまま視線で告げているようだった。

 扉が閉まる。

 部屋に静寂が戻る。

 セレスティーヌはしばらく、その場に立ち尽くしていた。ショールの端を握る指先だけが、自分でも分かるほど少しだけ熱い。胸の中は、ただ驚きと戸惑いでいっぱいなのかと思っていた。けれど違った。そこには、もっと深くて静かな揺れがあった。

 求婚されたからではない。

 未来の候補に加わりたい、と言われたからだ。

 自分の人生を自分で選ぶことを前提に、その中へ入る余地を願われる。そんな言葉のかけられ方を、今まで一度も知らなかった。

「セレスティーヌ」

 母が静かに呼ぶ。

 振り返ると、エレノールの目には驚きと、それ以上の何かがあった。娘がいまどれほど揺れているかを、見抜いている目だ。

「大丈夫?」

 その問いに、セレスティーヌはすぐには答えられなかった。大丈夫かどうかと聞かれれば、たしかに立っていられるし、倒れるわけでもない。けれど心の中は、これまでのどんな社交の場とも違う震えに満ちていた。

「……少し、分からなくなっております」

 ようやくそう言うと、母はやわらかく微笑んだ。

「そうでしょうね」

「嬉しいのだと思います。でも、それだけではなくて」

「怖いの?」

 セレスティーヌは少し考え、それから頷いた。

「はい。たぶん」

 母は娘のそばへ来て、そっと肩へ手を置いた。

「それでいいのよ。急がせないと言ってくださったのでしょう」

「……はい」

「なら、今すぐ答えを出さなくていいわ」

 その言葉に、セレスティーヌはやっと息を吐けた気がした。胸の中の熱は消えない。むしろ、言葉にするたびに輪郭を持っていく。だが、その熱に今すぐ名前をつけなくてもいいのだと思うと、少しだけ肩の力が抜ける。

 窓の外では、春の陽が少し傾き始めていた。ライラックの影が床の上で長く伸び、風が吹くたび淡く揺れる。甘い香りが部屋を満たす中で、セレスティーヌは胸の奥に宿った新しい重みを確かめるように、そっと目を伏せた。

 あの人は、自分を手に入れたいのではないと言った。

 それは、どんな強い愛の言葉より、今のセレスティーヌには重かった。
 所有ではなく、候補として。
 強引な救済ではなく、選ばれることを待つ誠意として。

 その重さに、彼女の心は確かに揺れていた。

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